〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
そうして、私は高校生になった。因みに、高校は『東高』にした。『アカコー』にもしようか迷ったが、最終的に、東高にした。何故ならオリセンが見れるからである。トウシも見たかったが、オリセンの方が重要である。
主にカワチを助けた事や、ここが禁であるオリセン時空であることで、原作というのは恐らくすでに崩壊している。とはいえ、やはり作品を愛する者としてはキャラとは触れ合いたいのだ。
まずは...
「初めまして。月光寺時一です。趣味は...特にないです」
「龍牙峰杏奈だ。みんな、よろしく頼む」
クラス初日の自己紹介にて、彼ら彼女らと出会う所から始めよう!
やった!ここからは『悪』ではない奴らと出会えるのだ!龍牙峰は『悪』か...?いや、龍牙峰は集団でリーダーを張れるぐらい良い子のはず...それより、『輝木』の姿が見えないな...別クラスなのだろう。センもいない。
どうやら、私が起こした原作ブレイクのせいか、はたまた私が席を一つ潰してこの東高に入ったせいか、かなりバラバラになってしまったらしい。
私は脳内メモにある東高の人間名簿を思い出す。
「音文叉帝です。こんな名前ですが、根はマトモなつもりです。よろしくお願いします」
あ、『悪』だ。個性溢れすぎる面々に、私は内心震えながら、席を立った。次は私の番だ。ぎこちなく教壇の前に立つと、皆の顔を窺えた。みな、私が何を喋るか注目している様に思える...
私は大きく息を飲んでから、発し始める。
「田中村羽です...気軽にムラハネちゃんって呼んでください。趣味は特に何もないですが、人と触れ合うのは好きです」
...無難に終わらせれただろうか...出来る限り、口調も穏やかに言った。きっと、反感は買っていないはず...
私は内心の震えを抑える様にその場を離れると、席についた。
_______
(ムラハネちゃんかぁ...可愛い子だなぁ...)
(ようやく、マトモそうな奴が一人増えたな...)
(アイツ...あの噂の奴じゃね?)
_______
初めての体育の時間。
「アンナすごくね?」
「あいつ、あの蝉原さんの愛人らしいぜ」
「えぇー!まじかよ...そりゃあすげえ訳だ」
龍牙峰は体育を無双していた。限りないぐらい、全力で無双していた。
体育の時間では、女子と男子に分かれており、私は体操を種目選択で選び、やっているのだが...
(いやいや...人間じゃないだろ、もはや)
体操の技が尋常じゃない。どんなイかれた体幹してたらあんな動きが出来るんだってぐらい動きが鋭すぎる。
(え、神センとかってこれとは比にならない動きするってマジ?ぶっちゃけ今の杏奈の動きでも余裕で人間技じゃないんだが)
女子にあるまじきとんでもない身体能力と、圧倒的ななしなやかさをもつ肢体で数々の技を繰り出す。その様はまさに某インフレバトル漫画さながらだ。
(いやいや、人間じゃない人間じゃない...)
私は普通にドン引きしていた。普通の人間より...私は普通の人間よりもかなり劣っているが、能力にここまで差があるとは流石に思っていなかった。
見ていた体育教師も、
「こ、これはワールドレコードに迫る勢いだぞ...なんなんだあの子は...」
ドン引いていた。そうですよね、先生。私たちパンピーは奥で静かにお茶してましょ...
...私は一連の動作を終えて休憩していた龍牙峰に話しかける。
「ね、ねえ、龍牙峰ちゃん、ど、どうしてそんな全力でやってるのかな?世界記録級だよ?」
やばい、原作キャラとの喋りで、つい吃ってしまう。
だがしかし、意外にも龍牙峰は優しく言った。
「は?これで世界記録だと...?そうか...」
ははーん、お前さては全力でやってなかったな?私にはお見通しだぞっ。
...なんなんだこのバケモノはーー!!!
「も、もしかして、ほ、本気じゃない的な...?」
「...あたしが体育の授業で本気になる事はないだろう。だが、今日は初回の授業だから、多少は周りを威圧しとこうかとは思っていた...」
なろう系主人公かな?