クイズノイター襲撃の次の日。いつかの何かで、統次の学校は振替休日となっていた。
そういえば丸一日家に帰ってないな。統次はそう思い、両親にとりあえず友達の家に泊まることを連絡だけしたことを確認すると、家の扉を開けた。
「統次殿ぉぉぉぉぉぉ!!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!」
その瞬間、大正が飛びついてきた。
「どこ行ってたてござる!?心配したでござるよ!?」
「ごめんごめん。帰りに事故ちゃってさ。そのままイーナの家に泊まってきたんだ」
「せめて一言くらい連絡して欲しいでござる」
まるで母のようなことを言う大正。その言葉は統次のことを本気で心配していたことが伝わってくる。
「フィリュテ殿やご両親も大変心配そうにしてたでござるよ?」
ご両親はそこまで慌ててなかった様子でござるが。
「まあ、母さんたちには連絡入れてたし」
「某には一報も…」
「俺大正の連絡先知らない」
そういえばそうだったと言うふうに、彼はポンと手を叩く。
「まあまあそんなことより、フィリュテ殿も待っておられるでござるよ」
そう言って大正は統次を玄関へ押し込んだ。
そこで待ち構えていたのはフィリュテだった。話をすればなんとやらということか。
しかしこれまでの彼女とは違うところが一つあった。
「ただいま....って、フィリュテ...お前!!」
そう、バニーを着ていたのだ。
「どうだろうか?貴殿の部屋にあった物を勝手に借りてみたが.....」
「おお!全然いい!めっちゃ似合ってる!さすがだ!ちょうかわいい!最高!」
「そ、そうか....。嬉しいぞ」
フィリュテはすこし引き気味になりながらも素直に気持ちを伝える。事実として、フィリュテのバニーはとんでもなく似合っていた。
黒い光沢感のあるラバー素材のバニースーツは彼女のしっかりとしたスタイルを引き立て、魅惑そのものとかしていた。艶めかしい彼女の脚は、そのスーツ本体の黒さとのコントラストから、蠱惑的なまでの白さがよりきらめきを増す。赤い特徴的な髪の毛すらも、黒という圧倒的な濃さをほこる色すらも調和してしまい、ウサギの耳と一体化するかのような美麗さだ。
全体も美しい。黒さの光沢とスタイルのよさ、そして天まで届く勢いでピンと伸びたうさみみの全体の調和は完璧ながらも不完全、更に進化の余地があるという一種の恐怖すらあり、この美しさはまだ美しくなるのかそのような恐怖と楽しみが混在しているのだ。
「とにかく、おかえりなさい」
「ああ。ただいま」
彼女は微笑みながらそういう。それに対して、統次もただいまと笑顔で返すのだった。
「デートのやり直し....か」
その晩。統次のスマホには、イーナからの一つのメッセージが届いていた。
いつもと変わらぬ背景に、彼女が一生懸命考えたであろう一文が。
『今度、またデートしよう』
可愛らしいお願いとも言えるその一言。それだけに彼女が勇気を振り絞ったのかがわかる。
「断る理由はないな!」
それとは逆に、統次は即座に返答を返すのだ。
『もちろん!』
画して、彼らの二度目のデートは決まったのだった。
▽
声すらも宇宙に響き渡りそうなまでの晴天。空いっぱいの青は、彼女らの動向を見守るかのように少量の雲を動かす。
「待たせたな!」
「.....待ってないよ。いま来たところ」
嘘である。イーナは楽しみすぎて三時間前には待ち合わせ場所で待ち合わせをしていた。
「....きれいだな」
「え?」
「いや、その格好」
イーナの格好は白いワンピース。どこまでも透き通るような白は、彼女を構成する白い色素と混ざり合うように冷たく、清楚で温かい。
波打ち際を思わせるような彼女は、すべての行動がまるで映画のワンシーンを切り取ったかのように美しい。
「.....悩んだ甲斐があった」
「似合ってるよ」
「.....ふふっ。じゃあ行こう?」
「ああ!遊園地だっけか?」
「うん。チケットが余ってたんだ」
ちなみにこれも嘘である。一週間前から誘おうと準備していたものだ。一度は勇気が持てずにアーケードでのデートとなってしまったが。
今度こそはということで、彼女のささやかな願いは叶えられたのだ。
遊園地。それはいっときの夢を提供する場所。まるでおとぎ話のごときその場所は、やはり楽しく上機嫌だ。
「おぉー!でっけえくま!」
「.....それはペンギンだよ」
