「デスバニーだ…!」
黒き装甲を纏ったバニーが、黒雷を纏い突撃してくる。
人を優に超えた速度を誇る一撃は、統次に直撃した。
「ぐぁぁ!!」
「渡せ…!その力を…!」
「どうしてだ…!」
「ふんっ」
ノーデスの持つ鎌が、変身していない統次を襲う。
鋭利な斬撃が容赦なく降りかかってきた。
「くそっ…変身!」
『ラッヴァード!!』
鉄道と融合し統次はラッヴァードに変身する。
「ハァッ!」
黒雷を拳で打ち破り、ノーデスに攻撃を加えていく。
赤い炎が黒い稲妻と絡み合い、大きなエフェクトが発生した。
「そもそも… !危険な力ってどういうことだよ!」
「その力は深淵よりも深い闇を持っている…!」
「はぁ!?どういう…」
『ノーデスシャドウラッシャー…!!!』
ノーデスの鎌が紫のオーラを纏い、力を溢れさせる。
そして。
「終わりだ」
一閃。
鋭く、強大な斬撃が、断罪するかのように振り下ろされた。
『フハハハハハハ……』
土煙が上がる。
その煙が晴れる時、そこに統次はいなかった。
「……」
ノーデスは変身をとき、ただ佇んでいた。
▽
「…大丈夫?」
イーナの一言で統次は目を覚ます。
その場所は知らない天井ではなく、よく知るイーナの自室だった。
「はっ。イーナ…?てか、なんで俺はここに…」
「…川沿いで倒れていたの」
パステルの寒色を基調とした、女の子らしいと言える部屋。そんな部屋の主であるイーナは、いつも通り無表情ながらも心配そうにベッドに寝ている統次を見つめていた。
「…心配かけたな」
「…うん。心配だった。見つけた時はもう、ボロボロで…死んじゃうんじゃないかって」
彼女の瞳に液体がたまる。
言わずもがな、それは涙だろう。
「…でも、よかった。今は体に痛みとか、ある?」
「全然!めちゃくちゃ元気だぜ」
「…よかった」
彼女の顔は無表情ながらもどこか安堵しているようだ。
「でも、ここまで迷惑かけちゃったらなんかお返ししないとな…」
「じゃあ…私と、デートしてくれる?」
「で、デート!?」
「…うん。決まりね」
「わ、わかった…」
イーナにしては珍しく強引にとんとん拍子で予定が決められていく。
俺とデートなんて…、荷物持ちがそんなに必要だったのか?
しかしそこは鈍感野郎な統次という男。イーナの心など知ることもなく、一人勝手に納得するのだった。
そしてその晩。
イーナが風呂に入っている間、統次は一人ぼーっと考え事をしていた。
「ノイター....一体なんなんだ?」
『ノイター、か。その名には聞き覚えがある』
「うわ!ラーグ!いたのか?」
『ああ。少し前に帰ってきた。それよりも、ノイターについてだ』
「なにか知ってるのか?」
『ああ。正確には似たようなものを知っている、だがな」
「......?」
『昔我と争った神がいたんだ。そいつが使役していた兵士に近い.....いや、同じと言って差し支えないだろう。そして、ノイターというのは人の負の感情や趣向を曲解し、怪人に変える。しかしあのときあいつが使役していたのはココまでおぞましいものではなかったな.....。やつのみに一体何が....』
「じゃあそいつが黒幕ってわけか?」
統次が聞く。
『かもな。だが、我と戦ったあいつはもうそんなことをするような性格ではないはず.....。まあ、可能性として考えておいてくれ。それにあのフードの小僧....、あいつについては我も知らぬ。気をつけるに越したことはないだろう』
「なるほどな....。そういえば、俺が万が一負けたらどうなるんだ?」
『無垢の地が生まれる』
「無垢の地?」
また知らない単語が出てきたな....。
単語を覚えることが苦手な統次は少し後退りしてしまう気分だ。
『わかりやすく言うと....趣味が一つになるんだ。例えば、最初に多々あったあのノイターが勝っていたとするならば、その世の趣味嗜好はすべて胸板に変わる』
「そんな....」
『バニーも消えるさ』
「許せねえ....!俺、負けられねえよ....!」
『.....ははっ。貴様はブレないな』
「当たり前だろ?」
『そういうところが気に入ったんだろうな』
一瞬の静寂。その静寂の間に新たな疑問が浮かんでくる。
「なあ、神さまがいるんならバニーの神様もいるのか?」
『我がそうだ』
「嘘だ....、だって今龍神って.....」
『兎をもした龍神。それが我なんだよ。この日本の角も龍というよりも兎を模しているんだ』
