〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
迷いましたが、3話投稿します。明日は平和回です
「っ!」
私は礼が終わったあと、椅子に座ろうとした。だが、そこに椅子はなく、私は全力で尻餅をつき、後頭部をおもいっきり、後ろの机にガンとぶつけた。
「ぎゃははは!ひっかった!」
「......クソっ...」
「んー?なんか言ったぁ?」
...どうやら、後ろの席の子がやったらしい。もう...我慢の限界だ。
「っ、お前ら、いい加減にしろぉ!」
私は暴れた。先の行為からは死の予感まで感じた。私は一度死んだ記憶があるが、それは運が良かったから上手く死ねたにすぎない。もう一度死ぬ機会があれば、それは日頃の暴力すら比にならない痛みだろう。それもあってか、私は暴れた。大いに暴れた。
私はすぐ先生に取り押さえられた。そして、注意され、怒られた。実行者もすぐに捕まったが、怒られた総量でいえば、きっと私の方が上だったと思う。
そうして、私は人間が本来持たねばならない虚栄心までもが毟り取られていった。
ある日だった。
すっかり怯え切った私を見て、なんでも要求が通ると思ったのだろう。男共...キムロは、私に言った。
「おい、お前。パンツ脱げ」
「...え?」
「だから、パンツだよ。パンツ」
「......い、いやだ」
「ああそう、まだ『コレ』が足りてなかったみたいだなぁ?」
そう言うと、キムロは腕を振り上げる
「......ぇ.........」
「さっさとしろよ。ハリーハリー」
「ははは、なんだよそれ」
「早くしろって意味だよ。ばーか」
「......」
私は...私は...どうすればいいんだ?
ぼうりょくをふるわれない、たったひとつのさえたやりかた。
私は、私は....
「い、いやだ!」
言い切った。
勇気を振り絞った私に、男子共は冷ややかな目線を送った。
「あっそ」
蹂躙が始まった。最後...私は集団リンチにあった。
痛めつけられて、痛めつられた後。
そして、してしまった。
「............これで、いい?」
_______
そうして私は、不登校になる。ムラサメ父さんにもシウ母さんにも申し訳なかったけど、なにより自分への不甲斐なさが吐き気を催すほどに酷かった。
陰口も、殴られたことも、恥辱の限りを尽くされたことも、全てが辛かった。だから、もういいだろう。ここで諦めても...諦めても...
不登校になる...はずだった...
「あいつ、キムロにパンツ見せたらしいぜ?」
「それどころか、中身だって見せたらしいぞ」
「えー、マジかよ!きっも」
「......」
...私は、学校に登校していた。理由は、わからない。もう原作キャラ同士が話を盛り上げ合うなんて事は頭になかった。ここは現実なのだ。『痛み』はあるし、行動には『恐怖と勇気』を伴う。
そこの実感が、私にはなかったのだ。今までの私は、世界を『原作』と呼びながら無垢な姿を晒す少女であった。
...現実を知った今、私の心にあるのは......
キムロは誰にも止められない人間である。それは実際に遭遇してみてわかった。アイツはヒトの皮を被った悪魔だ。もしかしたら、本当に原作の『キムロ』なのかもしれない。
だったら良いお笑いだ。センに一発でボコされた奴に、3人がかりとはいえ、私はボコボコにされて、パンツまで剥ぎ取られた。
終わってる。
心底、終わってる。
【ボク、こういうのに弱いんだよねぇ...というか、効果がないというか...まだ『私』と会話できるかどうかもわからないし...はぁ、なにもうまくいかなくてうんざりするよ】