〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
彼がきた。場は混沌としだす。
彼はバナナオレを片手に龍牙峰達に確かにそう言った。
「あ?なんか言ったか、そこのキモいカス」
売り言葉に買い言葉か、アコがつっかかっていく。
ふっ、そいつはこの世の主人公様だぜ!油断するなよアコよ!お前も一応ネームドだけど!
「俺も大概だが、お前らよりはマシだ。てか、お前らより下になったらおしまいだな」
「は、マジでウザいんだけど。なにあんた? だれ?」
「俺を知らない? 冗談だろ? 俺は『蝉原より有名になる男だ』と、全俺の中で、もっぱらの噂になっているほどの男だぜ」
「ぇ、何言ってんのこいつ、キモ……」
「俺が何を言っているのか分かったら、誰も苦労しねぇぜ。俺を含め、誰も、俺が何を言っているのか分からない。それが俺のファントムトークだ。どうだ、吐きそうだろう? 遠慮しなくていい。存分に吐いてくれ。なんなら、保健室に連れていってやってもかまわないぜ。運搬料100億万円ローンも可」
ぎゃああ!!!とうとうファントムトークが解禁されてるぅぅぅ!!!
ここまでセンと3回ぐらい会ってきて、一度も発せられてなかったファントムトークが!いま!発言されてるぅぅ!!!きゃっはああ!!!
私は謎の興奮でワクワクしていると、彼は、センは言う。
「いいかクソ女ども。……俺は酒や食い物を頭からぶっかけられようが、つばを吐きかけられようが、たいていの事は嗤って殺してやる。……だがな!! どんな理由があろうと!! 俺の尊厳を傷つける奴は許さない!!」
それに対して、龍牙峰は冷静に返す。
「あんたは尊厳を傷つけられる前から、こっちにケンカを売っていたと思うけど? あたしらは、輝木トト詠の話をしていただけで、あんたには何も言っていなかった。なのに、あんたは、あたしらを侮蔑した。それについての釈明は?」
「俺が言うところの『俺の尊厳』ってのは、『俺のルール』のことだ。俺はルールを遵守する。そんな俺のルールにお前らは抵触した。よって罰をあたえる。罪と罰。単純な話。これにはラスコーリニコフもニッコリ」
流石暴君!発する言葉が違いまっせ!やったれやったれ!
「あんたの言う、あんたのルールって?」
龍牙峰がその場をどうにか落ち着かせようとしてか、センの言うことを静観とした面持ちで聞く。
「俺に聞こえるところで、俺が不快になることを口にするな」
ひゅうー!終わってるぅ!
「ずいぶんワガママな男だね。ちなみに、何がそんなに不快だった? こっちは『輝木が怖い』って話しかしていないけど? あんただって怖いだろ、あの殺人鬼」
「輝木はまったく怖くない。一番恐れるのは この怒りがやがて風化してしまわないかということだ」
...まあ、輝木が怖いのはよくわかる。私も初見だと普通に目ん玉飛び出るかと思うぐらい怖かった。
「……ちょっとマジの質問なんだけど……あんた、さっきから、何言ってんだ? もしかして、クスリやってる? 知り合いに、何人かハッパ決めてるやついるけど、あんたの言動、そいつらよりヤバいんだけど……」
「クスリやってたら、まともになっていると思うぜ。ほら、マイナスにマイナスをかけるとプラスになるだろ? あの方程式が適用されるはずだと俺は信じている。嘘だけどな」
「……」
「そんな悲しい顔するなよ、ベイベ。ただのファントムトークだ。ウンコと一緒。流せばしまいよ」
あ、これサブタイトルコールだ。これに気づくなんて私ったらやるねぇ。