「まじか.....」
『まじだ』
ペタペタと音が聞こえる。人の肌とフローリングが触れ合う音は、イーナが風呂から出たことを連想させる。
「...忘れ物した」
「忘れ物って....言ってくれれば俺もっていった....」
統次は言葉の途中で絶句する。
なにせイーナの今の姿は一糸まとわぬ姿だったのだから。
ところどころ輝く水滴が、彼女の肢体をより美しく艶めかしく仕上げる。
統次も、疑問符や見てはいけないものを見てしまったという感情とは別に、そおりゃバニーも似合うわけだと思わずにはいられなかった。
「.....忘れ物は、貴方」
「え!?ちょっま.....」
つかつかと歩き、統次の手首をガッチリホールドしたまま脱衣所へと連れて行かれる。
『.......』
その一部始終を見届けたラーグは、「あいつ、苦労するだろうな」と思うのだった。
そして統次とイーナが仲良く混浴したのはまた別の話。
▽
「うーん。いいバニー日和だ」
「…そうなの?」
「もちろん。こんなに太陽が輝いているんなら全てのバニーが輝かしいぜ」
憎たらしいほどの晴天。
清々しいほどの風が吹き、気持ちの良い春の陽気を伝える。まさにバニー日和と言えるいい一日だと、統次は豪語していた。
「…もうそろそろ行こう?」
「わかった」
イーナの一軒家から二人はゾロゾロと出ていく。
向かうは商店街。そこにはさまざまな店が集まり、街の一つの商店街とは思えない程に華やかで異国情緒あふれる場所となっている。
「…ふふ」
「ひさびさ、というわけではないけど…やっぱりなんか面白いなぁここ」
視線の先には噴水。右にはアラビア的な装いののれん。左には花畑というあまりにも混沌とした空間。
商店街というには開放的な、公園というには閉鎖的なその奇妙な空間は、いつも通り、さまざまな人で賑わっていた。
「あ、西洋さん!」
「やあ!統次。今日いい甲冑だろ?」
「輝いてるぜ!」
西洋甲冑を着た人物が気さくに声をかけてくる。
統次とは顔見知りらしい。
統次が西洋甲冑の素顔を見たことはないが。
「そこにいるのは?」
「ああ、友達の…」
「…彼女、です」
その鋭い一言に西洋甲冑はしばらくの逡巡の後、納得したふうにこういった。
「なるほどね…。じゃあこれをあげよう」
差し出されたのはお土産屋さんでよく売っている龍の巻きついたキーホルダー。これは西洋甲冑が自らの手で作ったものらしく、制度は高い。
「ありがとう」
「お幸せになぁ!」
西洋甲冑はカシャンカシャンと音をたて、去っていった。
「なあ、彼女って…」
「…ふふ。嬉しい」
イーナに意味を聞こうとしても、意味深に微笑むだけだ。
きっと角を立てないようにしてくれたのだろうと、意味不明な理論で統次は納得する。
「で、今日はどこにいくんだ?」
「…あそこだよ」
彼女は指を刺す。
指を刺した方向には、綺麗な花畑が広がっていた。
「…あそこに恋愛成就のスポットがあるらしくて、そこに二人で行こうと思うの」
「へえ…。イーナは好きな人でもいるのか?」
「…もちろん」
二人を強調したイーナだったが、朴念仁の統次は勘付くことなくまさに鈍感の一言でしかない言葉を発した。
「…行こう」
有無を言わせぬ迫力を感じ、トコトコと後ろをついていく統次。
その時だった。
ノイターが現れたのだ。
「ピーンポンポン!お前ら全員、クイズ漬けにしてやるピンポンねぇ!!!」
回答者ハットのような頭部と襷を幾重にもかけた歪んだ胴体。怪人ともいうべきその姿に名をつけるとするならば…。
「クイズノイター…」
「…クイズ…?」
統次の名付けにイーナが疑問符を浮かべる。確かに少し無理があるかもしれない。
「俺の名はクイズノイターだピンポン!お前をクイズ漬けにして、罰ゲームをやらせまくるでピンポン!」
「なんてひどい…!俺が止めてやる!」
「…クイズでいいんだ」
「変身!」
『キコナシアップ!ラヴァード!!』
走りながら、汽車と融合する。炎のようなエフェクトが、バニーのようなメカニカルなデザインを作りあげ、うさぎの耳とV字の意匠を作りあげる。
「ピンポンピンポンお前もクイズ漬けピンポン」
「ぬおわーッ!?」
陽気ながらも狂ったような言葉とともに繰り出されるクイズハット。くるくると回りながら空を飛ぶ帽子は、ラッヴァードに否応なしに装着されてしまった!
