『キミ』と暁山瑞希ちゃんがいつか幸せに辿り着くための物語集 作:橘ありす氏
瑞希ちゃん夢小説ファンの皆様、2026年、あけましておめでとうございます!
三ヶ日の最後にはなりますが、瑞希ちゃんとの初詣を、どうぞ!
ボクはニーゴと、キミは家族と過ごした大晦日。
同じ年の終わりなのに、少しだけ違う時間を過ごして、それでも最後にちゃんと同じ場所に帰ってくる。
「たっだいまー!明けましておめでとーう!」
玄関のドアを開けた途端、あったかいなー、って思った。
暖房のせいだけじゃなくて、空気がちゃんと人のいる匂いをしてる。
外は冬の匂いがしてたのに、ここは、キミの生活の匂い。
匂うとかじゃなくて、安心するってことね。だから肩の力が抜けちゃって、紙袋を落としかける。大事なものが入ってるんだから、落とさないように。
重いなあ、って思いながら荷物を下ろしていく。でもこの重さはボクの愛の重さなのかな、なんて思っちゃったりして。
気が逸ってるのかな。
なんだか、待ち遠しいんだもん。
物音がやけに大きく聞こえる。
一挙一動と一緒に、心臓の音まで一緒に響いてる気がした。
もたもたしてたら、リビングへの扉が開いた。
ボクの大好きなキミ。
気付いて、出て来ちゃった。
あけましておめでとう。おかえり。
キミが微笑んで、その一言を言ってくれるだけで、胸の奥がふっとほどける。
あー、もう。これだからキミはズルいんだよね。
さっきまでの疲労とか、賑やかな人混みとか、荷物の重さとか、全部どうでもよくなっちゃう。
早くキミに甘えたい。それしか考えられなくなる。
「あー、楽しかった!」
自分でも分かるくらい、ちょっと大げさな声。
いつもその時その時で楽しい気持ちは嘘じゃないけど、ここにキミも居たらなぁ、ってよく思ってるんだもん。
話したいことが沢山ある。あれもこれも、全部。キミが居なかったせいでいちいち覚えてなきゃいけない。まったく。
キミを好きになる人って、みーんなこんな大変な想いをしなきゃいけないのかな?
だったら、そんな思いをするのは金輪際たった一人……ボクだけで良いよね? ね? えへへ。
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ボクがリビングのテーブルで戦利品を整理している間、キミはお湯が沸くのを待ちながら、ただボクの顔を見ている。コロコロと表情が変わるから、見てて飽きないって言うけど……、それはキミがボクのこと好き過ぎるだけじゃない?
ま、それもボクがカワイ過ぎるからってことで、良いけど!
そこからは一方的なトークショーのはじまりはじまり。
それでね、大晦日をニーゴで過ごしてたら、眠くなってきちゃってね?
眠気を覚ます為に踊って、さあ今年良かったことを話そうよって言ったんだけど、やっぱり眠気には勝てなさそうだし、いつの間にか新年明けちゃってるし、なんだかな~って感じだったんだ。
やっぱり新年って楽しみだから、カウントダウンもしたかったしさ?
そう言えば、ニーゴの皆はそうでもなかったみたいだけど、キミは今日から新年って思ったら、元気になるよね? なんかこう、新しい年だーっ、あけおめって感じするじゃん?
だよね! キミなら分かってくれると思ったよ!
空気の匂いが変わった気がするってボクがよく言うから?
覚えてくれてるじゃん! 偉い偉い! えへへ。分かってくれてるの、当たり前だけど、嬉し~!
えっと、それで、年越しそば食べ損ねたーって話になってね、奏のストックしてたカップ蕎麦を皆で食べたんだ。今年も相変わらずだなーって良い意味で思えて、こう、しみじみ~と幸せを噛み締めた夜って感じ!
その後、皆で初詣に行ってたんだ。
そうそう、最近ボクが作ってた鬼のシルエットの刺繍ハンカチを配る神社ね。
キミにもリボンのピンクちゃんをあげたでしょ?
お祭りもやってたから人も多いし声も凄くて、今こんな静かなとこに帰ってきたのが、なんかこう、同じ日じゃない感じ? 伝わるかな? 分かってくれるよね?
