〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
バグから更にチカラを貰う蝉原。その様子は正に、バグっており、目や口から蒸気のような、魔力が噴き出ている。
「これが、最後の殺し合いだぁ!」
「ぐうっ!!!」
「今の俺の存在値は3000!ここが、カンスト!これ以上のない絶望!!」
存在値、3000vs800。
「ははは、これは流石に...反則だろっ」
【諦める?さっきみたいに?】
「諦めてぇのは山々だが、魔法が使えるようになっちまった。俺の年中、中学生魂に火がついちまった。だったら、まだ舞える」
(セン...お前だったら勝てる!絶対にだ!!!)
私はセンを鼓舞しながらも、裏でセンの戦闘力のカバーを行っている。『ボク』もスペシャルの維持を頑張っているようだ。
しかし...
「この数値の差、すなわち絶望!これ以上の絶望は、地獄はないと思わないかい!?センくん!」
「あったぜ!そんな地獄なら、散々見てきた!!」
センと私がなんとか協力して、戦闘力を上げて、蝉原の数値の猛攻を耐え凌ぐ。
そして、全力の蹴りを蝉原にぶち込む。
「【咲紅爛】!」
「効かないねぇ!」
私が鍛え込んだグリムアーツも圧倒的な数値差を前にそこまで通用していないようだ。なにか、何か決定打はないか...
「なんか必殺技みたいなのないの!」
【あるっちゃあるけど、隙がデカすぎて多分避けられる!】
(あの技はまだ実践で一度も決めたことがない!一応、散々に散々を重ねて練習したから失敗はしないと思う!)
「なんでそんな技にたよらんといけんのかねぇ!」
(技名はーーー)
「作戦会議は終わったかい!?」
「ちっ!なんでそんな技名なんだよ!!さっさと決めるぞ!」
そうして、私たちはその技を決めるために蝉原を攻撃していく。が、どうやって当てる?
痺れ?数値差で単純なデバフは効かない。
そのまま打ち込む?失敗する。
だから、ここは...
(ボク!『アヴニール前図書館室部屋』でこの場を決定づけるスペシャルがないか謎を解け!)
【ちょ、ボク今、合体スペシャルまで使っているんですけど!?...今見たところ、4つぐらい選択肢があるっぽい。勝ち筋4つだ】
そう、『アヴニール前図書館室部屋』の1番狂っている所は本当にネタバレをかましてくるところにある。謎に思ったことに対してページが出てくる...すなわち、そのページをメタ読みすれば謎の答えの数はわかるのだ。
(4つもあるのか!とりあえず適当に本開け!)
【いや!本を開くのは無理!相手が存在値3000だからか、数値差が開きすぎてて相手を打開するために必要がポイントが高すぎる!】
(じゃあ、私のスペシャル頼りだな...)
「なんかわかんねえからスペシャルっていうのを誰か俺に説明しろぉ!!」
(スペシャル、異能、アンダスタンド?)
「オーケー理解した!」
この理解力の速さ。センの中身はいつまでもラノベ、異世界脳なのである。
【でも、勝ち筋四つあるから、なんとか引き当てよう!】
(元よりそのつもりだ!)
【じゃあ下準備として、まずは、ボクを、スペシャルをもっと覚醒させよう!『タイジするシガナイ運命』よ!限界を超えて舞え!】
『タイジするシガナイ運命』の効果により、私たちの能力は更に上昇する。が、これでも足りない。
だったら、なにか、なにかないのか...いや、あったじゃないか。デバフを通す方法は!
『さて、やりたいことはだいたいやったかな?俺も相手がいなかったから、こう言うことができなかったんだよね。一般人を限定空間で閉じ込めても、小指で殺せてしまうからさ。君みたいな頑丈なおもちゃは素晴らしいよ!それにしても、俺にかなりのデバフが入っているね。あははは、この数値差でも入るなんて、面白い能力だ』
私には、なんらかのデバフを通す能力がある。
これを使って...
それに気づいた時、私の脳裏にはもう、名前が出ていた。私のスペシャル......
『セ・******論』
センもそれを読み取り、発動する。
「これで終わりぃぃ!!!」
蝉原の殴りが私たちのみぞうちに入る瞬間、その超接近戦を待っていたのだ。私とセンは同時に唱える。
「(セ・ラ・ヴィ因果論)!!!」
「なんだと?痺れっ!?防御力ダウン!?違う全てのデバフが入っている!?なんでこの数値差でこんなデバフが通ってる!」
蝉原は困惑しているようだった。だが、その隙は決して逃さない。
「その毒はトウシお手製の毒らしいぜ。極遅毒性で解除が死ぬほど簡単。他にも無数のアリア・ギアスを組み込み、知らない内に身体に浸透し、デバフが起きた時に一気に侵食する毒を作り上げた」
そう言ってからセンは…………
「いくぜ、蝉原。俺もこんな技は使いたくないんだがな」
私達は自身の能力を完全に行使する。そうして出すのは、私流の、裏閃流、必殺奥義。いつも支えてくれて、そして気高く散っていった彼の名を冠する技。形は右ストレートではなく、全力で完全な正拳突き。
「(真・虚数東志!!!)」
「ぐはぁぁぁぁ!!!!!!」
蝉原は体の内臓位置を全てごちゃ混ぜにされたような圧倒的な痛みと不快感に襲われた。
そうして、恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾はムラハネ達の力により、負けたのだった。
だがここで終わりではなかった。
「.......うぷ……う……」
「どうした、蝉原……おい……」
「バ……バグ……ちょっと待っ……俺はお前の主で……なんで……やめ……」
きた、運命の時間だ。
(セン!合体を解除するぞ!)
「あ、ああ。だがどうやってあんな力の塊をーーー」
(いいから!)
私は無理を通してセンと合体を解除した。
「なんでだ! どうして! やっ、やめろぉおお!! ふざけるなぁああああああああああああああああああ!!
蝉原の体がカっと光ったかと思った直後、
その光は、コスモゾーンの法則に逆らって、
コンパクト化されることなく、際限なく広がっていきーーー
それは、この虚数アルファを丸ごと吹き飛ばす力だったーーーはずだがーーー
「アルカナム・オメガバスティオン!!!」
それは、ムラハネの手によって、小さな鉄パイプ並みの大きさになって、ムラハネの心臓に突き刺さった。