ヒーロー名「エターナル」 作:オンドゥル太郎
友達にこの事を話したら、病院行けって即答されたんです。
解せぬ。
翌日、臨時休校になり、一部の一般の生徒が遊びの予定を立てている中、俺は…
「以上が俺からの報告書です。」
雄英会議室に呼び出されていた。
まあこれに関してはしょうがないだろう。
あの状況で正確に事を把握している人間が何人いただろうか?
ほとんどの生徒がヴィランと戦い、一部の生徒は怪我を負い、教員二人の内、13号先生の方は未だに目覚めていない。
彼女の体には切り傷が多く、一部は内臓へと届いていた。
リカバーメモリで傷は治っていたが、後十分でも遅ければ失血死していてもおかしくはなかった。
ファングメモリ、牙の記憶を内包したメモリだあり、数多くのメモリの中でも強力かつ、危険なメモリだ。
W本編ではいわゆる暴走フォームの「ファングジョーカー」へと変身していたが、ドーパントは登場しなかった。
「ヴィランの方は一旦置いておこう。問題は、なぜ相手がガイアメモリを持っていたか?だ。」
「それに関しては、私はわかりません。ただ、言えることは園咲家は関与していないと言うことです。」
「証拠は?」
校長の追及に、俺は数枚の書類を出す。
「地球の泉の管理状況です。園咲家は、ここ2年間、一本も新しいメモリを生み出してはいません。」
俺は基本、自分が持っていたメモリを使っているだけだ。
ここ2年間、園咲家は新しいメモリは作らず、それ以前に作っていたメモリを元に、新しい物を作ろうとしている。
そして俺は今現在、開発中の物の資料を雄英側へと渡した。
「現在、構想中の物も合わせて15個、完成したのは内五つです。」
「おいおい、お前は戦争でも始める気かよ。」
「こんな物が流出すればとんでもないことになりますよ。」
「はあ、起きてすぐにこんな厄ネタ見せられてんのか俺は。」
(これ、何?)
明らかに話を完全に理解できてないオールマイトと、顔を顰める相澤先生を他所目に、俺は更なる資料を渡す。
「園咲家のガイアメモリの販売記録ですが、全部で数十個。その中にファングメモリは一本も存在しません。同様に、園咲家、いえミュージアム壊滅時に風都へと流出したメモリの中にも、ファングメモリは存在しません。」
そもそも、当時のガイアメモリはW本編のような、なんでもかんでも売っていたわけではなく、コックローチやスイーツなど、一部のメモリのみを販売、本編のストーリー展開をなぞらせるために、直接渡した物を除けば、ファングなどの特に強力な物は販売していない。
ミュージアムが壊滅した際に、一部の販売員がメモリをまとめて売り、風都の外へと逃げると言う事態が発生したが、それも同じだ。
「三年前に死亡したメモリユーザーに、伊坂深紅郎と言う男がいました。」
「あの風都の外で起こった一家氷結惨殺事件の犯人か?」
照井家を含めた十数組のかzpく
「はい。彼が使ったメモリはウェザー。天候を操る強力なメモリなのですが…こちらのメモリも販売していなければ、園咲家から渡した記録も一切ありません。」
そう。
当時1番俺を悩ませた事件がこれだ。
母さんにも確認したが、ウェザーメモリは彼の手に渡るはずがないのだ。
「つまり、園咲家以外に、メモリを流している組織が存在すると。」
「はい。それに関しては、園咲家、鳴海探偵局が直々に動いていますが、成果はありません。」
「鳴海荘吉が動いてもこれ、か。」
鳴海探偵局局長、鳴海荘吉。
もう一つの姿は、仮面ライダースカル。
かつてWと共に風都を守り抜いた仮面ライダーのうちの一人。
基本的には風都で活動するが、稀に出張と称して外部の事件解決に協力するため、知る人ぞ知る名探偵だ。
「ドーパントについてはこれくらいで。目先の問題としては、こちらの脳無の方だ。」
「個性を複数持った改造人間、仮面ライダーやドーパントと張り合えるパワーと耐久力、何より、死柄木弔と呼ばれた男の言った対オールマイト用兵器と言う言葉。」
「正直、あんな奴をリーダーに動いている集団に持たせるにはもったいないですね。」
「となると、試験運転も兼ねたか、すでに量産されているのか。」
「これは感覚の話なんですが、最終的に負けたとはいえ、オールマイトに対する足止め要員としては十分すぎる戦力です。元々の作戦は、ファングで俺を止め、脳無をオールマイトにぶつける。その他のヴィランで生徒を、とでも考えていたのでしょう。」
イレギュラーとしては、オールマイトが遅れてきたこと、俺が一人で相手できてしまった事だな。
「本当に面目ありません。」
