〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
3年が経った。裏での仕事はもう週7で稼働している。世界を救うことと、蝉原の対処でかなりいっぱいいっぱいだ。なのに、私の妨害工作も虚しく、蝉原の手は既に日本全土に及んだ。
海外進出ももう始まっており、ロシア、中国、アメリカという大国にも支配の手を伸ばしていっている。
...蝉原勇吾は怖すぎる。これでもまだ、なんら本気を出していない。
だが、私の隣にはセンがいる。私が性根を鍛えたセンだ。『原作』よりも少しは強くなっていることを祈ろう。
そんな感じで日々を過ごしていると、公安からとうとう『蝉原対策チーム』が発足され、もう既に係長の地位に就いていたセンはこのチームに乗っかった。
因みに、係長の地位に立ったセンは...
『あの父親の地位に俺もかぁ...俺も偉くなったもんだなぁ...でも、やってること下請けの下請けと言うか、全部の面倒ごとの受け皿というか、色々終わっているんだが』
そうぼやいていた。だなと思う。
色々あったものの、『原作』通りにセンは『蝉原対策チーム』に加わった事となった。
さあ、勝負はここからだ。
この世界で、私は蝉原を暴れさせたりしてやらない。
この世界には、大切な存在がたくさんいるんだ。
親戚全員に、月光寺や龍牙峰などの元クラスメイト達。カワチもいる。
そんな人達を、殺させなんて、不条理な死なんて許さない。
そう、思うはずだったんだ......
事務用の携帯から、通知が流れてきた。何だろうと思いみてみると、蝉原対策チームの人間からだった。
『テレビを見てみろ』
そう端的に書いてあった。私も使う機会はないとは言え、インテリアとして、生活感を出す為にテレビは設置してある。
それを初めてつけたその時だった。流れてきたのは、アイツが映っていた。蝉原勇吾、私の宿敵。
『こんにちは、日本中の皆さん。俺の名前は蝉原勇吾。恐怖の混沌を叶える悪魔だ』
何を言ってるんだ?コイツは...
私はそう考えながら、ふとチャンネルを変えた。そこでも、蝉原の放送は続いていた。
...今頃、全国の家電量販店では放送事故が起きていることだろう...
私が現実逃避している間にも話は続く。
『今日皆さんにお伝えしたいのは、今日から、この国は俺のモノになりました〜パチパチパチってこと』
『だ・か・ら、これから俺は君たちの事をオモチャとして遊ばせてもらう事にしたよ。ほら、俺のものは俺のもの。お前のものは俺のものっていうだろ?そういう事さ』
いや、どういうことだ。と言うか、原作での記述があったから、私は優先的に数々の内の妨害工作で放送系統の技術だけは盗ませないようにしていた。なのに、どうして...
いや、前だってそうだ。私が暗殺する事を事前に知っていた様な行動をとっていた。
どこからそんな情報を取っているんだ...?
「ま、まさか...」
バグから...か?バグという、ソルとなんらかの関係があるモノから情報を得ている...?原作通りに進める為に?
『運命のアリア・ギアス』がかかっている...?
【違うよ。これは『運命』じゃない。ボクは副次効果で目の前の事柄が『運命』かどうかを見分けることが出来る】
なに?だが『タイジするシガナイ運命』である『ボク』がそう言うのなら間違いないのだろう。
考えられるのは、反町のやつが情報を流しているかも知れないということだ。原作通りに進める為に、ソルからバグ、バグから蝉原というような形で。
これはあくまで予想に過ぎないが、それでも、情報戦などでは蝉原には勝てないと言うのが結論になるだろう。