リベラリタスのただの元傭兵   作:草鞋の人

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序章②

 

 

「ところでジン。ここからリジテ港までかかっても四時間ってとこだろ?残りはどうするんだい?」

 

「それは普通のスピードで行った場合だろう?時間はたっぷりあるんだから、勘を戻しながら、ゆっくり行くぞ」

 

「あー…確かにボクらには村に駆け込んでから10年間戦闘というものをやってこなかったからねぇ」

 

「もうそんなに経つのか」

 

二人は笑みを浮かべ、談笑しながらリジテ港へ歩みを進める。

 

「しっかし…いつ通っても慣れないね、巨神獣の中を通るのは」

 

 

二人が今通っているのは雲海トンネル・ルド雲海道。巨大な巨神獣の内部に通っているトンネルである。要所要所にエーテルライン*1があるおかげで、丑三つ時でも視界は明瞭である。

 

 

\ボコッ/

 

 

 

「…………ん?」

 

 

 

しかしそれはジン達人間に限った話ではない。モンスターにとってもそれは同じである。

 

“それ”は地面から現れた。婉曲した触覚に、六本の足を持った虫のような生物で、ジンの一回りも二回りも大きい体躯をしている。鎌のような前足からは、二人を狩ってやろうと言わんばかりの雰囲気が立ち込めている。

 

 

「あれは…美食のローチとかいう奴か。どうする?逃げる?」

 

 

「逃げるにしても、ある程度ダメージ与えないと逃してくれないだろう。いい感じに傷を負わせて離脱するぞ」

 

 

ジンは錫杖から抜刀して臨戦体制に入る。

 

 

ローチはキシャアと奇声をあげてジンに飛びかかる。ジンはそれをスライディングしながらかわし、すぐさま後ろ足めがけてアーツを放つ。

 

「『 空打(そらうち) 』」

 

孤月状に飛ばされたエーテルの斬撃は、ローチの足に傷を残したものの、切断するまでには至らなかった。

 

(流石に硬いな)

 

ジンは体制を直すと、ローチへ向かって前進する。ローチは前足を構えつつも、口から溶解液を吐き出す。ジンは上に飛んでかわし、錫杖を()()()()思い切り投げた。

 

「ペイル!」

 

相棒(ドライバー)の呼びかけに応え、錫杖をキャッチしたペイルは、錫杖をローチの背中へ突き刺す。ローチは振り落とそうと暴れるが、必死に耐えて杖越しにエーテルを流し込む。

 

 

「『 黒影 』!!」

 

杖越しに流されたエーテルの波は、ローチを体内から穢し、爆発を起こした。煙が晴れた時に目に映し出されたのは、全身丸焦げで黒煙が吹き出しているローチの姿であった。

 

 

「……やったか?」

 

爆風で飛ばされて相棒(ドライバー)に抱えられながら、ペイルは呟く。この言葉は勝利への確信からくる言葉ではない。目の前の状況を確認するための言葉である。また、

 

 

 

 

 

 

\\ムクリ//

 

 

「「あ」」

 

 

 

 

 

 

巷ではこれを“死亡フラグ”という。

 

 

 

 

 

 

 

 

キシャアアアアアアアアア

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

二人は全力で逃げた。途中で疾風のカムリを見かけたが、無視して走り続けた。走って走って走り続けて、イシェバ港に着いてしまった。

 

「ぜぇ…ぜぇ……。全く死ぬところだったね」

 

「ああ…クソ、昔ならアレで決まっていたというのに。やはりお互いに鈍っているな」

 

「そうだね。特にエーテルの放出時のムラ。これ早いとこ直さないとなぁ…」

 

 

何発か溶解液をくらったせいで、二人はボロボロであった。

 

 

「はぁ…眠いしお腹すいたし体もボロボロ。あそこの小屋で一休みと行こう」

 

「ああ。今の時刻は四時半。三時間寝たら近くで軽く戦ってから戻れば間に合うだろう」

 

すると、ペイルは突然足を止める。

 

「ボクとしては体を拭いておきたいところなんだけど……//」

 

「安心しろ。お前の貧相な体を見たところで何の感情も湧かん」

 

「面と向かって言われるとムカつくな!?」

 

ペイルは赤面しながらジンの背中をバシバシ叩いた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「お待ちしていました。ローデリッヒ議員から話は伺っております。お乗りください」

 

午前9時。ようやく現れたスペルビアの兵士に案内され、二人は乗船する。

 

「こちらがお二人の部屋です。しばらくお休みください」

 

スペルビア兵は退出し、二人きりになる。部屋を見渡すと、クローゼットとテーブル、そしてベッドが二つずつと、贅沢であった。。だが、部屋全体は灰色に包まれており、床の木材だけが肌色を残していた。

 

 

「何とも殺風景だね。慣れてるけど」

 

「ベッドがあるだけマシだな」

 

二人にとっては、これでもかなりの高待遇である。それもそのはず、今までベッドはおろか個室を提供されないこともしばしばであったからだ。それがローデリッヒこんな部屋を手配してくれる始末。そこにかけられた期待と責任を、二人はひしひしと感じていた。

 

 

「といっても、仕事は仕事。サクッと終わらせて、イヤサキ村に帰ろう」

 

ペイルは緊張などせず、いつもの調子でジンに語る。だがジンは、何とも言えない表情で考え込んでいる。ペイルはその様子を不思議そうにしたから眺める。

 

「ジン?どうしたの?」

 

「……いや何でもない。ちょっと外の空気を吸ってくる」

 

 

ペイルは頭にハテナを浮かべつつも、特に気にするそぶりを見せずベッドへダイブし、すぐさま意識を落とした。

 

 

数分後、ジンは熟睡する相棒(ブレイド)の顔を見て大きなため息を吐くと、その隣のベッドに横たわる。

 

 

 

(ローデリッヒはおそらく、皇帝と対立している。だから奴は公的な部隊を投入することができず、俺のように自然消滅した傭兵に依頼を回すしかないのだろう。まああそこは500年前の大戦でボロボロなっているらしいし、何よりインビディアとスペルビアが膠着状態になっている土地だ。下手に刺激するわけにはいかない…か)

 

ジンはまた、ため息。そして苦笑。

 

(戦争は金になる…レックスやセイリュウが聞いたら怒るだろうな)

 

 

「お二人とも、まもなく到着です。ご準備を」

 

 

部屋に入ってきたスペルビア兵の合図を聞き、二人は起き上がる。

 

 

「さぁてジン。いよいよ仕事の時間だ。気張っていこう」

 

「そうだな」

 

 

二人は荷物を担ぎ、船を降りる。

 

 

 

目の前に広がるのは、岩場に囲まれた断崖の土地。500年前の聖杯大戦の主戦場であったとされ、オーパーツが眠る土地:《b》テンペランティア《/b)だ。

 

 

*1
ブレイドや巨神獣の体を通っている蛍光色の線。暗いところで光る。




せっかくだからオリジナルブレイドの武器は原作に出てないやつにしたいなぁ

どんな武器出てたっけ?確認しよ

ほぼ出尽くしてるやん。どうしよ

マンダラ…ガンダム?

錫杖武器にしたろ。

ついでに仕込み杖にしたろ←今ここ


と言うことでペイルの武器は錫杖になりました。え?無理がある?かっこいいからいいじゃないか。
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