〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
私はこの度小学1年生になったのだ!
鼻歌混じりに登校する。
そうして、夢想する。この世界がどの時空なのかを。
「ここが純セン世界だったら、それはそれで原作には現れない、禁にされていた部分が見れるわけだし?ゼン世界だったら、神センを見れるわけなのだ!」
そう、どう転んでも私は得をする!
「きゃっはぁ!ひゃっほい!」
そう、私は『原作キャラ』が大好きなのだ。原作の舞台も好きだ。
好きな『原作キャラ』をあげると、1番目は突き抜けてセンエースで、2番目はゼンドウ、3番目ウムルにがやってくる...いや、私の趣向偏りがすっごい!
そんな事を考えながら、今日も学校に向かう。
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「あいつ田中って名前だぜ?」
「うーわ、だっせえ」
「...」
...毎日いじめられようが問題ナシ!ここ半年ぐらいずっと陰口を叩かれているが、私には『原作ファン』としての威厳があるのだ。今は作中の子達に対して、なるべく関わらないように過ごしている。何か私が行動することでまずいことがあるかもしれないと思ったからね。
小学生にもなってくると、手は出してこないものの、口にはガンガンと悪口を発してくる。
足が速いやつ、運動が上手いやつ、カッコいいやつ...ラストは最後まで通用するが、それでも、小学生が単純なのは変わらない。
だから、今日も陰口ぐらいだろうと思っていた時だった。
「おい!なんか言えよ!」
「っ!いったっ!」
え?やばい...この金髪野郎、武力行使してきたんだけど...別クラスの子だから、名前はよくわからないけど...
私は胸ぐらを掴まれ、地面に後頭部から当たった。
「そんままにしとけよぉ...俺はなぁ、お前みたいな何言われても問題ないですみたいなすました面した奴が大っ嫌いなんだよぉ...このクソチビがぁ...」
「ひ、ひっ!やっ、やめて...」
やばい、コイツ本気だ。
つい私は、相手が同じ小学生なのも忘れて縮こまった。そして、背中を丸めて防御姿勢に入る。
それを3人がかりで、何度も何度も、ガンガン蹴られ、殴られる。
そして、終わった時には...
「まあ、こんぐらいでいいだろ。帰ろうぜキムロ」
「うっ、ひっぐっ...」
ガッツリと小学生相手に泣かされていた。公の前で。
それにしても金髪野郎に...キムロ...?
もしかして...
「ひっぐ...もしかして、あの『キムロ』?」
私、そいつに負けたの...?
三体一とはいえ...?
私の自尊心はボロボロになった。
...次の日から、本当に、学校に行くのが憂鬱になった。『痛み』を知ってしまったからだ。
「あいつ、いじめられてた奴じゃね?」
「あー、あのキムロに殴られていた」
「ひ、ひっ...」
私は、キムロに殴られ、泣かされた人物として学校中で噂になっていた。
私はそれが、一種のトラウマになった。誰彼構わず、皆が敵に思えてくる。今まで受け流せていた陰口すら...
「おい、ムラハネ君、おっと、ちゃんだったか。ははは」
「や、やめ...」
「ははははは!」
「......」
...小学生相手に、何をしているんだろうと我ながら思う。だが、一度あったことは二度あると言うだろう?
しかも、相手は赤ちゃんじゃない。向こうが私の首を絞めてきたらそれで、私は死ぬのだ。もしかしたら死ぬかもしれない...相手が小学生だろうと、それは変わらない...
私はまた、無様に殴られていた。
その度に、トラウマは根深いものへと変わっていく。
蹴られ殴られ、嘲笑され、また殴られた。
【原作知識、原作キャラねぇ......実に、興味深い.........一応、『私』の記憶をこの領域まで引っ張り上げておくか。誰かに調べられたらヤバそうな記憶っぽいのは明白だし...まあ、ボクも今のボクの状態をよく理解していないけど...やることはしておいた方がいいよね。あんなイかれた親戚連中の中には、記憶を読み取る技術とか持っている奴がいるかも知れないし......なんでこんな裏方をしないとならんのかね】