「追い出されたな…」
「そうだね…」
「………っ! やっぱり俺は戻る! これ以上俺達の日常を脅かされてたまるかってんだ!」
さっきコンビニで立ち読みして購入した週刊誌を勢い良くパタン! と閉じてキンジがいう。
「だがキンジ。追い出されてからまだ30分も経って無いぞ。俺の見たところあのアリアって子は怒りが冷めやすいとは思えない。何より俺の直感がお前に女難の相を見出している。」
「じゃあどうしろって言うんだ? このまま野宿とかヤだぞ。」
確かにまだ春になったばかりでどちらかというと春のポカポカした過ごしやすい気候などでは無く、冬の寒さが後を引いている。こんな今はまだいいが、こんな環境下でロクに防寒もせずに野宿なんてしようものなら風邪をひくかもしれない。
「うーん…じゃあ最終手段だけど俺の妹達の部屋に泊まらせて貰おうか?」
言った瞬間、キンジの顔が文字通り顔面蒼白 になった。
「言うまでもなく却下だ。お前は俺を更に追い詰めるつもりか?」
「良い案だと思うんだけどなぁ。」
まあ確かにこんな時間に女子寮に男子二人組がのこのこ入って行ったら二人仲良くGAMEOVER(社会的な意味で)だろう。家族と言う言い訳がある俺はまだしも、キンジは完璧に終わりだろうな。(社会的な意味とヒステリアの二重の意味で)
「じゃあ俺は行く。龍はどうするんだ?」
「うーん…そうだなぁ。よし。俺は久々に妹達と戯れてくるとするよ。無理だったらお前の
最近あまりあったりしてないし、家族サービスと洒落込もうか。
「そうか。じゃあ運が悪かったらまたあとでな。」
「りょ~か~い。」
そう言ってキンジは立ち上がり男子寮の方へと歩いて行った。自分の部屋に向かうというのにとても重い足取りで。
「さて、と。」
密かにキンジの無事を祈りながら取り敢えず懐からケータイを取り出そうとして…あ。
「ケータイが…無い。」
何時も防弾制服の裏ポッケにしまってあるはずのケータイが無い。そう言えばあのカカシ野郎ことセグウェイに破壊されたんだったっけ。…チクショウ! 思い出したら何だかまた腹が立ってきたぞ。新しいの買わなきゃ駄目だなこりゃ。
「流石にアポなしでいきなり訪問はいくら家族でもなぁ…」
いくら何でも俺の到来を予測している何て事は…ないだろうな。そこまで来たらもう未来予知だよ。まあ、一人そうゆう類の
さて予想より早いがキンジの支援にでも行くか…あ。でも待てよ。この時間帯ならもしかしてまだ一人学校に居るかも。
よし! そうと決まればいざ!
「
恐らく今頃装備科の教室(とゆうより作業室)で絶賛創作活動中であろう妹の所へ向かい歩き出す。居たら万歳、居なければ残念無念また明日。
待っていろよ椛!
結論から言って其処にヤツは居た。…のだが。
「………………」←仁王立ちで椛の前に陣取る俺。
「………………」←作業に没頭しているのか俺に全く気付く素振りを見せない椛。
「もしも~し椛? 聞こえてますか、見えてますか~?」
「………………」
「あれれ、無視ですか? シカトですか? おーい椛!」
「………………」
「椛っ! 椛ってば!」
「………………」
「………………」
どうしよう。全然反応しない。
コイツの名前は
四人居る妹(俺も最初は驚いた。せいぜい一人かと思っていたのに妹がぞろぞろしていたから。あの神様無茶苦茶する。)の内の三女で12才。今年秋で1 3才で、本来ならばまだ中学生だが最近になって実施されたインターン制度で武偵高に入ってきた武偵だ。所属学科は装備科。武具の設計や製造、改造、販売など幅広く活躍する学科だ。ランクは当たり前のようにSランクだ。兄として誇りに思っているが。しかし椛は腕は良いものの問題点が二つ程ある。一つは集中力が高すぎて作業中は他人に気付かない事。今もなお現在進行形で無視され続けているがこれはワザとではない。ただ単に気付いていないだけなのだ。この状態の椛には(例外を除き)何をしてもうんともすんともしない。そんな厄介な特性を持つからこそ下校時間にも気付かずに黙々と作業に勤しむのだ椛は。徹夜し過ぎて次の日の授業に出ない事なんてザラだと前に他の装備科の生徒や後輩のクラスメートに聞いたこともある。とはいえ、そろそろ時計の短針が8を越える時間帯だ。こうなったら…使いたくないが最終手段を使うしかない。
椛の耳元で静かに、しかししっかりと聞こえる位の声量で囁くように語り掛ける。
「椛。」
「………………」
何の反応も返さない椛。だが、これでどうだ!
「兄枕。」
「!!!???」
お、やっと反応した。
ゆっくりとこちらに振り向き椛が放った第一声が
「…兄さま?」
「ああ。お前の兄ちゃんの日向龍さ。」
「…ムギュ」
無言で抱きつかれた。抱きついてきた椛を受け止めると思春期の女の子特有の甘い匂い…椛の場合は栗みたいな良い香りと油の匂いが混じった何とも椛らしい匂いがした。
「…兄枕ってホント?」
兄枕。これはまぁ、たまに妹達にせがまれてやっていた読んで字の如く俺を枕にするとゆう行為だ。何でも俺の匂いに包まれて幸せな気分になれると妹達の間では大人気のご褒美らしい。流石に中学生になった頃からは俺にも恥じらいが生まれてそれ以降滅多にやらなかったんだが…
「…兄さまの兄枕…フフ…」
こうやって妹達に言うこと聞かせる時とかに使っていた。作業中の椛にも効果は抜群のようだ。でも…
(ううぅ。ホントはやりたくないんだよなぁ…)
この年にもなって膝枕だの腕枕やの挙げ句の果てには尻枕(何だかこれを求められるようになってからは俺の直感が危険を感じてあまりやらなくなった。)何て、…恥ずかしすぎる!
「まぁ、それはさて置きそろそろ帰らないか? もう8時過ぎだぞ? あと唐突で悪いんだが今日お前達の部屋に泊めて欲しいんだが構わないか?」
「…? 別に構わないけど…何で?」
「まあ、そこら辺は移動しながら説明するから。取り敢えず櫻に連絡とってみてくれよ。」
「…分かった。」
よし。宿ゲット。
その後、無事に長女の櫻に了解を貰い、椛の作業の後片付けを手伝って下校を開始。椛はどうやら拳銃やら刀剣やらのオーバーホールや整備の依頼を受けていたようで残りは家でやらせる事にした。(軽く30人分位の武装を承っていたようだ。はっきりいって椛には脱帽だ。)
そして女子寮の管理人さんに事情を説明し(アリアに追い出されたとはとても言えないので適当に同居人との喧嘩と言っておいた。)台車で運んできた大量の武装を梱包したおっきな
…あ。今更ながら着替えとか持ってきて無いや。まあ、何とかなるかな?
不知火はかぶるので主人公の名前変更しました。
不知火 龍 → 日向 龍
あと、生ける炎さんから御指摘された点を変更すると同時に色々本編に肉付けしたり削り取ったりしました。(それ程変わってはいませんが。)
これからも要望とかがあれば出来うる限りそれに近付けるように致しますので皆さんバンバン言ってもらって構いません。(私の出来る範囲でお願いします(弱))