〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』   作:楓舞星

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57話:東高から早稲田が3人でるとはな

 

「まさか、東高から早稲田が3人でるとはな」

 

「同志社も出たらしいぞ!」

 

 卒業式は騒然としていた。私はまさかこうなるとは思っていなかったことが発生した。

 

 まさか、輝木が大学受験をしたのだ。そうして、ワセホウに見事受かったようだった。

 

 そうして、偏差値48の高校にあるまじき、早稲田3人と、同志社1人というとてつもない進学実績が出来た。これは以来、奇跡の世代と言われることになる。そうして、高校偏差値が5上がったのは有名な話だ。

 

 いま、私は東京で一人暮らししている。

 

 シグレとは離れてしまったが、たまに転移で戻ったりして驚かせるように帰っている。

 

 田中家の集会にも顔を出した。トウシとザンクは大学には進学しないらしい。これ以上、知性レベルが異なっている相手と絡むのはしんどい...とのこと。まあだろうと思う。ウラスケは逆に『普通』の私立の大学に行くだろうと語っていた。ちなみに、私からみて田中家の性質を1番拗らせてるのはウラスケであった。

 

 私からしたら、初めての大学生活で若干ウキウキしてる部分もあるが、そんな生活を壊す存在が間近に迫ってきていることも知っている。

 

 蝉原が街ではなく、県を、県ではなく府や都を支配するのも時間の問題だろう。私は少しでも進行を食い止めるために妨害工作を、トウシから連絡を貰っては日本各地を飛び回っている。

 

 蝉原はいま、遊んでいる。その隙をついて、私もセンを鍛えたいと思う。

 

 格闘技サークルで、私とセンは対面する。

 

「...まさか、お前がこっちに来て、サークルに入ってくるとはな。運命すら感じる。あと、さっき輝木の奴も格闘技サークルに入ろうとしていたが、あまりの殺気に止められてたぜ。平常運転だな」

 

「ファントムトークはどこにいったの?」

 

「...俺の黒歴史を晒すのはやめてくれ。普通に、老成したんだよ。俺だってな」

 

 老成...ねぇ......

 

「それは老成じゃなくて、諦観だよ。この世界に疲れちゃったんじゃないの?」

 

「...はは、そうかもな」

 

 散々喧嘩したくせに、どこか親しげに、私達はそう語り合う。そうして、センと私はスパーリングを始めた。高校の時と同じように、私の拳はセンに突き刺さる。

 

「ほらほら!拳にやる気が入ってないよ!女の私が倒せなくて、蝉原が倒せる訳ないでしょ!」

 

「っち!なんで蝉原を気にしてる事がバレてんだよ!」

 

「ただの当てずっぽ!」

 

「...このっ、クソっ!」

 

 何度もセンは私に拳を振り上げるが、私はそれを防ぎ、躱わす。そうして、逆に拳を顎にいれた。

 

 もう3年、地獄の修行に明け暮れたのだ。鍛えられた私の体から放たれたパンチは、センの体を抉った。

 

「ぐうぅっ!」

 

 だが、センはそれでも諦めない。

 

 起き上がったセンは、素人の構えなのに、やはりどこか仕上がっているようにも感じた。きっと、センの精神性がそうさせているのだろう。

 

 そこに、私は希望を見出した。

 

 私のやってきたことは、無駄じゃない。

 

 私は、徹底的にセンを鍛え上げる。

 

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