いや、ほんとに伏線だったんですよ?
だって、そうしないと元の世界との繋がりとか作れないから。
でも、そういうパターンもね、お試しで。
今後もチートなしバージョンも書くかもねってことで。
ちなみにこれはほんとに1回目の大賀です。
前校長に接触した大賀(?回目)とは別かも知れないですね。
[VSフーケ]
「――見つけたよ、大賀!」
ゴーレムから必死に逃げ回ること数分。
戻ってきたルーシーの言葉に、“魔法糸”を辿って、大賀はその犯人、“土くれ”のフーケと対峙した。
そしてソッコーで片をつけるために出し惜しみもしなかった。
「オープン! “
……しかし、なぜか魔法は発動されなかった。
まさかこの世界では、元の世界の魔法が使えないとでも言うのだろうか。
「くそっ……なら、ルイズ! あいつが犯人だ! あいつを爆発で気絶させろ!」
「え? えっ???」
「いつもやってんだからできんだろ! 早くしろ!」
「よ、よくわかんないけど、やればいいんでしょやれば! 責任はあんたが取りなさいよ!」
大賀に抱えられたままのルイズが携帯用の杖を振った。
「なっ……ぐはっ」
ルイズの失敗魔法の爆発でフーケを奇襲によって吹き飛ばすと、即座に接近して杖を奪い取り拘束する。
杖を奪ったことによって接続が切れたのかゴーレムが崩れた。
接近する際に放り出したルイズは状況がわからずに、ぽかんとしていた。
「え、えぇええええええええ~~~っ!!? ってことは何? ミス・ロングビルがフーケの正体だったわけ!!?」
「ああ、そうだ。あの時一緒にゴーレムの出現を見た俺たちを除けば、この場にいるのはこの人しかいないだろ。実際、こうして杖奪ったらゴーレムは崩れたしな」
大賀にそう説明されても寝耳に水のルイズは、目を白黒させながら、疑問点を口にした。
「あんた、よくわかったわね……。普通にそこら辺にフーケが隠れてるとは思わなかったの?」
「フーケが学院関係者だって当たりはつけてたからな。ちょこちょこ言動も怪しかったし、何よりゴーレムに襲われる前に姿を消して、そのまま現れないとなるとそうかなってよ」
「へえ……」
「とにかくこれで事件は解決だ。ルイズ、お手柄だな」
「あ、そ、そっか! わたしがフーケを捕まえたんだ。わたしが……。や、やったぁ~~~!!!」
ルイズがぴょんぴょんと大喜びしてると、空からシルフィードに乗ったキュルケとタバサの二人も降りてきて合流した。
シルフィードはずっと空で待機させていたらしい。
キュルケはルイズがフーケを捕まえたという事実とフーケの正体がロングビルであったことで二重に驚いて目を丸くしていた。
一方でタバサも驚いてはいるのだろうが、表情にあまり変化がないのでよくわからなかった。
とにかくこれで今回の任務は達成だ。
四人(+ルーシー)は任務の成功に意気揚々と学園への帰路に着いたのだった。
[VSワルド]
「愚かな……メイジが平民に絶対的に有利だと証明したのは君じゃなかったか!!?」
「“M0”!!!」
ワルドが大賀を切り裂くために巻き起こした風は、“M0”の力によってあっさりと無効化にされた。
「――な、何っ!!? 僕の魔法をかき消しただと!!? 貴様、一体何をした!!?」
「わざわざ敵に教えてやると思ってんのかよ。でも、ま、お前にはこう言えば伝わんのか? 伝説の力ってな」
「! ……そうか、やはり貴様は“ガンダールヴ”!!!」
とか言っても当然だがそんなわけはない。
大賀はルイズと使い魔の契約自体をしていないのだから。
ただハッタリで勝手にビビってくれるなら、それに越したことはない。
真実から少しでも目を逸らせるし、言うだけならタダだ。
「ならば僕も本気で行くしかなさそうだな……!」
ワルドが素早く呪文を唱え、レイピア状の杖を軽く振ると、次の瞬間にはワルドの姿が五人にまで増えていた。
「いっ!!? 分身した!!?」
「“偏在”よ! 魔法で本体と同じ能力を持つ魔法力体を創り出したのよ!」
「同じ能力だって!!?」
そりゃいくらなんでも反則だろと大賀は叫ぶ。
その分、精神力の消費も激しいのかも知れないが、だからと言ってそれはない。
大賀がいままで見聞きした色々な魔法の中でもトップクラスにふざけた魔法効果だった。
「そうだ。“スクウェア”である僕が五人だ。貴様がいくら伝説でも勝てるものではないぞ!」
「(そうかこいつ。この魔法を使うことで、俺らと行動しながらも、傭兵を雇ったりしてやがったんだな! ってことはフーケと一緒にいた黒ローブの人物もこいつだった可能性が高いな。ならこっちの作戦も筒抜けで追ってこなかったのも納得だぜ)」
五人に増えたワルドは、一斉に大賀に仕掛けた。
「! (“M0”を使っちまったから、“ファイアーボール”はもう使えねえ……。とにかく一気にかかって来られるのはマズイぜ)――ギーシュ! “ワルキューレ”を出してくれ! 数が欲しい!」
「わ、わかった! ――“ワルキューレ”!!!」
ギーシュは大賀の指示にすぐさま杖を振った。
7体のワルキューレが、大賀の前に壁のように並び立つ。
「そんなちんけなゴーレムで僕が止められるものか!」
「わかってるっつーの! みんな、俺が本体を倒すまでの間だけだ! 何とか耐えてくれ! 無理に“偏在”を倒そうとしなくてもいい!」
大賀の指示にそれぞれが頷く。
ワルドはギーシュの“ワルキューレ”を簡単に魔法で破壊すると、それに対して自らをシャッフルするような動きをして見せた。
