とりあえず本編をどうぞ
時は2042年、タイニーオービット社から発売された小型バトルロボット玩具「LBX」はそれまでのホビーとは一線を画すものであり、瞬く間に人気になっていった。
しかし事態は急変する。これまでのホビーとは比べ物にならないほどの過剰性能とそれに見合った武器の攻撃力などから事故が相次ぎ、ついには販売停止に追い込まれたのだ。
そして2046年、アスカ工業が発明した強化ダンボール技術を用いたLBX専用フィールド「Dキューブ」が作られ、LBXは再び子供たちのおもちゃとして日の目を見ることとなったのだ。
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そんなこんなで時は流れて2049年、世界各国で様々なLBXメーカーが誕生する中、「ダンボール戦機」の世界に転生した者たちのみで作られた企業「IMA」がLBX市場に参入した。
彼ら彼女らが作るLBX関連の製品は今までの企業にない新たな独自性を有していた。
今回はそんな企業の社長であり、この物語の主人公の生活を見てみよう。
ちなみに、「IMA」は「I」 A「M」 「A」RQUEBUS (私こそが企業だ)の略であり、入社面接では可能な限りスネイル味を出さなければならなかったりする。
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午前七時、会社兼自宅でもある部屋の一室で目を覚ます。
この世界に転生してはや16年。現在は学校に通わないで自身が中心となって起業した会社の社長をしている。とはいえ長く続けてきた生活習慣というものはなかなか抜けないらしく、いつもこの時間に起きる。
現在は会社のこともあり、両親とは離れて暮らしているがそれほど仲が悪いというわけでもなく、時折メールでやり取りしているくらいには良好な関係だと思う。
おっと、自己紹介を忘れてた。改めまして、わたくしの名前はレイブンと申します。ちなみに本名じゃなくてあだ名です。今世では銀髪赤目の色白貧乳美少女(♂)に転生しました。あと何がとは言いませんがEARSHOT級のブツを持っています。
それよりも始業まであと2時間ほど、私の愉快な仕事仲間たちのやり取りでも見ながら暇をつぶしましょうか。
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【社内】私たちこそが開発者だ!【掲示板】
・・・
69:名無しの開発者
だからZIMMERMANを二つくっつけてそれを両手に持てばいいと言っていると何度言えばわかるんだ!!!
70:名無しの開発者
それ先週も言ってなかったっけ?LBXの重量バランスとコアスケルトンの性能を検証して無理だってなったやつじゃん
それより私の天使砲ウイングガンダム化計画案の検証はすすんでる?
71:名無しの開発者
コアスケルトンがエラー吐いて爆発したやつのこと言ってる?実験室散らかったまんまやから後で掃除しといてね
72:名無しの開発者
>>71 マ?
・・・
***
【社内】私たちこそが広報だ!【掲示板】
・・・
56:名無しの広報担当
次の宣伝用のポスターはどうするか
57:名無しの広報担当
とりあえず社長に衣装を着てもらうのは確定として...どんな衣装を着せようか?
58:名無しの広報担当
次の製品は確かアーキバス系の武器を意識して作ったエネルギー系の武器セットだったよな?サイバーチックな衣装にしようか?
59:名無しの広報担当
知的なイメージで眼鏡+女性用スーツとかは?
60:名無しの広報担当
天才か?
61:名無しの広報担当
神託でも受けたのか?
62::名無しの広報担当
では採用ということで
・・・
***
なぜ私が女装することに誰一人として突っ込まないのか。
いや確かに普段から体のラインが出る服とかは来たりしてるけど...それでも女性用の服を着るのが当然みたいに思わないでほしい。
さてと、そろそろ仕事場に行くとしますかね
***
いまさらだが私はこの会社の社長である。社長と言えばなんかビルの最上階とかにある特に意味もない部屋でふんぞり返っていたり、秘書が茶菓子を持ってきてくれて午後のティータイムを楽しんでいるイメージを持っている。無論、会議とかもいろいろしてるんだろうというイメージがある。しかし、しかしである。
「なんで私は女性用スーツを着させられた挙句きわどいポーズをさせられているのかな?」
「もちろん
「今不吉なこと言わなかった?」
私の問いに対して変態的な回答を返してきた人物、私の秘書兼カメラマンの小野コトコである。
前世では会社員をしながらコスプレ活動に勤しんでいたらしく、カメラの腕前もかなりのものだったりする。ちなみに前世から男の娘が性癖だそうで私の容姿はそれはもうドンピシャだったらしい。口癖は「社長、もう少し尻肉増やしてくれませんか?」である。
彼女は他の転生者の内、TS転生して美女、美少女になった者たちにあたりが強い。なんでも性別が変わるだけで小綺麗になったことが許せないらしい。仲が悪いわけではない。前世と今世の性別が女性であり、この転生者しかいない会社の中でも数少ない人物のうちの一人である。
「まぁこれが初めてってわけでもないしもういいけど」
「じゃあ今度はハイレグ水g」
「認めたわけでもないからね?」
「ちぇっ」
隙あらばきわどい衣装を着せてくるのが彼女の悪癖でもある。
(秘書業務は優秀なのに...)
