私が冷凍睡眠している間にウイルスのせいで世界の男女比が1:100になっていたんだが   作:冬野晴(旧雪野春)

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第2話 100年後の世界

 私は100年ぶりに冷凍睡眠装置から外に出た後、100年ぶりにお風呂に入った。

ボルトラン国立研究所のお風呂はとても大きく、温泉施設に匹敵するものだ。

 髪をシャンプーとリンスで洗い、全身をボディソープで洗い、綺麗に泡を流した後にたっぷりとお湯に満たされたお風呂に入るのはとても気分が良い。

 

「極楽極楽♪」

 

 私は湯船に浸かりながら目一杯伸びをして上機嫌に鼻歌を歌い始めた。

 しばらくお湯に浸かっていると私以外にもう1人の女性がお風呂に入ってきた。

 

「失礼いたします。」

 

 凛とした声が風呂場に響き渡る。

 声の主は女性は白い髪と褐色の肌を持つ筋肉質な女性で、武人のような雰囲気を纏っている。長いバスタオルの下からでも分かる豊満な胸と尻を持っており、低身長で虚弱な私の体型とは真逆だった。

 私は少々ビビった。

 

「私の名前はミルファです。今日からローゼス博士の護衛となる者です。以後お見知りおきを。」

 

「は、初めまして。これからよろしくお願いいたします。その、なんで私に護衛が必要になるんですか?」

 

「貴女は数々の功績を挙げてきた優秀な科学者です。いつ誰が研究成果を狙って貴女を襲いに来るか分かったものではありません。なので護衛が必要なのです。」

 

「護衛はメインで十分ではないの?」

 

「彼女は優秀なロボットですが生まれてから100年は経っています。いつ故障するか分かりません。不安要素が多すぎます。だから私が選ばれたのです。」

 

「なるほど。」

 

 私とミルファさんは一緒にお風呂から上がりボルトラン国立研究所の研究室に戻った。

 

 

 

 研究室の椅子に座り机の上に置かれた資料を手に取り、私が眠っている間にミンダス星で何があったのかについて確認する。

 

 惑星歴1099年、世界最大の国であるノマ帝国とルミナ王国の間で起こった戦争で獰猛な野生動物の形をした生物兵器が登場し、多数の兵士が謎の病により死亡していった事から始まる。感染者は全て男性で、10歳以上の者は全て死亡した。

 病に感染した男性は感染経路となった部位を始まりとして徐々に体の感覚が麻痺していき、体の中身が溶けて死亡する。痛みを自覚できないまま死ねるのがせめてもの救いか。解剖の結果感染者の体からは未知のウイルスが検出され、そのウイルスはメンウイルスと名付けられた。

 多数の国の人間が戦争に参加しており、帰郷の際にウイルスも持ち帰ってしまったため瞬く間にメンウイルスは世界中に広がり、男性の人口は激減した。また、獰猛な野生動物のような外見の謎の生物兵器はガンノイドと名付けられ、一体誰が作り出した存在なのか調査が行われたが正体は未だ謎に包まれている。

 

 この事態を重く見た各国政府は男性を安全圏に隔離し、労働や政治を女性に託す政策を推し進め、ミンダス星は女性優位社会になった。

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