出迎えのふくよかな体をしたコウテイペンギンのマスコットに興奮する統次。残念ながら彼はそれをくまと間違えたようだが。
「.....どのアトラクションに乗る?」
彼らは早々に計画を立てる。
「メリーゴーランドとかどう?」
「....いいね。相乗り、しよ?」
イーナがその特徴的なギザ歯を見せて笑う。
場所はかわりメリーゴーランドへ。
ファンシーな馬が闊歩する魔境は今日も元気に回っている。
「どの馬にする?白か、黒か.....青ってのもあるな...あとは土留色....土留色!?」
「....白がいいな」
土留色に驚く中、イーナが彼の手を引っ張り馬に乗る。
姿勢はもちろんイーナが統次に抱きしめられる形だ。
「....なんだか安心するね」
「それじゃあ回りまーす!!」
スタッフの声とともにメリーゴーランドは回りだす。
ゆっくりと回る出すそれは景色をきれいにかき回す。カラフルな遊園地内をパレットのようにかき回すその体験は、なかなかに楽しいものだ。
「....おもしろいね。宇宙ではこんなものなかった」
「宇宙にも遊園地があるのか?」
「....ないよ。みんな効率だけを求めて、娯楽なんてものは一切ない」
「味気ないな」
「....だから私は、ここが楽しい」
景色を見ていると、高速で横切るなにかが見えた。
統次が目を凝らす。
あれは!?土留色!?
高速に回る馬。それは土留色の馬だった。
速い、速すぎる。ただ一頭だけここをG1会場だとでも勘違いしたのか。
「....メリーゴーランドの世界も広いなぁ」
「.....?」
「次はどうする?」
「....お化け屋敷、とか?」
いいね!と、統次は承諾し、イーナと歩く。
腕を組み上機嫌で歩く二人組は、遊園地の浮ついた雰囲気も相まってカップルのようだ。
それはそうとお化け屋敷へ。
「あ、彼氏さんですか?」
イーナと一緒にお化け屋敷へ。受付について早々に、スタッフから話しかけられる統次。
「俺ですか?」
「ええ!ここのお化け屋敷は彼女さんとの仲が深まるって評判ですから!楽しんでくださいね!」
「え、いや俺は彼氏じゃ....」
「いってらっしゃーい!!」
反論するまもなくお化け屋敷に押し込まれる。
おどろおどろしい空間は暗く、怖いよりも足元が危険だという感覚を統次は持った。
「進もうぜ」
「....う、うん」
しかしそれとは対照的にイーナは少し震えていた。
暗い中進んでいくと突然わっと目の前の死体が動き出した。
「....ぴゃあ」
ぎゅっと統次の袖を握る力が強くなり、くたっと崩れ落ちそうになっていた。
「あ、おい!」
先の一撃でイーナはノックアウトされてしまったようだ。
統次がイーナを横抱き、いわゆるお姫様だっこの形でお化け屋敷を突破することで事なきを得たのだった。
「大丈夫か?」
「.....統次」
「俺の膝ですまんが、硬いものを枕にするよりはいいだろ?」
「うん。何より嬉しい」
「そ、そうか?ならいいけど....」
イーナが目を覚ます。
「じゃあ、ちょっとアイス買ってくるから...、待ってて」
統次は指を指し、ソフトクリームを買いに走っていく。
一人残されたイーナは顔を密かに赤くするのだった。
「買ってきたよ」
統次は両手にうずまきを抱え、戻ってきた。
「ありがとう」
「どっちがいい?チョコか、バニラか」
「....チョコ」
チョコを手渡し隣に腰掛ける。
「.....ねえ、なんで統次は私に声をかけてくれたの?」
「...なんでだろうな」
「え?」
思いがけない答えに驚くイーナ。賑やかな遊園地内が静かに思えてくる。
「わかんないや。でも、一緒にいたら楽しそうだなって思ったのは確かだな」
「....てっきりバニーが似合いそうだからなのかと思った」
「バニーはすべての生きとし生けるもの、いや、俺の前にあるもの全てに似合うぜ」
「そうなの?」
「ああ!」
爽やかに笑う統次に、イーナはどきりとする。
そうだった。私はこの笑顔を好きなったんだ。
この笑顔が好きで、彼と話していくうちに、優しさと、熱意に惹かれて。
「ふふっ」
「....?俺の顔になんかついてんのか?」
「.....はい。あーん」
統次の口にチョコアイスを押し付ける。
「むぐっ。ん!うまい」
「.....チョコ付いてるよ」
ぺろりと、彼の唇についたチョコの残滓を舐め取るイーナ。彼女のファーストキスは、マッチポンプにより成り立った。
「ふふっ」
