ルグニカ王国の首都。エミリアの正式な『騎士』として同行した虎杖悠仁は、その圧倒的な存在感で王都の視線を集めていた。『呪術廻戦≡(モジュロ)』の最終回を経て、全ての呪いを調律した虎杖の容姿は、かつての最強の呪術師・五条悟をも凌駕するほどに洗練され、神懸かっていた。切れ長でいて力強い瞳、引き締まった顎のライン、そして纏う気高き雰囲気。ロズワール邸を発つ際、少女ペトラから「絶対に早く帰ってきてね!」と顔を真っ赤にして迫られ、王都の雑踏を歩けば見知らぬ令嬢たちが一様に足を止め、頬を染めて振り返るほどだった。そんな喧騒の中、虎杖は路地裏で「トンチンカン」と呼ばれる三人組のチンピラに絡まれている、燃えるような烈火のドレスを着た美女——プリシラ・バーリエルを見かける。「ふん、妾の道を塞ぐか、不届き者が。身の程を知れ」傲然と言い放つ彼女だが、男たちはナイフを抜いて距離を詰めていく。原作のスバルのように割って入る状況ではあったが、虎杖の動きはあまりに自然で、かつ圧倒的だった。「…あいつら、ついこの前絡んできた奴等じゃん。おーい、そこまでにしとけよ」スッと男たちの間に割り込んだ虎杖。その顔を見た三人組は、彼の超人的な体躯と尋常ならざる美貌、そして眼光の鋭さに本能的な恐怖を覚え、一歩も動けなくなる。「ひ、ひぃっ…!」
「いや…この前会ったばっかじゃん…まあそんな深い付き合いじゃないけどさ」
虎杖が軽く手を振っただけで、三人組は蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていった。プリシラは傲慢に扇子で顔を隠しながら、虎杖を値踏みするように見上げる。「ほう……見事な器量じゃな。顔立ちも、その胆力も、妾の退屈を紛らわせるには十分よ。悠仁と名乗るか。良き。妾の記憶に留めることを許そう」虎杖の圧倒的な「格」に、プリシラは最初から一目置くような態度を見せるのだった。そこへ、プリシラの従者である隻腕の鉄兜——アルが遅れて駆けつけてくる。「おいおい姫さん、勝手に行かれたら困るって……ん?」アルは虎杖の立ち姿、そして彼から微かに漏れ出る「空気」を感じ取り、鉄兜の奥の目を丸くした。プリシラが先に歩き出した隙を見計らい、アルは虎杖に声をかける。「……なぁ、兄弟。お前、もしかして『あっち』の人間か?」虎杖は驚きに眉を上げた。「え? あっちって……日本、のことか?」「やっぱりか! いやあ、懐かしい気配がしたんだよ。俺も何十年も前にこっちに召喚されちまっさ。まさかこんなイケメンの同郷人に会えるとはね。アルって呼んでくれ。王城じゃ、お互い苦労しそうだが、よろしくな」同じく異世界から来た「先輩」との奇妙な縁。二人は短く拳を合わせ、王城へと向かうのだった。