〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
あれから、3ヶ月の時流れた。中学2年生の冬だ。
そして、今日は私の誕生日、12月17日だ。最初は、『おっ、17はっけーん』とか喜んでいたのを思いだす。
できれば月も17だったら良かったなぁと思う。無茶だけど。
そんな風に考えながら、私は学校から帰っていた。
シグレはこの時期、受験勉強真っ盛り...というか、もう終わりかけだ。だが、1番辛い時期と言っても過言ではない。
私はシグレの邪魔にならない様にそっと家のドアを開け、閉じた。
私は家の中に入る。そうすると、最近はコンピュータに没頭しているムラサメ父さんの姿が見えた。
ずっと集中しているのか、私少し近くによっても気づいていない様だった。多分、フリーダム・シャットアウト・ゾーンが発動しているんだと思う。
言ってしまえば、フロウ効果を意図的に起こす技術。田中家の人間にはそれができるらしい。私やシグレはできないが...
私はしばらくの間、そんな父の様子を見ていた。
「シウ母さん。ただいま」
「ムラハネ...我が子よ、お帰りなさい」
シウ母さんが台所にいたので話しかける。最近は、シウ母さんもなにやら忙しそうにしていた。ムラサメ父さんと共同で何かをやっているように思えてならない。
...それが、事故の元凶にならなければ良いんだが。
って、これは勘ぐりすぎか。とりあえず、手洗いを済ませたあと、とっとと趣味の時間に入る。
私の趣味...それはネット小説を読むことである!
シグレと同じ様に、私も中学生になってからスマホを買ってもらった。
シグレ姉さんは普段からよく使うからか、ギラッギラにスマホをデコっているが、私はカバーだけと言うシンプルイズザベストを貫いている。私はそんな、小説を閲覧する以外、スマホ使わないからね。
姉妹どうし似るといっても、細かい趣向などは違うのである。
そうして、時間を潰したあと、私は豪勢な夜ご飯を前にした。そう言えば、今日誕生日だったね。
「ムラハネ、誕生日おめでとうやな」
シグレがそう言うと、ムラサメ父さんも
「おめでとうや」
そう言ってくれた。シウ母さんはの方をチラリと見る。不敵な笑みを浮かべており、
「我が子達よ、今日は盛大なる宴である。我が秘伝の料理を存分に楽しむがいい!」
......こう言う、たまにくる荘厳な言い回し、ちょっと怖いからやめちくり。シウ母さんは性格のモードが3つある。ムラサメ父さんにデレデレな通常モードと、こう言う荘厳モードと、あと一つ...って、そんな事はどうでもいい。
私たちはシウ母さんが作った料理をつまみながら話す。
「そう言えば、最近父さんやけに忙しそうにしてるけどなんでなん?」
シグレが口を開く。
「ああ、ちょっとやらへんとあかんことがあってな?その為の試作機1号を作っとる」
シグレは、へーと言いながら、ご飯を頬張った。
「...そして、それがなんとか完成した!今日までに、誕生日までには間に合わせたかったんや。試運転はもうできとる」
「あ、そうなんや。おめでとう」
シグレは適当に返した。
「え?私の誕生日に?と、いうことは...」
「せや、お前の誕生日プレゼントや」
やったぁぁぁ!!!私の誕生日プレゼントって、基本現金だったからめっちゃ嬉しい。
そうして、誕生日会は終わった。
【...ボクの、傍観者の終わりが近い...気がする...】