彼女のギザ歯が見える笑顔に、統次はドキリとするのだった。
▽
たのしさの残響も、楽しみながら帰路へつくイーナ。
「.....何回も抱きついちゃった」
統次へのボディタッチを思い出し、にやけてしまう。
そして最後の....。
彼女の頭が嬉しさでいっぱいになる。その時だった。銀色の円盤が現れたのは。
「.....嘘」
一瞬にして絶望に染まる顔。
そのまま、彼女はアブダクションされていったのだ。
▽
「うーん。楽しかった」
楽しさの残響すらも楽しみながらたどる帰路。
「....ラッヴァード。ここで貴様の力を...」
「お!ノーデス!昨日ぶりだな!」
「え?ああ。そうだな。とにかく、その力を....」
「土産やるよ」
現れた白髪の男、ノーデスが現れるも、統次はマイペースに対応する。
「なに?もらっておこう」
彼は統次の手からうさみみのカチューシャを受けとり頭に装着する。
なかなかに似合っている。
「おー!統次殿!帰りでござるか?」
次に現れたのは大正だ。きっと散歩帰りだろう。ラフな和服で歩いてくる。
「そちらの方は?」
「ノーデス」
「ノーデスだ」
「ノーデス殿....。某は大正と申すもの。この出会いもなにかの縁。ぜひお見知りおきを....」
丁寧に挨拶する大正。
なんだかんだでノーデスも挨拶する。変に律儀だ。
「じゃあ、やるか?」
「ふっ....もちろんだ」
「もうそろそろ教えてくれよ...その闇ってやつを」
「闇は闇だ...。いくぞっ」
「はっ!?」
頭に響くなにかの警鐘。
そして鮮明になるイメージ。それはイーナが誘拐されたというメッセージ。彼の第六感は、バニーの危機をまっすぐに伝えた。
「どうした?」
「イーナが誘拐された」
「何!?」
「ほんとでござるか!?」
「ああ。俺の第六感がビンビンに告げてんだ。イーナ、そしてバニーの危機だってな」
「信じていいのか?」
『悪くはないだろう。すでに統次には我の力の多くを譲渡している。我の力が今覚醒したとしても不思議ではない』
「....なるほど」
逆方向を向く統次。
「いくのか?」
「ああ」
「仕方ない。俺もついていこう」
「某もいくでござるよ」
ノーデスたちが同行の意を示す。
『ならば我も新たな力を披露しようではないか!バイクモード!!!』
ラーグの体が、変形していき赤いメカニカルなバイクとなった。
『乗れ!我は速いぞ?』
「どう見たって座席が足りない気がするんだが」
『我の羽が捕まえよう』
「....そういうことか」
彼らはじゃんけんで座席を決めた。
「結局俺はここか.....」
「.....」
ノーデスと統次は翼に捕まえられ、市中引き回しの格好のように運ばれることなった。
ハンドルを握るのは大正だ。
「いくでござるよ!」
『ナビは頼んだ!』
「できたらな!」
「うおおおおおおお!!死ぬウウウウウウ!!!」
『次はどっちだ!』
「みぎぃぃいぃぃ!!!」
バイクもとい市中引き回し。ノーデスは腕を組みながらプランプラント揺れている。別に気絶しているわけではないようだ。
「あれでござるね!」
『トップスピードだ』
豪快な絶叫アトラクションを体験したまま銀の円盤に突入する。
「ふむ。たしか彼女は宇宙人....。ならば犯人は宇宙人といったところか」
「なんでそんなに冷静なんだよ!」
円盤の中で待ち構えるはロボット軍団。どうやら侵入者はすでに発見されていたらしい。
「はぁ....はぁ...これは、ジョージ・アダムスキーが提唱したアダムスキー型UFOか」
「なぜそんなに詳しいんだ。まあいい。とにかく、さっさとここは切り抜けるか。ラッヴァード、彼女の居場所はわかるか?」
「わかるぜ!バニーの声が聞こえるんだ」
「ならば、ここは俺達に任せてゆけ!彼女はお前を待っている!」
『ノーデス!ノーデス!ノーデス!フハハハハ.....!!!』
ノーデスは変身し、交戦を始める。
『統次!乗れ!』
「おう!」
「いったか....」
統次を見送り、敵に向き直る。
「一気に決めよう....!ちょうどいい、贄はこれだ!」
鎌で同位核保存庫と書かれたタンクのようなものを壊し、仲の何かを吸収した。
「はぁ....!!」
『ノーデスシャドウクラッシャー!!!』
紫のエフェクトが銀のロボを覆い狩り尽くした!。
「おお!いいでござるね!それ!某も....!!」
大正も、残っていたタンクを破壊し、弾丸に力を込める!
