The Cold War in High School Fleet world 作:BF109.Fw190
2014年3月15日明朝
ハワイ・真珠湾
この日、大日本帝國海軍ハワイ基地では1週間前に入港していた第二艦隊の全艦が出港を始めていた。
コンコン
「入ります」
扉を開けて海軍戦闘服に大佐の階級章をつけた男、佐藤義政海軍大佐が入室してくる。
「長官、艦隊全艦出港まで30分ほどです」
「ご苦労」
「ハッ!」
男は敬礼をして退室した。
誰もいない部屋で佐藤大佐と同じ海軍戦闘服に中将の階級章をつけた男、山口良樹海軍中将は独りつぶやく。
「異世界か…この世界と歩んだ歴史が違うだけで、ファンタジーな世界ではないようだが…楽しみだな」
(急に任務だと揚陸艦に乗せられたら異世界への派遣とはね…)
太平洋をミッドウェー沖に向け航行中の第二艦隊遠征部隊旗艦の強襲揚陸艦『硫黄島』の艦内、陸戦隊兵員区画の1番奥、他の兵員室とは隔離された部屋の中で、中嶋航平陸軍中尉は考える。
「しっかし、奴らいつの間に時空移動の技術を手に入れてたんですかね?」
机を挟んで向かい側に座っている西本喜一陸軍准尉が疑問を投げかけた。
「さあな。だが、情報によるとかなり向こうの世界に浸透しているようだから、我が国が時空移動技術を開発するより前から手に入れてた可能性が高い」
「そうなるとやはり…」
「ああ、裏にソ連…おそらくKGBがいるだろうな」
(まったく…なんで異世界にまで勢力を広げるかね…)
そんな部下たちの会話を聞きながら
2014年3月15日午前
ハワイ王国・ニイハウ島
ブルーマーメイド本部
「…………次の議題は最近オホーツク海や北極海で確認されている正体不明の武装集団についてです。ロシア支部の方、何か分かっていることはありますか?」
「我々ロシア支部も現在情報を集めているのですが、めぼしい情報は手に入っていません。分かっているのは、海賊行為を働いてるわけではないことと、拠点がシベリアかアラスカの何処かにあるということだけです」
「ありがとうございます。他にその集団について情報がある方は報告をお願いします………無いようなのでこれで会議を終了します」
会議室を出ながら会議に参加していた日本支部代表の宗谷真霜二等保安監督官は、最後の議題に上がった謎の集団について考えていた。
(北の海で活動が確認されている武装集団…日本にも影響が出かねないわね。今度平賀と福内に調査に行ってもらおうかしら)
1週間後
2014年3月22日午後
横須賀・ブルーマーメイド日本支部
安全監督室情報調査室
ハワイから横須賀の日本支部に戻った真霜は自分のデスクでハワイへの出張の間に溜まっていた仕事を片付けていると1枚の書類に目が止まった。
{日本国内における反社会的勢力の活動減少についての報告書}
そこに書かれていたのは、国内で公安や海上安全整備局にマークされている海上暴力団などの活動が下火になっていることと、それらの構成員の不審死が急増していることだった。
(国内も物騒になってきたわね…こっちも調査が必要ね)
そんなことを考えていると
ガチャ
「失礼します!」
突然扉が開いて隊員が慌てた様子で部屋に入ってきて報告した。
「小笠原諸島近海に大日本帝國海軍を名乗る大艦隊が現れ政府とのコンタクトを求めています!」
読んでいただきありがとうございます
登場人物については人物設定をご覧ください。