「不謹慎ですが、今回は遅れてきた事が幸いだったかもしてません。」
「どう言う事だい?」
俺の言葉に全員が反応する。
「被害は出ましたが、相手の目的の一つであっただろう、オールマイトの詳細な強さは測れなかったでしょう。同時に、俺と言う脅威を観測した。現在の雄英は、生徒も含めれば余程の事がない限りは落とせないでしょうしね。」
「コイツの発言には頭が痛いですが、言ってることはあっています。」
「そうだね。それじゃあ、今後のセキュリティ案に移ろうか。」
1時間後。
俺は会議室から出ると、人気のない廊下を歩き始める。
時刻は11時半。
朝9時時からぶっ通しで話してたからな。
ああ、
(ポン)
腹が、
(ポンポン)
減った。
(ポン)
なんてやってる場合じゃないな。
さっさと帰って飯を作ろう。
そうして俺が校舎を出て、駐車場へと行く。
車はなく、ぽつんと俺の愛用バイク、ハードボイルダーがある。
この機体は鳴海探偵局に渡された物とは別の物だ。
兵器としての機能をほとんど取り除き、速度と耐久性特化したバイクだ。
変形機構はない。
今日提出した資料の中にオートバジンが存在するが、未だに設計段階だ。
「園咲くん!」
俺がエンジンをかけようとした時だった。
後ろを振り返ると、緑谷、八百万の2人が立っている。
「珍しい組み合わせだな。どうかしたか?」
八百万はわかる。昨日の状況説明に呼ばれたんだろう。
だが、緑谷に関しては自宅で大人しくしているように言われていたはずだ。
「あの、昨日はありがとう。園咲くんがいなかったら、どうなっていたかわからなかったから。」
「別にいいよ。あいつらの目的には俺も含まれてたみたいだし。というかお前、怪我は大丈夫なのか?」
緑谷は骨折などはしていないようだが、半袖から見えるあちこちにガーゼや絆創膏が貼ってある。
「うん。ほとんどが打撲や擦り傷だったみたいでさ。」
「…そうか。ならよかったよ。あと、」
俺は緑谷の頬をつねる。
「お前はもっと自分を褒めろ。少なくとも、麗日を助けたのはお前だろ。」
俺の言葉に、緑谷は俺と目を合わせる。
綺麗な目だ。
透き通るような。水晶のようにも見えるが、その中には芯がある。
アレを緑谷に渡すのもありだな。
「お前は笑ってた方がいい。その方がカッコよく見えるぞ。」
「う、うん!」
俺は緑谷を離し、八百万の方へと目をやる。
「園咲さん、昨日は、ありがとうございました。園咲さんがいなければ、どうなっていたかわかりません。でも私、ただの足手纏いになってしまって…」
八百万の脳内に、チラリと悲惨なあったかもしれない未来がよぎる。
「八百万。お前は、自分にできることをやった。それだけだろ。」
八百万は目を見開いた。
「もちろん、無理をして倒れたことは反省しろ。だが、仲間を守ろうとしたことまで否定する必要はない」
「…はい」
「次からは、もっと周りを頼れ。お前一人で全部やる必要はないんだから。」
「よし。この話は終わりだ。お前らも、さっさと帰ってゆっくり休めよ!」
「あの!」
「ん?」
俺がバイクに跨り、発進しようとする俺を、八百万が呼び止めた。
翌日の夜
東京。
「すまん、ちょっと遅くなった。」
「大丈夫ですよ。私も今来たところなので。」
俺がバイクで待ち合わせ場所に行くと、私服の八百万が立っていた。
俺はヘルメットを渡し、自分の後ろに座らせる。
「それじゃあ行くから、しっかり捕まっててくれ。」
「はい!」
おお、気合い入ってるな。
お嬢様だから、バイクに二人乗りなんて経験したことがないんだろう。
今度、ちょっとだけ運転させてあげようかな。
原付の免許は持ってるみたいだし。
事の発端は昨日の会話で、明日の夜、レストランに行かないかと言う話だった。
お礼も兼ねてと言う事なので、丁重にお受けしたのだが、今日の夕方に起きたヴィランによる事件のせいで、車だと予約の時間に間に合わないらしい。
そのため、早くて小回りの効く俺のバイクで行く事になったのだ。
そうして俺は八百万のナビに従い、八百万家が愛用するレストランへと向かった。
園咲永太
裏でさまざまなライダーシステムを作ろうとしてる奴。
もう完成してるのもある。
八百万百
頑張ってレストランに誘った。
恋愛感情とかではない。
本当かな?
ヴィラン
カップル◯ね!って暴れてたら、どこからともなく現れたマッシブなバッタ男に倒された。
白状しましょう。
私は、城戸くんを出した時の反応に気づき、浅ましくも同じ事をしようとしていると。
次回、「間話 レストランに行こう。」
乞うご期待。
あ、誤字報告、感想、お待ちしています。