「大正スペシャル!!バーン!!!」
弾丸はすべてを打ち抜き、爆発した。
▽
「いたい!いたい....」
「時期に回復します」
イーナは近未来てきな部屋で拘束され、実験という名の拷問を受けていた。
宇宙人として、人形になった彼女の存在は他の宇宙人にとっては珍しいサンプルであり、彼女にできるすべての実験を施していたのだ。
「ああああ!!!」
「心臓摘出完了。脳波占領ペースは依然振るわず」
彼女の身体からさまざまな臓器が取り出され、代わりと言わんばかりに機械が詰め込まれていく。
「ペースが悪いですね。交配実験に移りましょうか」
「いや!やめて!」
「あなたは我々と同じ、なにをためらう必要があるのです」
人の形をしていない生命体は彼女に顔を近づけ、そういった。あの間にも、彼女の身体に融合を始めていた機械は無情にも引きちぎられ、本来の臓器が詰め込まれる。
「遺伝子の用意はできました。注入しましょう」
「いや...いやだ...それだけは....」
尊厳。少女の夢すらも打ち砕く絶望が始まろうとする。
その時だった。音が聞こえたのは。
それは嘶きか。いや違う、バイクだ。
「うおりゃぁぁぁぁ!!!!」
バイクモードのラーグ。それに乗り、乗り込んできたのは統次だ。
「なんです」
「助けに来たぜ!イーナ!」
「.....統次」
統次が彼女の姿を見ると、こういった。
「裸じゃねえか!これしかないや、まあ、着とけ!」
そう言って投げられたのはバニースーツ。彼女はそれを慣れた手つきで着、統次の後ろに隠れた。
「あんたか?イーナを連れ去ったのは」
「回収しただけです」
悪びれず答える生命体。
「あんた、名前は?」
「なまえはありません。強いて言うならベーダでしょうか」
「そうか....。ベーダ、とりあえずてめえをぶん殴る!」
『キコナシアップ!跳ねるぜバニー!魅せるぜラヴィット!!ラッヴァード!!!』
ラッヴァードへ変身。
その勢いで殴りかかるが、ベーダには通じない。避けられたのだ。
「その程度の攻撃予想できます。やはりあなたがたは下等生物。弱い」
「がぁ!?」
壁に打ち付けられるラッヴァード。
「さあ、返してもらいましょうか。我々のサンプルを」
「返すだ?イーナはお前のもんじゃない....!イーナはイーナだ!誰の物でもねえんだよ!」
よれよれと立ち上がり、かばうように立つ。
「無駄です」
「ぐぁぁぁ!!」
きっと、俺の速さが追いついてないんだ...。もっと、速く、もっと強く.....。
そうだ!
「見えた!最強のバニー!!」
ベーダの腕がイーナに伸びる。その時だった、新幹線が稲妻のような速さで突進してきたのだ!