おみくじは〜〜、ボク、基本的に運が悪いじゃん?
都合が良い時しか信じないんだけど……なんと、恋愛運だけは、バッチリでした〜♪
誰かさんのおーかげ!
初詣の列で逃げ場がない時にまふゆに宿題の話された時は焦ったけど……。
えっ? そうだろうと思って、終わらせといた!?
嘘!? 神! 写させて!
その間、いつもの膝枕でも、耳かきでも、他にも何でもするから! 良い? やりぃ~!
えっと、あとは……絵名と初売りに行った話!
初詣で奏が着てたアウターが良いやつだったから、絵名も新しいコート欲しくなったんだって。色々見てるうちに沢山買っちゃったんだけど……って、そうだ! 思い出した!
袋から一つ取り出して、キミに差し出す。
「これ、キミの! 初売りで買ったから、一緒に付けて欲しいな、なんて……」
そう言いながら、取り出したのは、長めのマフラー。
テーブルを越えては届かないから、キミに駆け寄って首にかけながら……ボクも一緒に巻いて巻いて、きゅっと。
「じゃーん! リボンマフラー! あと、今年最初のはぐ! ほっぺすりすり~!」
ぎゅっと抱きつくと、キミの体温が想像よりずっと近くてドキッとしながら、誤魔化す為にも勢いでそのまま頬を寄せて、すり、すり。
ちょっと鬱陶しそうにするキミのあったかいほっぺに、ボクの冷たいほっぺが溶けていく。
自分でも甘えすぎだと思う、けど、頬を離す理由が、どこにも見つからな~い!
「はぁ〜、癒され過ぎて疲れが溢れるよ~~! このまま離れなくなっちゃったらどうしよう~~!」
外でも沢山笑ったボク、お家でキミにくっついてる甘えちゃうボク。
同じはずなのに、全然違う。
ニーゴのみんなと過ごす時間も大好きだし、賑やかで、楽しくて、居心地が良い。
色々あったけど、一緒に乗り越えて来れたし、だから、今年も相変わらずで居られるのが、嬉しかった。
これからどうなるかは分からないけど、一緒に頑張っていきたい。
じゃあ、キミは?
キミにとっては、いつもボクが一番?
聞いちゃってごめんね、ただ、そんなの、ボクがいつも勝手に不安になるだけ。
ちゃんと落ち着いたら、分かるから。
キミはどこにいても、誰といても、ちゃんとボクの方を見てくれる。
それを知ってるから、こうして無防備にくっついていられる。
少しだけ顔を離して、キミを見る。
「いつもありがとね。今年もよろしくお願いします」
目を閉じようとして、はっと気づいた。
「危なかった! ごめん! ちゅーは待ってね!」
そう言いながら、自分でくすっと笑う。
「今年の初ちゅーは、今日の最後にしようと思ってたんだ!」
声を落とす。
「……だってさ」
視線を逸らして、自分でも分かるくらい、照れながら、耳元に口を近づけ、囁く。
「キミの初夢にも、出たいから。なんて……」
言い切ってから、恥ずかしくなって、キミとマフラーの間に顔を埋める。
言っちゃったー!
無意識に全部声に出てるかもだけど。
でも、キミはそう言う所もカワイがってくれるから、良いもん!
しばらく、そのまま動かない。
いい加減ウザいかもってぐらい待って貰って、ボクはぴょこっと顔を出して、
「それじゃ、今度はキミの初詣に行こ?」
顔を上げて、にっと笑う。
「二回目! 一回しかダメって決まりは無いし……」
ぎゅっと、もう一度抱きしめてから、マフラーから抜けて、振り返る。
「キミとも行かないと、今年が始まらないもん!」
玄関を開けて、外に出る。
早速マフラーが使える外気温に、二人の顔の熱さを冷やす雪。
いつもなら熱くて飲めない甘酒も、この寒さで二人で過ごしてたらちょうど良くなるはず。
キミと神社で祈るのが待ちきれない。
一緒に手を合わせて……
今年も、これからも、ボクたちが一緒に居られますように!