Re:ゼロから始まる廻る呪いに   作:トンパ=ゾルディック

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打ち解けた買い出し

深夜の騒動から数日。虎杖悠仁とレムの間には、まだ薄い壁のような気まずさが残っていた。それを見かねたエミリアの発案により、二人は麓のアーラム村へ買い出しに出向くことになる。「あの……悠仁くん。先日は、本当に申し訳ありませんでした」並んで歩く道中、レムが小さな声を絞り出す。「いや、気にすんなって! 俺の気配が怪しかったのは事実だしさ。それより、これからよろしくな、レム」虎杖がケラケラと笑いながら頭を撫でると、レムは驚いたように目を見開いた。彼の魂には、自分を害そうとした相手すら包み込む、底知れない温かさがあった。村に到着すると、虎杖は一瞬でヒーローになった。「お兄ちゃん、だれ!? 見ない顔だね!」少女ペトラをはじめ、村の子供たちが物怖じせず虎杖に群がる。「お、俺は虎杖悠仁! よろしくな!」元来の親しみやすさと、卓越した身体能力で子供たちを軽々と肩車してみせる虎杖。その微笑ましい光景を後ろから見つめるレムの心からは、いつしか彼への不信感が完全に消え去っていた。しかし、子供たちと「かくれんぼ」をしていた最中、虎杖の顔つきが鋭く変わる。「……なぁ、レム。さっきまでいた、あの子たち(ペトラやメィリィなど)が急にいなくなった。オドの気配が、村の『結界』の外へ移動してる」「まさか……! 結界が破られたのですか!?」二人は買い出しの荷物を置き、すぐさま村の境界へと走った。

 

 

結界の森の奥。薄暗い茂みの先で、子供たちが怯えたように身を寄せ合っていた。その周囲を囲むのは、不気味な隻眼の魔獣——ウルガルムの群れ。「お兄ちゃん! レムお姉ちゃん!」ペトラが泣き叫ぶ。その背後、子供たちに紛れた短い青髪の少女(メィリィ)が、冷徹な目で状況を観察していた。グルルゥ、と一段と巨大なボスガルムが、背後から虎杖を目がけて飛びかかる。「悠仁くん、危ない!」レムの悲鳴のような警告。だが、虎杖は避けるどころか、あえてその場に棒立ちのまま動かない。ボスガルムの巨大な顎が、虎杖の首筋に猛烈な勢いで食らいついた。ガキィィィン!!!森に響いたのは、およそ肉体を噛んだとは思えない、硬質な金属音。「ギュ、ウゥン……!?」ボスガルムが悲鳴を上げて飛び退く。その口からは、バキバキに砕け散った牙の破片がボロボロとこぼれ落ちていた。宿儺との合一を経て、世界のメンテナンスを続けた虎杖の肉体は、魔獣の牙ごときで傷つく領域を遥かに超越していた。さらに、ボスガルムは虎杖に『呪い(衰弱の呪術)』を付与しようと魔力を流し込む。しかし、何も起きない。虎杖悠仁は、かつて世界最悪の呪いの王を宿し続けた『器』。呪いや瘴気、毒に対する耐性は、この世界の理を無視して完全カンストしている。「悪いな。俺、呪いとかそういうの、もう効かねえんだわ」虎杖は首を軽く回すと、呆然とするボスガルムの脳頭殻へ、軽く右拳を振り下ろした。それだけで、巨獣の頭部が地面に埋まり、一撃で絶命する。これによって、原作でスバルやレムを死の淵に追いやるはずだった「連鎖する呪いの刻印」は、最初から完全に無効化されたのだった。

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