〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
「運命を殺すぅ?お前何言っとんの。スピリチュアルもそこまでいけば大したもんや。それとも、あれか?お前変な連中に毒されて変なもん買わされたか?壺とか買わされてるんちゃう?」
「っ、こっちは真剣なんだ。話を聞いてほしい」
「...ああ、そう。で、何があった?」
私の焦った表情を見たのか、トウシは聞く耳をもってくれた様だった。だけど、だからってどうやって説明しよう...
両親が数年後に死ぬのを助けてくれなんて曖昧な表現では、対策も立てれないし、なによりトウシに信じてもらえないだろう。だから、ここも『原作知識』を使わせてもらう...
『運命』には、『運命』で対抗してやる。
「私が、知能レベル1って言うのはもう、田中家で有名な話だよね?」
「そうやな。ワシの耳にも入ってきたレベルや。心の底から不憫やなぁと思ったで、んで、それが?」
私は嘘っぽい本当の事...いや、9割9分9厘、嘘の話をする。
「私は、大いなる田中家で通常得られた知能と引き換えに、未来を識る力が与えられている...っぽい」
「未来を識る力ぁ?なんそれ。それじゃあ今からするワシの行動でも当ててみるか?」
「いや、自分でも完全に制御はできていない。だけど、識ってしまったんだ...」
「なにを?」
「私の両親...ムラサメ父さんとシウ母さんが事故で死んでしまう所を...」
「...それは穏やかやないなぁ...」
「トウシ...君はこれから、『ジュリア』という女性を助ける...もし、私の事が信用できたら、『セラ』の連絡先を教えてほしい。彼女の力が必要に...なるかもしれない」
「......ふーん、まあええわ」
と、そんな風にして、私はトウシと契約した。もしもの時は、『セラ』にも協力してもらうように取り付けた。
今、この世界でもっとも知識があり、強靭なのは今頃高校生に上がったばかりのセラ姉さんだろう。会ったことはないが、ミスターZの都市伝説は流れてきている。
きっとどこかで世界を救っているのだろう。
...そんな人を呼び出すなんて、恐れ多いことこの上ないが、両親が死んでしまうのなら話は別だ。
もしも誰かが死んでしまうのならば、私は誰かの力も惜しみなく使う。
『運命』の標的が私だったら、こんな動くハメにならなくて済んだのに...
「さっさと出て行け。まあとりあえず、話はわかった。半信半疑やけどな」
そう言われて、私はトウシの家から出て行った。
そう言えば、私の中学とトウシの中学は離れてしまったようだった。家から若干距離があったし、仕方がないかと思いつつ、私は焦ることを止められないまま家に帰った。
【...今日の夢で頑張って出てやろうかな?でもなぁ、覚えてないんだよなぁ...どうしたもんかなぁ...】