「オーディエンスが足りないピンポンねぇ...」
「なんだこれ!?え?なんだこれ!?」
混乱しているのかくるくると辺りを回りながらもたつくラッヴァード。しかしなにをどうしようと帽子は取れない。
「....あれは....!」
そのちょっと遠くに白髪の青年が一人。ノーデスだ。
「その力、ここで奪う!」
「よおし!お前ら全員チャレンジャーだピンポン!」
「だ、大丈夫?」
即座に変身し、ラッヴァードへ駆け出すノーデス。そしてそこにはオロオロしているラッヴァードを心配そうに見つめるイーナ。
その二人にクイズハットが装着された!
「な、なんだこれは....!?」
「....統次と、おそろい」
イーナはなぜかいつもの白バニー姿だ。
「似合うピンポンねえ.....。奥義、「ここはどこでしょう」!!」
クイズノイターの掛け声と同時に、大きなステージが出現する。ピカピカと眩しいほどに電飾で飾られたそのステージの上に、彼らはテーブルとフリップ、そして赤いボタンとともに立っていた。
「うおー!なんだここ!すげー!ん?ってお前は....!」
「一体何が....。そんなことより、ラッヴァード。今度こそ、その力を奪う!」
その机から飛び出し、ラッヴァードに襲いかかろうとするノーデス。
しかしその瞬間。
「ぐぁ!?」
ノーデスに電流が走り、その場に引き戻された。
「チャレンジャー同士の喧嘩は厳禁。クイズで恥ずか死ぬピンポン!」
「クイズに答えれば開放するんだな?」
「優勝すればピンポンよぉ~」
「ふっ。さっさと全問正解してやる」
大人しく席に戻るノーデス。
それを見届けたクイズノイターはまっていたと言わんばかりにルール説明を始める。
「ルールは簡単ピンポン!早押し形式で....」
「くどい。早く始めろ」
「ルールも聞けないやつがクイズに答えることなんてできないピンポンよ?」
「......」
押し黙るノーデス。
「全員がフリップに答えを書き、それを一斉に公開するという形で出題するピンポンよ。そして、答えられなかった者は全員、恥ずかしいエピソードを公開するでピンポン!」
「.....このカウンターは?」
イーナが卓上にある10と書かれたカウンターを指差し問う。
「それは恥ずかしカウンター。そのカウンターが10になったとき、恥ずか死ぬことになるピンポン」
「恥ずかし、死ぬ?」
「そう、恥ずかしくて死んでしまうことピンポン」
「.....怖い」
「まあせいぜい頑張るピンポンよ」
「なあラーグ」
『どうした?』
「ほんとに死ぬのか?」
『みたいだな』
「まじかよ....。前々から気になっていたんだけどその力って一体何なんだ?」
『我の権能の一つだ。そして、唯一使える権能でもある。敵の能力などをさぐれるのさ』
へえー、と統次は思う。
「でもなんで他の権能が使えないんだ?」
『最初に話したと思うが、半分は多分貴様のせいだろう。貴様から発せられるなにかが我の力を半減させているのだ』
「.....ごめん」
『案ずるな。貴様のおかげで我の索敵能力はかなり強化をされている」
「そっか」
彼らの会話が終わる。
慈悲なのかなんなのか、その会話が終わるのを見届けから、クイズノイターが文句を言う。
「助っ人認められないでピンポンよ!」
「今は一体化してるんだ。許してくれ」
「.....仕方ないピンポンねえ....。時間もないし早速!第一問!これの名前を答えろ!」
後ろのパンの袋を止めるあれの画像が表示された。親切にも、統次たちの手元のモニターにも映し出される。
こういうふうに出題されるのかと統次が納得したところで、制限時間がきた。
フリップは未だ真っ白だ。
よし。適当に書こう。
「それでは答えを!」
バンと、フリップの色が変わる。
イーナとノーデスの色は青。統次だけ赤だ。
「ラッヴァード、不正解!ちなみに答えは、バッククロージャーピンポンねえ」
統次の答えはバックアンド幕末inクローバーだった。
統次は惜しいと思った。
