〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
原作にて、この世界はいずれ、バグの力を操る蝉原にぐちゃぐちゃにされ、最終的に崩壊する。
ならば、先に手を打てばいい。私は手始めに...
「んで、ワシの出番と」
私は究極の天才、田中トウシに頼み込んだ。概要はもう話した。バグと呼ばれる存在と、蝉原という『悪』にこの世をぐちゃぐちゃされると。
「ジュリアは...今日も、いないみたいだね」
「お前、どんだけジュリア怖がってんねん」
ジュリアは怖い...というか、実際には会いたくないのが、大体読者の感想だと思う。
「とりあえず、私の『形見』に触ることは出来そう?」
私は『形見』をトウシに手渡す。
「...なんやそれ...まさか、携帯ドラゴン?どう言うことや?」
トウシは携帯ドラゴンをみて驚いているようだった。私からすると新鮮だ。田中トウシ×携帯ドラゴンというのは混ぜたら危険で有名なのだから。
「...軽く触ってみた限り、かなりのオーパーツやな...」
「私の両親が作ったんだから、当然でしょう」
トウシは『形見』をチェックし、操作していく。
「あー、こりゃあかんな大部分はお前以外が触れんようになっとる...」
「私以外が触れないような?...どう言うこと?」
「お前、なんか心当たりないか?制約と誓約みたいなの。多分そう言うのが働いてる...っぽい」
「ああ、アリア・ギアスね」
私はトウシにアリア・ギアスの概念について教えた。
「おーけ。大まかな概要はわかった。セラ姉の連絡先なら知っとるから、ほぼ全てのシステムが使用不可でもこれを使えば...」
トウシの指が高速で動く。おそらく、他者の利用を禁じているアリア・ギアスがかけられているというのに、トウシは抜け目をついて走り出す。
私はトウシのやっていることが一ミリもわからなかった。ただ、結果だけはわかる。
『形見』がプルルと震えた。電話のサインだ。
田中トウシは連絡をかけたのだ。私はスマホを耳に近づけた。そして聞こえる、女性の声。でも、どこか気弱な感じがした。
『はぁ...はあ...ん、なんやぁ?ボクに連絡かけれるとか、お前何モンや?』
「...セラ姉さん。助けて」
『...質問に答えろや。こっちは時間がないんじゃボケェ、さっさとせえ』
「...私は田中・イス・ムラハネ。端的に言うと、世界が終わってしまう。助けて」
『ムラハネって...ああ、むかし噂になっとったミジンコか...なんでそんなやつが私に連絡かけれとんの?お前の父親も猿やろ』
「...父さんを侮辱したことは今は置いておく。私は未来が識る力がある。それで識った結果として、将来、この世界にバグ……蝉原勇吾と言う化け物が各地を支配し世界を混沌へと変えてゆくのが判明した」
『...バグ...時空ヶ丘の記述にもそんなのはなかった。お前の勘違いとちゃう?』
「あー、セラ姉、聞こえとるか?」
『その声はトウシか...なるほどな、トウシの力があれば出来るわな』
「セラ姉さんお願い...力を貸して」
『......残念ながら無理や』
「ど、どうして...ま、まさか...びょ、病気?」
『...はは、まさか当てられるとは思わなかったな。と、なると、未来を識る力っていうのも頷けるなぁ』
「セラ姉!病気ってのはどう言うことや!?」
『...まあ、もう言ってええか。ボクは謎の奇病に犯されとる。現代医学でも、魔法でもどうにもならん奇病や。それのせいで多分、あと......数分で死ぬんとちゃうかな?』
「す、数分?そ、そんなバカな...」
正に虫の息じゃないか!私は焦る。だが、どうすることもできない。
『...それにしても、バグやら蝉原とか、かぁ...そんなのに世界がめちゃくちゃにされるんやなぁ...』
「そんな感慨深そうに言うことか!」