「で、今日の予定は?」
「本日午後にプロメテウス社との技術交流会があります。まぁ社長にやってもらうのは実践テストを兼ねた殴り合いなんですけど」
「もうちょっとマシな言い方はなかったの?」
「先日我が『I am Arquebus』(イイ発音)が販売した重タンク脚部*1がプロメテウス社の開発部の琴線に激しく振れたらしく、販売当日に交流会の打診が届きましたね」
「あ~確かにあそこの開発部なら食いつくだろうなぁ。ブルド系のキャタピラだけで10種類くらいバリエーションがあるし」
「あとプロメテウス社からの要請としてぜひ貴社の重量武器も拝見させてほしいとのことです。おそらくパンツァーフレームの耐久データ同時に取るつもりみたいですね」
そういいながら今日の技術交流会についてまとめた資料を端末に移してから渡してくる。ふむふむと目を通して見るが...半ば危険思想みたいな文言がぎっしりと書かれている。
「私が知ってる重タンクよりもえげつないことになってるんだけど?特になにこの『従来の脚部では反動を抑えることのできなかった重量過大とされてきた武器を静止状態ではありますが使用することが可能でした。つきましては姿勢安定性の観点から~』って部分は?もはやLBXでもACでもない何かと化してるんですけど」
資料に添付された画像を見ればプロメテウス社の誇る看板機体であるブルドの脚部パーツを重タンク脚部に換装した機体が、機体よりもごついバズーカを発射している様子が映し出されている。
どうやらプロメテウス社の開発部は頭がメリニットなようである。しかし自身の会社に勤める者たちも一定数似たような人物がいるので何とも言えない。
「そういえば今日の交流会で私が使う機体は用意してある?」
「はい、プロメテウス社からの要望にも応えるべくすごくごっついのを」
すごくごっついの。ACを嗜み、闘争の日々に明け暮れている読者の皆様であれば容易に想像がつくと思われるがもちろんガチタンのことである。
完全に余談ではあるが作者はWマジェスティックW天使砲とかいうロマン機体でランクマに潜っているためBランクから一向に上がれていなかったりする。
なお、ACを模倣したパーツを開発、販売していると言えどLBXの規格に合わせるために片吹のほとんどは手持ち武器として販売する予定である。
「ちなみに武器は右手がDIZZY*2で左手がHU—BEN*3です。WバズーカとWガトリングのどちらに決めるかの会議が6時間にも及んだ末に妥協したそうです」
「なにやってんの?」
「あと会議参加者の内3名が病院送りになりましたね」
「なにやってんの!?」
***
午後、プロメテウス社本社地下研究場
創業から1年もたっていない我が社「IMA」とは異なり、LBX発明以前から自動車産業の大手であったプロメテウス社の施設はとにかく広かった。またその中央に鎮座する巨大なDキューブの周囲ではすでに両社のスタッフが入り乱れて調整などを行っていた。
「社長さ~ん。CCMの準備ができましたわ~」
そういいながらこちらに向かってくるのは我がIMA社一のお嬢様にして前世もガチお嬢様だった
「ありがとうジオナ」
CCMを受け取り、画面に映し出されたガチタンLBXの各種データに目を通していく。
頭部 MELEANDER*4
胸部 MELEANDER
腕部 MELEANDER
脚部 BORNEMISSZA(タンク脚)
......
右手武器 HU-BEN (腕より長い)
左手武器 DIZZY (HU-BENより長い)
やはり凶器としか思えないような武装である。正式に販売するとしたらサイズを小さくしないと売れないだろうなぁ、と思いながらプロメテウス社のスタッフたちの様子をうかがう。どうやら我が社の半ば狂気とも思える武装に度肝を抜かされたらしい。それでもなお「無限軌道のデザインはウチの勝ちだな」などと話しているところを見るに、あちらのキャタピラにかける情熱も相当筋金入りのようである。
フゥーッ、と一つ息を吐いて集中し、CCMを持つ手に力をこめる。
Dキューブの中に視線を移せば既にそれぞれのLBXが起動状態で設置されていた。
バトル開始までもう間もなくといったところだ。
『双方、機体配置完了! これよりプロメテウス社・IMA社合同技術交流会、実戦テストを開始します!』
アナウンスとともにカウントダウンが始まった。...
3,2,1,
「バトルスタート」
いかがだったでしょうか。評価、感想があると励みになります。
ちなみに今回登場した転生者二人の名前はそれぞれ
小野コトコ→おとこのこ
髙浮世ジオナ→こう(たか)きなおじょう
といったカンジで作ってみました。