「さて、恥ずかしいエピソード公開だピンポン!」
モニターに文字が現れる。
「ラッヴァードのもってるエッチな本はバニーの本5冊!そして水着本が3冊でピンポン!!」
「ぐはぁ!」
ダメージを受けるラッヴァードこと統次。
「これは浮気なんかじゃない.....信じてくれ.....」
「.....大丈夫。私は貴方のえっちな本の隠し場所も全部しってるよ」
「そういう問題じゃ....え?」
統次の聞き返しは風に消えた。
「第二問!メソポタミア時代に築かれ最大級の水上都市は?」
これは....余裕だ。
迷うことなく統次はフリップに文字を示す。
やがてタイムアップが訪れ、フリップが公開された。勿論、統次のテノチティトランという答えは正解であり、その証拠に青くなっている。
「ノーデス!不正解!!じゃあエピソード行くピンポンよ!」
済ました顔のノーデスは、堂々と耳を傾けている。
「ノーデスという名前、中学二年生のときに考えついた.....」
「俺は夜に潜み闇を狩る者、ノーデスだ!由来などない!!!」
響く大声。
その声はクイズノイターの声すらかき消した。
「ワ、わかったピンポン.....次行くピンポンよ!」
「ふっ....夜に潜み闇を狩る者✛ノーデス✛さん.....」
「貴様....今日が命日だ.....」
「第三問!ここからはルールチェンジ!早押し形式だピンポン!」
ルールが変更される。ほどなくして、赤いボタンがせり上がってきた。
「第三問!ラッヴァードは寝る前.....」
「っておい!急に個人情報.....」
その言葉を言い終わるまもなく、ランプが点灯する。イーナだ。
「と...ラッヴァードは寝る前必ずまず最初にスマホの充電を必ずしたあとに一杯水を飲む。そしてその後ベッドに入り今の時期なら約3分ほどで眠りにつくわ」
「せ、正解ピンポン.....そこまで答えるとは.....」
彼女の正確な情報に引き気味のクイズノイター。
ノーデスもどこか引き気味だ。
「俺の監視でもしてるのか....?」
「.....宇宙では常識」
そんな顔で言われても.....。
その後もクイズは続いた。そして様々な秘密が暴露される。
例えば
「ノーデス!不正解!というわけで....。この白髪は半分染めている。その理由はかっこいいから」
「.......」
他にも。
「イーナ!不正解!じゃあ.....彼女は想い人の写真だけを集めたファイルがあって毎晩それを見ながら自分をな.....」
「黙って!!!!」
さらには。
「ラッヴァード不正解!秘密は.....。あまりにも英語が苦手すぎてすべてのアルファベットをひらがなだと勘違いしていた時期がある!」
「え!?違うの!?」
「呆れるな」
だったりと。それはそれは熾烈で苛烈な戦いが繰り広げられた。
「はぁ....はぁ.....」
「.....流石に心が....」
「今言われたことはすべて忘れろ.....」
彼らの体ももう限界だった。
『むう!?これは.....気をつけろ!恥ずか死ぬというのは勘定によって死ぬことではない!』
「どういうことだ!?」
急に叫ぶラーグの声にノーデスがといかける。
『毒だ。カウンターが0になったとき、全身に毒が回り死ぬんだ....』
「やっと気づいたピンポンね。じゃあそんなわけでもうそろそろ終わりの時間、こっからは指名形式でやるピンポン!」
さらなるルールの改変が行われる。
「間違えたものはすべてのポイントが消えるどっきどきのゲーム。じゃあ行くでピンポン!まずはイーナから!」
「......」
急に死の淵に立たされた少女は、無表情ながらも緊張祖をしているように見えた。
「では!イーナグゼル・ラスタートは人間ではない。ならばその本当の種族とは!?さあ答えるピンポン!!」
「.......」
静寂の中、イーナは考える。
答えれば、自分から人離れていく。統次が、私のそばからいなくなる。統次といっしょにいられなくなる。そんなの、嫌だ。
