では、どうぞごゆっくりしていって下さい。
レベッカside
フロニャルドの図書館でシンク達が合流している頃、紀ノ川市にあるレベッカ宅ではちょうどレベッカがISOからログアウトしたところだった。
「ユウト…ログインしてなかった…」
家に帰って制服もそのままにログインしたというのに…ユウトどうしたんだろ…ログインの履歴では朝にはログアウトしてるみたいなのに学校には来てなかったし…。
「やっぱりシンクに付いて行ったのかな?」
もしそうなら連絡ぐらいして欲しい…それは同じように連絡が取れないシンクにも言えることなんだけど…などと考えていると私の愛用している携帯電話の着信音が鳴り響いた…確かこの着信音は電話の方かな?
そして私は机の上に置いていた携帯を手に取り表示されている名前を確認した。
そこには…シンクの顔写真と名前が表示されていた。
私は軽く身なりを整えてから電話に出た。
「はい」
「繋がった!」
あれ?シンクの声がかなり聞こえにくいな、音がちょっと遠い気がする。
「もしもし~ちょっとシンク?何か電話遠いけど?今何処?空港?」
「あ…うん、ちょっとね」
「あ、メール見た?家はパパが仕事でダメなんだけど、ママと私は旅行ご一緒出来るから」
「そっか…それは良かった」
「ママ、久しぶりにお花見出来そうで楽しみだって」
「うん…」
何だかシンクの様子が少しおかしいような?
「シンクどうしたの?どこか具合悪い?」
「うぇ?!な、何で?…何でもないよ?」
いつもの感じのシンクだ…さっき様子がおかしく感じたのは私の勘違いかな?
「ならいいけど」
「それでね、ちょっと携帯の調子が悪かったり…これからしばらく…繋がりにくくなったりするかもなんだけど…僕は大丈夫だから心配しないでねって連絡…」
「分かった…心配…しない」
そうだ…ユウトの事聞いておかないと。
「そうだシンク?ユウトも一緒なの?」
「え?!…あ~…そ、そう!…途中でバッタリ会って一緒に行く事になったんだ」
「やっぱりそうだったんだ…学校にも来ないし家にも居ないし連絡も付かないから心配してたんだけど…」
「あ、え~っと…そう!ユウトの携帯はバッテリーが切れちゃったらしいから…」
「そうなんだ、ならシンク?ユウトに一旦変わってくれない?」
そっかバッテリーが…ユウトって普段携帯を全然使わないからよく切れてる事があるのよね…ほとんどISOに入り浸ってるし。
「それは…あ、ユウトは今トイレに行っちゃったから変われないんだけど…」
「分かった、ならユウトに後で掛け直すように言っといてくれない?あ、後…連絡付き辛くなるならおじさんやおばさんや七海にちゃんと連絡するのよ?みんな心配するんだから」
「あ、うんそれは大丈夫」
そして私はシンクと更に少し話をしてから電話を切った。
シンクside
「うん、それじゃあ」
そして僕は電話を切った…良かった連絡が出来て…そうだ他にも連絡しないとベッキーもみんな心配するから連絡しといた方が良いって言ってたし。
「リコッタごめん、もうちょっと繋げてていい?まだ他にも連絡したい人がいるんだ」
「大丈夫でありますよ?…あ、勇者様」
リコが何か良い事を思いついたのかポンッという感じで手を叩いていた。
「ん?」
「良ければその電話という機械…後で調査させていただけないでしょうか?」
リコが興味津々といった感じで段々と近づいてくる、尻尾も振っているようで白衣がユラユラと揺れている…あれ…何だかちょっと嫌な予感が…。
「ちょ~っとだけ分解して構造を知りたいのであります。見知らぬ機械を見ると自分は尻尾の付け根と研究心がキュンキュンしちゃうのであります~!!」
そして、更にいっそう激しく振られる尻尾…これはマズイ…
「あ、いやいやいや」
「平気であります~ちゃんと元に戻すであります♪」
これは逃げないと携帯が分解される!
