The Cold War in High School Fleet world 作:BF109.Fw190
2014年3月22日
ブルーマーメイド父島要塞・会議室
「なっ………それは事実なのですか!?」
「はい、我々の調査結果では少なくとも10年以上前からこの世界で活動を開始しているという結論が出ています」
「ありえません!そんなに昔から活動していれば我々ブルーマーメイドや各国の情報機関が気づくはずです」
ブルーマーメイド側はそのような組織の活動はこの世界の誰も認知していないとして否定するが、日本軍側はそれについての説明をする。
「この世界の情報機関にどれほどの情報収集力があるのかは知りませんが、彼らの活動を認知することができないのは仕方ありません」
「なぜそう言い切れるのですか…?」
「では聞きますが、シベリアの奥地や砂漠の太平洋の孤島の様子を常時監視する方法はありますか?」
「いいえ…ありません…」
「彼らの水面下の活動を確認するにはそれくらいの監視が必要なのです。ですが、組織の存在くらいなら認知しているかもしれません」
「!…ちょっと確認してきて」
「了解」
ブルーマーメイドの司令が部下の一人に最近の報告を確認させる。
それと同時に日本軍側も護衛の西本准尉に無線が入り、その内容が山口に伝わると山口は表情を険し、日本軍側の全員の纏う空気に緊張が走った。
「何かありましたか?」
「失礼、緊急事態が発生したようなので、申し訳ありませんが会談を切り上げてもよろしいでしょうか」
「……分かりました。では後日に再度の会談の場を設けましょう」
「寛大なご配慮に感謝します」
そう言って山口以下、日本軍代表は急いで艦隊に戻っていった。
2014年3月22日
ミッドウェー沖
ミッドウェー沖にて『世界の門』の確保および世界間の連絡のために待機中の第二艦隊遠征部隊『占守島』『若月』『霜月』『冬月』『第122号』はミッドウェー島南方約38海里の海域で接近中の10隻の艦隊を補足していた。そして『占守島』CICにて艦長の立石次郎海軍大佐と副長と意見を交わしていた。
「副長、この艦隊をどう思う」
「我々の世界ならば米海軍でしょうが…この世界ならブルーマーメイドでしょうか」
「だろうな、まぁ偵察機の報告が上がればはっきりするだろう」
同時刻、偵察中の六七式艦上偵察機『高雲』操縦士の山浦史郎海軍中尉と偵察員の坂井航輝海軍二等飛行兵曹は正体不明艦隊を目視可能圏内に捉えていた。
「機長、10時の方向に目標艦隊を視認」
「了解。さて、奴さんの面を拝ませてもらおうじゃねぇか。あ、坂井報告頼んだ」
「了解。『こちら山浦機目標を視認。これより詳細を確認する』しかし、どう対応するんでしょうね」
「さあな、お…あの艦影はインディペンデンス級沿海域戦闘艦か」
「報告します」
『こちら山浦機、目標を確認。目標は全てインディペンデンス級沿海域戦闘艦。あっ‼目標発砲、目標が発砲しました!』
「何だと!」
「詳細を報告しろ」
『目標の詳細な把握のために接近した所、目標の艦隊が発砲。こちらに被害はなし。』
「とにかく一度退避するんだ!」
『了解』
「インディペンデンス級沿海域戦闘艦ということはやはり…」
「ああ、十中八九ブルーマーメイドだろうな」
『高雲』は旋回し空域を離脱、その後帰投した。
数時間後、遠征部隊はブルーマーメイド艦隊と目視可能圏内まで接近していた。
「おいでなすったか…」
「艦長、接近中の艦隊から英語で停船命令を送ってきています」
「我々は軍艦でここは公海だ従う必要はない。それに、連中は既にこちらに発砲している」
「ではそのように返答します」
「ああ、頼んだ。…それと戦闘機も発艦させておいてくれ」
一方、正体不明艦隊もといブルーマーメイドニイハウ基地所属艦隊は、ミッドウェー沖を航海中に遠洋漁船から通報があり、通報地点に向けて航行していたが、航行中に謎の飛行物体と接触、これを撃退した後、通報のあった所属不明の艦隊に接近していた。
『こちらは大日本帝國海軍第二艦隊遠征部隊である。そちらの命令は受け入れられない。』
「…大日本帝國海軍は1945年に解体されたんじゃなかったの?」
「そのはずですが…見張り員が確認した軍艦旗は大日本帝國海軍のものと同じである旭日旗でした」
「しかし、海賊が似たものを作って偽装している可能性があります」
「そうね……それを確かめるためにも停船させる必要があります。最終警告を」
『我が艦の前方12海里の艦隊に告ぐ!直ちに停船し、機関を停止しなさい!命令に従わなければ武力行使を行う!』
「どうしますか艦長…」
「向こうの命令を受け入れる理由もなければ義務もない。それどころか軍艦に臨検を行うことは国際法違反だぞ…」
「この世界の国際法ではどうなっているのでしょうか?」
「こちらにも軍艦の不可侵はあるようだが、我々を軍艦として認識していない可能性が高いな。だが、我々は『世界の門』の確保という任務がある」
「では…」
「ああ…任務を放棄するわけにはいかん。ブルーマーメイド艦隊に返答しろ。『そちらの命令に従う法的根拠はない。よってそちらの命令には従うことはできない』とな」
「分かりました」
「よし、総員戦闘配置!それと、こちらからは決して撃つな、後からなにか言われても面倒だからな」
「了解」
日本海軍からの返答を聞いたブルーマーメイド側は予定通り、強制停止を実行しようとしていた。
「総員戦闘配置!これより強制停止を実施する」
『了解』
「主砲、目標艦のスクリューに照準。撃て!」
ボンッ! ボンッ!