でも、いまここで死んでしまえばどちらにせよ永久的に統次とはお別れ.....。でも、統次に、統次に、統次にだけは知られたくない。
「あと10秒ピンポンよぉ~?10、9,8.....」
いやだ。いやだいやだいやだ!私は....私は......。
少女の葛藤も、時間は待ってくれない。
「3、2、.....」
「..!私は!」
「私はぁ?」
「うちゅう......」
「......」
「宇宙人です.......!」
ピンポンピンポンピンポーンと盛大に電飾が光る。
まるで彼女の正解を祝うように。絶望を祝うように。
「まじか.....」
その一言を耳にし、彼女は崩れ落ちる。
「ごめん.....」
「うおぉぉぉぉ!!すげー!!!」
「え?」
完全に人ならざるものだと思われた。避けられた。不可解なものになったという確信をもっていた彼女の耳に響くのは、
想像していたものとは真逆の声に、彼女は思わず気の抜けた声を出してしまう。
「ほんとに宇宙人なのか!?」
「う、うん「
「おおー!!すげー!そんなすげーやつがまわりにいたんなんてな!!」
「避けないの?私は、人じゃない.....」
「イーナはイーナだろ?人とかそういうのは関係ない」
「......!ありがとう」
「な、なんでピンポン!?なんでこんな雰囲気に....」
「宇宙人.....。宇宙人か.....」
ノーデスのつぶやきも、別に彼女を避けようとしている雰囲気ではない。
「うおおおおお!!そんなすげーやつがいるなんてな!!なんだか燃えてきたぜ!!!!」
「うるさい。一度黙ったらどうだ?」
「無理だ!」
「呆れるな.....」
「く、くそう。ならばラッヴァード、お前に問題だ!!」
「望むところ!!」
「いくピンポンよ!ってあら!?」
急にオロオロしだす。クイズノイター。
ラッヴァードもオロオロしていると、ノーで兎が動きだす。
「今だけは褒めてやる!ラッヴァード!!今なら、動ける.....!」
「ほんとだ....!」
『なるほど....統次のあふれる感情が打ち砕いたのか!』
彼らの肉体は自由になり、ステージも崩壊していった。
「よし!決めるか!!」
「.......」
犬猿の仲と言える彼らの息が合う。
『超バニーチャージ!!!』
『ノーデス.....ハイパードレイン....!!!』
赤いオーラと紫のオーラがぶつかり合いながら辺りを照らす。
「はぁ.......!!!!」
「ふぅ......!!!!」
『バニーラッヴァーニッシュ!!!!』
『ノーデスシャドウクラッシャー!!!!』
赤い閃光とも言える飛び蹴りと、紫の紫電がクイズノイターを貫き切り裂いた!!
「ぐはぁぁぁぁぁ!!!」
そうして、クイズノイターは爆散したのだった。
二人のバニーは変身を解き、相対する。
「どうする?やるか?」
「今回は、いいだろう.....。ただし次はない」
そういってノーデスは去っていく。
「変やつだなぁ....」
ちょんちょんと統次の裾が引っ張られる。
「ほんとに、私が怖くないの?」
そこにいたのは不安そうなイーナ。いつもと変わらないようなその顔も、統次は彼女の瞳から不安そうなことを見抜くことが出来た。
「何が怖いってんだよ。いつでもイーナはバニーが似合ってて最高にかわいいぜ!」
「か、かわいい.....」
イーナは顔を赤くさせた。
「よし!ハンバーガー食いにいこうぜ!俺のおごり.....は流石に金が....」
「.....今度は私が持つよ」
「まじ!?あ、でもそれは悪いなぁ.....」
「.....気にしないで」
そんな会話をしながら彼らは歩いていく。
「.....あ、まって」
「どうした?」
「写真、撮ろ?」
そう言ってイーナはハートの鐘の下。恋愛成就のパワースポットの前に立つ。次いで統次もそこに立ち、あらかじめ設定されていたシャッターが切られた。
撮影された写真は、夕日をバックに微笑む幸せそうな一枚だった。
ちなみに、ファストフード店でノーデスとあったのはまた別の話。