「分解すると保証が効かなくなるんだって!」
「ふふ、大丈夫であります~!自分が保障するであります!」
「うわわわ、そっちの保障じゃなくて電話会社の!」
僕はそう言いながら追っかけてくるリコから逃げた。
僕がリコと追いかけっこをしている間エクレは例の機械を使って何処かに連絡を取っていた…助けてよエクレ…。
そんな事を考えていると何か良いことがあったのかエクレが嬉しそうな声をあげた。
「それは心強い!」
「エクレ?何か朗報が?」
リコもエクレの事が気になったのか僕の携帯を狙うのを止めて聞いていた…良かった助かった…。
「ダルキアン卿が戻ってこられる!」
「本当でありますか!なら、ユッキーも一緒でありますね♪」
「ああ!」
ダルキアン卿?ユッキー?…誰だろ?そんなに凄い人達なのかな?
「誰?」
「ビスコッティ最強の騎士、ダルキアン卿と我らの友人ユキカゼだ!」
「2人共、とっても頼りになるであります!」
「へぇー」
最強の騎士…そんな人がいるんだ…僕はそんな事を考えながらもまた携帯を狙ってきたリコから逃げる事にした。
ミルヒオーレside
シンクがリコと再び追いかけっこを始めた頃、お城の一室では…。
「そうですか!」
「えぇ、勇者殿はエクレールとのんびり観光しながら帰ってくるようですし、先ほど私が図書館の近くを通った時はユウト殿もとても楽しそうに調べ物をしていましたよ。それにお2人ともコンサートにも来てくれるとのことです」
「良かった~。勇者様とユウト様、リコやエクレと仲良くなれたでしょうか?」
「私が見た限りでは、もうすっかり」
「ハァ~…まだ気は抜けませんが…なんだか少しホッとしました」
「ハッハハ!姫様はご心労が多くていらっしゃいますからな」
「皆に支えられての私ですから…。自分で出来ることは頑張らないとです」
そんな話をしているとアメリタが部屋に入ってきた、おそらくリハーサルの準備が出来て私を呼びに来てくれたんでしょう。
「すみません、騎士団長。姫様そろそろ」
「あ、はい!」
そして私はリハーサルを行う為にステージに上がる…。
勇者様とユウト様には、後でちゃんと謝って…それから戦場での活躍すごかったですって伝えて…勇者様とユウト様の事は撫でて差し上げてもいいのかしら?失礼でないといいな。
あっ!エクレールも褒めてあげなきゃです。すごく頑張ってくれましたし。
もちろん、コンサートもしっかり頑張って…それから…レオ様にもまたお手紙を差し上げないと。…レオ様はどうして…あんなに戦を好きになってしまわれたのか。
…昔はあんなに褒めて下さった私の歌を…どうして聞いて下さらないのか…?
そんな事を色々と考えながらもリハーサルは着々と進んでいった。
レオンミシェリside
ミルヒオーレ姫様がリハーサルを行っている頃、ガレット軍野営地では…。
私はグラスを持ち側役のビオレ・アマレットに酒を注がせていた。
「レオ様?ミルヒオーレ姫様のコンサート…伺わなくてよいのですか?」
「誰が行くか。犬姫の歌など聴きとうないわ」
…今、ミルヒの歌を聴くと決意が鈍る…これは私が何とかしないといけないんだ…今日の戦で結果が良い方向に変われば良いが…。
「では、軽く妨害でもなさいますか?」
「敗戦国が戦勝国の宴を邪魔するなどそんなみっともない事が出来るか!」
私はそう言いいながらお酒少し飲む。
「それではまぁ今日はお好きにお飲み下さい」
「うむ。そのつもりじゃ」
グラスが空になると私はビオレに更に注がせ飲むを繰り返していると、ふとある事を思い出した。
「ところでガウルはどうした?こちらに来るなどと言っておったが?」
「そう言えば…そうですね」
あのバカは一体何処で何をしているんだ?
???side
レオ様がお酒を飲んでいる頃、フィリアンノ城が見える丘では4人の人影が何かを話しあっていた。
「姉上が負けたってことは、やっぱ勇者とその友人ってのはつえ~んかな?」
「そのようです。勇者のスタイルは軽装戦士型。ガウ様と同じです。勇者の友人は軽装ですが武装が銃の軽装銃戦士型のようです」
確か調べた情報では勇者は棒を使い、もう1人の方は2丁拳銃だった筈…それにしても2丁とは言え使っていたのは単発の銃らしい…この人はよくそんな武器で戦えますね…流石に少し驚きました。
「両方共面白れぇ。姉上の仇ってわけでもねぇが、いっちょ遊んでやるとすっか!」
そう言いながら1人は何処かに行き、残りの3人はフィリアンノ城へと向かった。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次話の更新は不明です。
次回 勇者、連絡を取る