「ブルーマーメイド艦隊発砲!照準は『冬月』!着弾します!」
ドォン! ドォン!
『冬月』CIC
「クッ…被害報告!」
「左舷後部に被弾、左舷側スクリュー破損!および少量の浸水発生!」
「ダメージコントロール急げ!」
「了解!」
『占守島』CIC
「『冬月』被弾!速力低下しています!」
「『霜月』を救援に向かわせろ!それと上空の戦闘機に敵艦隊への攻撃を命じろ!」
「了解!」
「それと本隊への緊急連絡!」
『艦隊直掩隊へ各機1発の対艦ミサイルを以て敵艦隊を攻撃せよ』
「了解」
艦隊直掩の七〇式艦上戦闘機『神風』乙型の1個小隊3機から六五式対艦誘導弾が発射され、ブルーマーメイド艦隊へと飛んで行った。
「目標艦速力低下!」
「分かりました…他の4隻にもダメージを与えた後包囲します」
「左舷見張り員より報告!左舷上空より高速飛行物体が多数接近、本艦への直撃コースです!」
ドオォォォォォン
ドオォォォォォン
ドオォォォォォン
「キャァ!」
「被害報告!」
「飛行物体が艦中央に命中!死傷者多数!」
「本艦以外の2隻にも着弾!同様に被害甚大!」
ドガァァァァン
「あぁ!3番艦が轟沈!」
「何ですって!?」
ブルーマーメイド艦隊旗艦の艦橋員は驚愕の眼差しで沈みゆく3番艦を眺めていた。
『占守島』CIC
「航空隊の攻撃が敵艦3隻に着弾!内1隻が轟沈!」
「しまった!沈めてしまったか…仕方ない、受け入れてくれるか分からんが残りの艦隊に降伏勧告を」
「了解」
「敵艦隊から降伏勧告が来ています」
「なっ…降伏ですって!?」
「受け入れられるわけないでしょう!」
「しかし、我々に先程の攻撃に対処する方法は…」
「まだ数はこちらの方が上です残りの7隻で一斉に噴進魚雷で攻撃すればあの艦隊は制圧できます!」
「分かりました…攻撃可能な全艦、噴進魚雷による攻撃開始!」
『占守島』CIC
「敵艦隊からミサイル発射を確認!」
「やはり3隻の被害で降伏はせんか…ミサイル迎撃!」
「ミサイル全弾艦隊前方に着水!これは…!着水したのは魚雷です!方位0-7-0より50ノットで魚雷接近!」
「デコイ発射!面舵40度!」
「敵魚雷、デコイに食いつきました!………本艦の左舷2000mで沈降」
「よし!これより反撃に移る。航空隊、駆逐艦は対艦ミサイルにて敵艦隊への攻撃開始!」
上空に展開している戦闘機、護衛の駆逐艦から対艦ミサイルが次々と発射され、それらは1発も外れることなくブルーマーメイド艦隊に降り注ぎ、艦隊は壊滅。生き残った乗員は日本海軍に救助された。
ここで少し執筆の裏話
今回の話のブルーマーメイド艦隊と日本海軍の戦闘は最後まで入れるかどうか迷ったシーンでした。穏便に接触させたい気持ちと衝突して日本海軍とブルーマーメイドの戦闘を書きたい気持ちがせめぎあった結果両方書くことになりました。