本体をどれかわからなくしてから戦いに入るつもりらしい。
しかし、大賀は本体であるワルドを見逃しはしない。
“M0”を鎖状にして、どちらか迷った時にはその見えない鎖で確かめるという方法を取ったからだ。
それでわずかでも揺らげば魔法力体、すなわち“偏在”で偽者ということになる。
キュルケとタバサとギーシュの三人は、その連携によって“偏在”の動きを妨害する。
ギーシュが“錬金”した油を、キュルケの炎の燃料として、さらにタバサの風の力でより強力にすることでワルドの魔法の力にも対抗していた。
一方でルイズは状況に混乱したままにとりあえずみんなを援護しなければと、ひたすら失敗魔法による爆発で攻撃していた。
ウェールズはウェールズで魔法の才能こそ“トライアングル”で“スクウェア”のワルドに負けているものの、風の王子さまの意地で“偏在”の一体と熾烈な一騎討ちを繰り広げていた。
まぁワルドが自分を五分割してるとも言える状態だからこそ拮抗できていると言えばその通りなのだろうが、大賀の要望通り、誰もがその状況で脱落することなく耐えていた。
だから、あとは大賀がワルドを倒せるかどうかに全てが懸かっていた。
「“M0”!!!」
大賀は邪魔な“偏在”を一体丸ごと消し去る。
いや、丸ごと消し去ったように思えたが、その足が残っている――大賀はついにその時が来たことを悟った。
「(“魔法ポイント”が尽きた……! ヤベェ! これで決めないと次はねえぞ!)」
大賀は覚悟を決めて、本体のワルドに挑む。
どちらにしても残る“偏在”は他の者たちが抑えてくれている。
先の“偏在”もその大部分が消えたことで、結局消滅した。
けど、それは大賀の隙を作るために必要な犠牲とワルドが切り捨てた“偏在”であった。
大賀に何やら魔法を消し去る力があるのはわかっていたから、ワルドは思い切って“偏在”を一体丸ごと使い捨てにしたのだ。
そしてそちらに注意を向けていた大賀へと接近する。
魔法でダメならば、直接この杖で突くだけだと考えたワルドは、呪文によってその杖をさらに強化し、光り輝く杖と風のような速さで大賀の命を貫きにかかる。
それに対して大賀は魔法香を擦って“ホッチャー”を呼び出した。
「甘い……!」
ワルドはそれが何なのかは置いておいて、その攻撃手段自体はすでに見ていると、風の魔法によって吹き飛ばすと同時に、風を読むことで大賀の位置を、その拡散する煙によって一時的に遮られた視界の中でも正確に捉えた。
その結果、杖は大賀の身体に、その心臓に見事に突き刺さった。
ワルドは自分が伝説に勝ったのだと思った。
しかし次の瞬間には、貫いたはずの大賀の身体は、まるで風のように流れ消えた。
「ば、バカな……“偏在”だと……!」
「へっ、それはあんただけの魔法じゃねーんだよ!」
そう、大賀はワルドの“偏在”を消し去る前の段階で、相手の攻撃を掠らせることで“チャージ”していたのだ。
効力10%という制限があるから、長時間の使用にはとても耐えられるものではないが、一瞬入れ替わるくらいには使える。
ワルドが本物だと思って倒した大賀は“偏在”で、本人は魔法香で“ホッチャー”を出すと同時――つまりワルドが風を読むよりも前の段階にその“偏在”と入れ替わり、ワルドが風を読んだ前方の範囲内から外れ、こっそりと後ろに回っていたのだ。
大賀の渾身の拳はこうしてワルドの腹に叩きこまれた。
ガタイのいい不良でも悶絶させられるそれだ。
いくら軍人で身体を鍛えており、魔法だけに頼らない戦い方をするとは言っても、魔法寄りの人間であることに変わりはない。
単純な身体能力だけなら大賀の方に分が上がる。
崩れ落ちるワルドから大賀は油断せずにそのレイピア状の杖を奪い取った。
それによりワルドの魔法の効果は失われ、残っていた“偏在”も初めからその場には何もいなかったかのように消え去った。
「か、勝ったぁ~……」
その後なんやかんやあって、ワルドには逃げられたが、予定されていたレキシントン号への奇襲作戦は成功した。
しかし大賀はその結果と、“魔法ポイント”が尽きてしまった事実に内心はだいぶ参っていた。
だが、いつまでもそのままではいられない。
大賀は何とかしないとな……と、その日から一人(+ルーシー)で試行錯誤を始めた。
――後日。
大賀が自室のベッドで寝転がりながら、何となくプレートを弄っていたら、頭に元の世界で初めて“M0”を使った時のような音声が流れた。
『“記憶魔法”を“魔法ポイント”に変換しますか?』
その音声にがばっと上半身を起こし、大賀は手の中のプレートを見つめた。
希望は変わらず手の中にあったことを知り、大賀は滝のような幅広の涙を流して喜びの声を上げた。
はい、こんな感じです。
致命的なミスってほどでもなく、これはこれでアリかも知れないですね。
大賀の何かを使うのではなくて仲間に頼る感じで。
まぁM0のために魔法ポイントに関しては設定準拠でもないですが。
ただ完全にゼロ魔のストーリーを追うだけになりそうです。
ゼロ戦関連は普通に竜に乗ったりして誤魔化してね。
7万の大軍も足止めだけなら何とかできないこともないかなって感じです。
でも、ほんと伏線だから。
設定忘れを誤魔化してこうしたわけじゃないから。
マジでマジで。
個性豊かなプレート魔法を使わないのはもったいないもの。
――というわけで、次回に続く!
EX話はプレート魔法に頼りまくるシーンがあったらまた書くかも知れません。