〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
私はおそらく母親だろう人に抱かれながら病院を出ていく。今日は退院日なのだ。
だが、この生まれてから退院するまでの数日間で私は見聞きしたことがある。
それは...この世界、元の世界と変わらなそうな所だ。いやね、私としては剣と魔法の世界が良いわけですよ。
なのに、なんか普通に機械が置いてあるし、色々システマティックに物事が進むのをこの霞んだ瞳で見ているし、なにより、使われてる言語が日本語なのだ。これじゃあ普通に興醒めじゃあ!ただの知識無双しかできぬ...私がしたいのは俺tueeeeじゃなくて、平等なバトルだったり、旅だったりなのだ。
そう心の中で憤慨していた時のことだった。女...多分、私の母親が名前を呼んだのだ。
『ムラサメ』と。
そうすると、ムラサメさんが、ここで集合する予定だったのだろう。呼んで出てきた。
へー、ムラサメかー、変わった名前だ。
そう思っていた時だった。
「シウ、お前も産後なんだから安静にしとけ...俺やって心配なんやから...」
母親の名前はシウというらしい。
ん?あれ?なんか聞き覚えのあるな...
私はどこで前世のどこでこんな特殊な名前を見聞きしたんだろうと、考えていると、話は進行する。
「そんなことないわ。大事な家族が一人増えたんですもの...いきましょう、ム・ラ・サ・メ♡」
うっわ。シウ母さん、ムラサメ父さんにベロベロ過ぎだろ。なんだこれ。酒にでも酔ってたらこうなるのかなってぐらいだ。よほどムラサメ父さんのこと好きなんだろう...公の前でイチャラブするのはやめなさい!みっともない...
「シグレも元気にしてた?」
ん?シグレ?
「ああ、いい子にしてたな。なあシグレ」
「あ、あい」
「ふふっ、それじゃあいきましょうか...ア・ナ・タ...」
そういって、私たちは動き出した...
ちょっと待て、シグレだと?
ふっ、まるでセンエース神話だな。
あ、センエース神話といえば、田中家の一族紹介ページで、時雨の父親、母親として、村雨と時羽が出てきて...
んん!?
シウ...時羽
ムラサメ...村雨
シグレ...時雨
...辻褄が合う......
は?
「村羽...いきましょうか」
ムラハネって誰!?もしかしてわ、私?
「その子はそこまで泣かないんやな。シグレの時はワンワン泣いたのに」
「きっと、ア・ナ・タの血が入っているからよ。シグレは例外だっただけなんでしょう?」
「まあな。ウチらの家系の人間は、1歳になったら基本喋り出す。やからまあ、その子やって、今でも自我あるんとちゃう?」
ギクっ!そ、そんなことないですよーだ。今だってきっと目の発達が遅れてるし。
というか、そんな脳がバリバリに発達するのがよく起きる家系なんて一つしかないじゃないですか。
そう、田中家しか。
...わ、私、も、もしかして...
「お前も、田中家の人間なんやから突然や。シグレはちと、成長が遅いみたいやけどな」
私の家系、大いなる田中家だぁぁぁ!!!
大いなる田中家...アナタは転生するとしたら田中家に生まれたいですか?