〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
そうして、蝉原とユズは去ってゆく。その場には、痛みと激情を震わせてるセンだけが残った。
「神センがこない...?ならこの世界はオリセン時空か...」
私は初、原作シーンをこんな胸糞で見ることになるとは思っていなかった。神センが登場して、蝉原とユズを成敗するストーリーが見れる可能性が高いと思っていた。それが原作だからだ。だから飛び出さなかったのがぶっちゃけ10割を占めている。
...それに、神センが来なかったらどうやってこの壊れかけた頭と喪失した目を治せば良いんだ...?
私は予定が狂ったと思いながらも、ここからどうしようかと考える。この世界はどうやら、オリセン時空らしい。
...だったら、ここでセンに恩を売っておくのが正解なんじゃね?
私は打算ありきでセンに近づいた。
「や、やあ。なんか酷い目にあってるね」
私は、偶然そこを通りがかったように現れた。
「......ムラハネか」
「あ、名前覚えてくれているんだ...」
主人公に名前覚えて貰ってる...いや、ここから多分神センになったら忘れるんだろうけど、それでも嬉しい。
「......女にしては妙な漢字だったからな」
「君は人として妙な漢字だけどね」
「......んで、なんか用?俺今ボコボコにされた後だから非常に昂っているんだが」
「え、あ、いや、別に何か用があったわけじゃないよ。心配しに来ただけ...」
「...あっそ、なら別のところにいってくれ。今は一人になりたい気分なんだ」
「そ、そうだよね...ご、ごめん...」
...あっさり断られちゃった。どうしよう。恩を売るもクソもこれじゃあない。
そうだ。
「あの、これ...」
私はハンカチを取り出した。
「いらないなら、捨てちゃっていいから」
私はセンの鼻を無理矢理拭った。そして、近くに放ってある鞄の側にあるポケットに、そのハンカチを押し込んだ。
(だいぶ恩を売るために不自然な行動をしているけど、眼力【B+】よ。邪魔しないでおくれ...)
「そ、それじゃあ、バイバイ」
「......ああ」
私は足早に去っていった。主人公との対面は、いつだって緊張するものだ。私はいつでも、体が震える思いでセンと接していた。
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間話
「ああっ!?払えねえんじゃねえんだよ!」
「ほ、本当にないんです!ほ、本当です!」
私は、どうしても蝉原の要求を飲めなかった少女などに対して、単純日プレゼントで貰った10000円から中を、1000円を抜き取り、
「...お願い...こ、これで許してあげて...」
そうやって、折檻されている子を助けたりして、
「次からはしっかり1000円を用意しようね?」
「は、はい!本当に、本当にありがとうございました!」
...何故自分がそうしてしまうのかは、今でもわからない。多分、自分の根本なんだと思う。昔から、転生する前からその気はあったと思うけど、この世界に来てから加速している気がする。それがどうしてかは、私自身よくわからない。