〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
シグレと二人で暮らすようになってから、とうとう中学3年生となった。そして、センと同じクラスになった。
まあ、かと言って何かあるわけじゃないんだが。
あと、私は他のイベント...センと蝉原の邂逅だけは見ないとな。それで明確に世界線がわかる。
とりあえず、トウシに学力でボコボコにされて、殴りでキムロを倒すシーンは見ておきたいな。ここはどの世界線でも確定で起こるはず。
まだ、原作ファンとしての意地みたいなのもある。もうそういうのも気にしていないぐらい、この世界に馴染んでいっているが。
そうしていると、掃除当番で今日はなんと、センと一緒だった。
やはり、同じクラス様々という事だろう。しかし、私がセンに対して何かできることなど、特にない。
私とセンは黙々と掃除をする事になるんだろうなぁ...と思っていた時だった。
「その眼帯、本物か?」
向こうから声がかかった。私は思わず体をビクリと揺らしながらも、なんとか答える。
「う、うん...一応本物...」
この世の全てを背負った主人公を相手にしているのだ。緊張しない方がヤバい。と言うか失礼まである。いや、センがそう言う事を気にする男じゃないのは知ってるけどさ...
「そう言えば、『とある同級生が下の子を庇って蝉原の取り巻き数人にマワされてアイスピックで目を刺された』なんていう与太話がこの学校には広がっているらしいぜ。その噂の火元はムラハネ、お前か?なら色々聞かせて欲しいんだが」
「...え?」
ど直球な、まっすぐストレート1500キロ出されたわぁぁ!それやるのお前やないやろぉぉ!!むしろ私側ぁぁぁ!!
「嫌なら話さなくていいぞ。元より興味はないんでね」
彼は適当に掃除をしながら、そう言う。
...ここは、一体どうするべきなんだ?話したほうがいいのか、それとも、話さない方がいいのか...
...私はせめてもの思いで原作に寄り添うことにした。ここでセンが何かを知れば、動いてしまうかもしれない。そんなのありえないだろうけど、念のためだ。
「い、いやだ」
「そうか。最初からどうでもよかったことだ。別に構わん」
そう言って、センは黙々と掃除に取り掛かった。
(私、主人公と話したってマジ?いやぁ、誉高いわぁ。今まで話した事は...2回かな。2回あったけど、向こうから話しかけられた事はなかった。だから向こうから話しかけられたのは普通に嬉しいね。と言うか、センさんや。私にファントムトークを見せておくれ)
...所詮、私とセンの関係など、この程度のものである。一応、年長の時から一緒だったんだけどなぁ...小学校は違ったけどさ。