「なに!?」
「形勢逆転だ!」
『キコナシクイック!!超!速い!超!クイック!超!スピード!!ロリットバニー!!!』
ラッヴァードの姿は、ブースターを追加装甲として強化されたような姿へアップグレードされていく、そして、頭部のうさぎのみみは根本に稲妻のような意匠が追加された。
「なんですその姿は」
「お前に打ち勝つ姿だ!」
瞬間。姿が消える。
音も、景色も置き去りにし、ラッヴァードはベーダに拳を食らわせる!
「予測、できない!?」
「速いからな!」
一本の赤い残像だけが残り、それが消えるころには深い一撃が。圧倒的なスピードによる連撃は、ベーダを追い詰めていった!
「くそっ!彼女を吸収すれば.....なに!?できない!?まさか同位核タンクがすべて....」
「決めるぜ!」
『ベリーチャージ!!』
赤い稲妻が湧き上がる。これまでとは一線を画す圧倒的なスピードは、その限界をその一撃に乗せる。
すべてを置き去りにした、一撃が、ベーダを貫いた!
『ロリットラッヴァーニッシュ!!!』
超スピードの蹴りを受け、円盤は爆発を始めた。
「やべえ!逃げるぞ!」
「う、うん!」
▽
「終わったか.....」
円盤から脱出したあと、彼らが空を眺めていると、円盤が急に動き出した!
「な、なんでござるか!?」
円盤は妙な光を出し、怒涛の勢いでバニースーツ、地面などを吸い込み始めたのだ!
「....まさか!」
「どうした?」
生還していた統次は、何かに気づいたようなノーデスの声に反応する。
「バニーを選んで吸い込んでいる...!」
「なに!?」
そう、あの光は、バニーに関するものだけを選んで吸い込んでいるのだ。
地面やバニースーツ。果にはただの毛まで、見境なしにバニーを吸い込むそれは、輪のようなものを形成していく。
「そうはさせねえ!」
「どこにいくのでござるか!?」
「止めるんだよ!」
「....え!?」
「安心しろ!夕飯までにはかえってくる!」
「えちょっと!!」
ラッヴァードはそのバニーを吸い込む穴へ飛び込んでいった。
「ここは.....」
緑の草原。
のどかとも言えるその景色には、さきほど雌雄を決したはずのベーダがいた。
「お前は....」
「邪魔ですね....。このまま吸込まれ消滅してください」
「どうしてこんなことを!」
「貴方と戦ってわかったんですよ。バニーというのはあなた達のような下等生物にはもったいない。ならば我々が有効活用しようと思ってね」
怒髪天に達するのがわかった。
「バニーは奪われるもんじゃねえ!誰にふさわしいとかそんもんじゃねえんだよ!」
「いえ、これは我々にものです。証拠に、ほら」
「ふんっ」
「なに!?」
ベーダの拳は、同じバニーの力を持つラッヴァードに通じない。
愛が違うのだ。
「バニーは...!誰にも奪えやしない!お前が今奪ったっていうんなら....俺が奪い返す!!!」
『ラヴィットチャージ!!!』
ラッヴァードの足元にバニーの紋章が浮かび上がり、同じようにベーダの身体にも浮かび、ヤツを拘束した!。
「はぁ.....!!!」
バニーの紋章がラッヴァードに力を与える。
「セイヤァッ!!!!」
『ラッヴァーニッシュ!!!』
「ぐぁぁぁぁ!!!」
鮮やかな飛び蹴りは、バニーの紋章とともに、ベーダを撃ち抜いた!!!
そうして、その空間、ベーダはともに爆散したのだった。
▽
「.....へえやるじゃん」
フードの男が円盤を見る。
その声はどこか楽しそうだ。
「龍神をここまでひきだすなんて、あいつに教えてよかったなぁ....」
彼は笑いながら何処かに去った。
▽
「統次!」
「統次殿!!」
「ラッヴァード!!」
バニーが変換される中、降りてくる統次。
その場に居た全員が彼の名を呼ぶ中、変身を解いた統次は優しく笑うとサムズアップする。
その姿を見て、彼らは安堵したのだ。
「大丈夫だった....ろ....」
しかしそんな安堵は長く続かない。
バタンと彼は言葉をすべて言うことなく倒れたのだった。
「統次!」
彼に彼女らの声はとどかなかった。