〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』   作:楓舞星

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50話:『ボク』と私の関係性

 

 それから、何分が経っただろうか。少しとはいえ『形見』の力を使った私と、あくまでただの人間であるゴンズ、それで闘いが成立する事自体がおかしいのだ。

 

 私も、『形見』の力は流石に抑えている......と言っても、それでもクマ程度だったら片手で勝てる力がある。なのに、勝てない。

 

 それは、相手が田中・イス・ゴンズだからなのかもしれないし、なんらかのスペシャルの効果で『未来視』が使えるはずの私が虚弱すぎるのが悪いのかも知らない。 

 

「試合終了や」

 

「っっ!ああ、疲れた...今日もありがとうございました!」

 

 私はこうやって自身の格闘技術を...戦闘力を上げる訓練を欠かさず行っている。

 

 それが、いずれ来たる厄災に勝ることを信じて。

 

「ゴンズおじさん、毎日ありがとうございます」

 

「それまでのことやない。お前がその力を持っとるから、更に自身の力量を上げられないか調べとるだけやから」

 

 そう言うゴンズだったが、私は知っている。戦闘中、常にゴンズは私に指導手を打ってくれていた。

 

 私はゴンズとの戦闘力向上訓練が終わったあとは、一人で勉強する毎日だ。

 

 世界を救い、戦闘力もあげ、学業にも取り組む。

 

 それが、今私のしていることだ。

 

 別に、たいした事でもない。イジメられていた時の経験が生きているのだろうか。この程度で、へこたれるほど、私の要領は悪くないという事だ。

 

 因みに、私が現在目指している大学は、早稲田大学である。そう、センが通うだろう大学だ。

 

 そこを目指して、元々は理系だったが文転したような気持ちで勉強に励んでいる。

 

 もっとも、世界を救いながら武道もし、尚且つワセホウに受かるなんてとても甘い事だ。

 

 だけど、この程度の甘い事を達成出来ないと、いずれ来る蝉原の厄災は止められないと確信している。

 

 だったら、私はやってやる。

 

 私の覚悟と、私の中にあるスペシャル、『不屈の魂魄』がずるりと呼応した気がした。

 

 ちな、病的な高潔は本当にいらない子である。マジでいらない子である。これのせいで私、イジメに巻き込まれ体質だったという事に気づいた。多分コイツが原因だろう。簡単に言えば『不運』を引き寄せているのだと思う。

 

 【いや、スペシャルってそう言うもんじゃないよ】

 

 誰だお前!当然話しかけるな!びっくりするだろう。

 

 そう、メギドを喰ったからか、携帯ドラゴンの力が強まり、更に『ボク』との関係性が強化された気がする。今では瞑想とか、頭をフル回転させなくても勝手に向こうから話しかけてくる。

 

 【んで、ボクは自分自身がスペシャルの擬人化とも言える存在だからわかるけど、スペシャルっていうのは本人の気質や才能の表れなわけ。それを持っているということは、つまり、『私』には元からそういう気質があったってこと】

 

んー、まあわからんくもない主張だ。確かに、前世から私はイジメ撲滅系女子だった。だけどそこまで首を突っ込むタイプではなかったんだよなぁ...

 

 【それじゃあ、その前世が平和だっただけじゃない?蝉原一味とか存在しなかったでしょ?】

 

 まあそうだな。うん。そう言う事にしておこう。

 

 それにしても、なんで私が3種の神器である『病的な高潔』と『不屈の魂魄』と『絶対的精神的支柱』を持っているんだろうね?他のよくわからないスペシャルは、田中家にある特殊な、砦っちやらのアリア・ギアスで説明がつくけど。

 

 そこらへん、スペシャルの擬人化である『ボク』にはわからないの?

 

 【前も言ったけど、転生特典なんじゃないかなぁ...それとも、原作知識がなんかしらに作用してるのかね...ここまでしかわからないかな】

 

 転生特典か、原作知識がなんらかの作用を...か...

 

 結局、何故私がスペシャルを持っているのか結論はでなかった。

 

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