やあやあ、諸君。開始早々頭打って死んだ俺だ。
…え、なんで生きてるのかって?そりゃ君、分かるでしょ。多分分からない人はこんなの読んでないよ。あれだよあれ、テンプレテンプレ。異世界転生乙~。
まあ、これが初のテンプレ物の小説だって言う人も居るかも知れないし、一応状況を説明しようか。
では、転生からの記念すべき第一声を出すとしよう。3,2,1!
「オギャァ~~~!!!!!」
知ってた(諦念)
えっ!?なに!?とかもう思わないもんね。ラノベ脳すぎて。なんなら親に抱っこされながらも周りを確認…できねぇ。
「オンギャア!オンギャア!オンギィィィァァ!!(そうか!そうだわ!まだ目がよく見えてねえぐらいガキなんだぁぁ!!)」
いくら吠えても泣き声に変換されて親にバレないの、なんなら楽かも知れん。
そんなことを考えながら、異世界生活が始まってしまったことに特に焦りを感じることも無く、わが二度目の幼少期が始まった。
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「いやあ…参ったな。何の作品なんだこの世界。なんとなく聞き覚えある単語はいくつか聞いたんだがなぁ…」
子供の時が過ぎるのは早いもので。現在10歳の俺だ。
名前は「シーム・バイア」。茶髪に気怠げな顔つき。というか髪色以外は前世とそっくり。身長が大体155ぐらいで痩せても太っても居ない。しかもフツメンだ。転生無双なんて出来る顔つきでは無い。もちろん魔術の才能も類い稀な個性もチートも無い。やったぁ!最近のラノベあるあるの「主人公チート無し」だぁ!
…そんなとこまでテンプレじゃ無くて良いんですよ神様。チートと金と権力をくれ。
まあ、そんなことは一旦おいといて。
この短い幼少期、俺は色々と聞いてきたし色々と見てきた。
ちなみに一番キツかったのは言語ね。まあ日本語とかけ離れてた。ナーロッパなら日本語使えてクレメンス…で、得た情報。
「バルトレーン」、「レベリス王国」、「魔術」。ここら辺は結構聞く。あとは冒険者とか魔術師がいる世界でもあるらしい。技術レベル的には中世に魔法とかを組み合わせた所謂ナーロッパ。
しかし、作品名が思い出せない。なんだっけあの…うわ…ああもどかしい!wikiをくれ!もしくはスレを立てさせろぉぉ!!
「……まあ、考えててもしょうが無いか」
今日は親に言われて剣術道場に通う初日だ。俺と両親が住んでるクソ田舎且つ首都からのアクセスがゴミな田舎、ビデン村には、一つの剣術道場がある。
まあ、要するに。普通にモンスターとかいる世界だから自衛手段もたせよう、という親の親切心な訳だ。ありがたいけど俺前世は帰宅部だったからなぁ…まあ、今世ぐらいは頑張ってみるか。
お、ついたついた。…やっぱりなんか見覚えあるんだよなぁ…そして中から素振りしてる子供達の声と、三十代ぐらいのオッサンの声。たぶん師範とか其処ら辺だろう。
「すみませ~ん、剣術習いに来ましたシームです~。」
「あっは~い、ちょっと待っててね~」
ガチャリ、と扉が開く。
「いやあ、御免ね、弟子達への指導が長引いちゃって。
君が新しい生徒のシーム君かい?」
オッサンの見た目は思ったより若い。目は緑。身長は175より高いだろう。茶髪で前髪に一房だけ白髪がある。まだシワも少ないし、何より引き締まった体。ムキムキでは無いが鍛えてることが分かる、所謂アスリートみたいな感じだ。
だが問題は其処では無い。
「俺はベリル・ガーデナント。この道場で師範やってる、しがないおっさんだよ。」
なんかしゃがんで俺と目線合わせておだやかに話し掛けてくれてるが、ちょっとまってほしい。
え、マジ?
これ無自覚最強オッサンのいる世界?
割と死人も出るしバンバン敵出て来るあの?
おっさんの弟子がそろいも揃ってバケモン揃いのあの世界?
マジかぁ。生き残れるかぁ?俺。割とヤバいんじゃねえの?
……そんなこと考えてる場合じゃ無い。今は挨拶せねば。
深呼吸をして、それから。
「シーム・バイアです。今日からよろしくお願いします!」
割とやべえ世界であることを悟ったが、それでも気丈に言い切った俺は、中々偉いと思いました。まる。
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用語一覧
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・俺 → 「シーム・バイア」
主人公と言うには俗すぎる、この物語の語り手。自分が何の作品に転生したのか知って割と慌ててる。果たして生き残れるのかぁ…?割とチートとバケモンが跋扈してるぞぉ?
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・「ベリル・ガーデナント」
自己評価の低いおっさん。知る人ぞ知る「片田舎の剣聖」。弟子が王国の騎士団の団長だったりエリートである魔術師団の一員だったり最高ランク冒険者だったりと、割とやべえ人。戦闘スタイルは卓越した観察眼と読みでいなし、崩した所に攻撃する「後の先」が特徴的。相手の剣筋をずらす「木葉崩し」は本来逸らす程度だが、このおっさんがやると相手が剣を手放してしまうぐらいの効果となる。しがないおっさんだと思っているのは本人だけである。ちなみに父はもっと強いが、既に師範の座をベリルに託して隠居している
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・ビデン村
広大なガレア大陸北部にある王政国家、レベリス王国の西の方の辺境。山脈と隣接してるわ首都から馬車で丸一日かかるわでまあド田舎。しかし侮るなかれ、この村の剣術道場から輩出された奴らはどれも一流の化け物ばかりである。この村はラスダン一歩手前だったりするのか?