〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』   作:楓舞星

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35話:これが宇宙一の厨二ヤクザか...

 

センは興奮冷めやらないのか、ぶつぶつと独り言を言っている。

 

 そんな時だった。ソイツが現れたのは。

 

「……へぇ。面白い状況だなぁ。ねぇ、ユズ、そう思わない?」

 

「べつにぃ」

 

「あいつは...」

 

 蝉原勇吾...センエース最大の敵...になろうとしている宇宙一の厨二ヤクザ...

 

 私が『悪』の総統に慄いていると、

 

「起きようか、キムロ」

 

 そういい、蝉原は持っているジッポの様なものでキムロの耳を炙る。

 

 そうすると、

 

「あっつぅうう!!」

 

 キムロが起き上がった。

 

「おはよう」

 

「あぁん?! ……ぁ……蝉原さん……」

 

 ...誰もが、キムロさえもが、蝉原には逆らえない。それが、同じ『悪』であっても。いや、『悪』であればあるほど、王である蝉原には逆らえないんだ。それがよく、理解出来る光景だった。

 

「説明はいらない。見れば大体分かる。キムロ、もう帰っていいよ」

 

「……あの、蝉原さん、俺ーーー」

 

「聞こえなかった?」

 

「……すいません……聞こえています。……帰ります」

 

そう言って場にはセンと蝉原、そしてユズが残った。

 

「さて、それじゃあ、少し話をしようか。えっと、きみ、名前、なんだっけ?」

 

「……俺とお前、一応、クラスメイトなんだけど」

 

「知っているよ。けど、カモの名前に興味はない。ただ、人間の名前には興味津津。というわけで、お名前は?」

 

「……セン」

 

「センくんね。えっと、とりあえず、財布、出してもらえる?」

 

「……」

 

「ああ、大丈夫、大丈夫。これで最後だから。君じゃなきゃいけない理由はない。だから、今後は無視してあげる。けど、今回は、君じゃないといけない。わかるよね、意味。ケジメってやつだよ」

 

「はは……ケジメねぇ……なあ、蝉原、前から聞きたかったんだが……ヤクザごっこは楽しいかい?」

 

「ごっこというより、練習だね。おれは確定で『そっちの道に行く』から」

 

 そうして、蝉原ニコっと笑みを見せる。

 

「宇宙一の極道に、おれはなる!」

 

「……はは……ぁ、そう……恐いねぇ……」

 

 おお、これが宇宙一の厨二ヤクザか...

 

 そうして、私はつい、ユズの事をみる。

 

 彼女は興味なさそうに、自身のスマホを見ていた。

 

 ...冷や汗と動悸が止まらない。あのことは、トラウマの一環としてわたしの中に刻まれている。その中には勿論、ユズもいる。精神科にかかったのも、それが原因だ。男と接するのが一時期しんどくなったのだ。今は精神安定剤...抗不安薬でどうにか乗り過ごしている。

 

 話はまだ終わらない。

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