The Cold War in High School Fleet world 作:BF109.Fw190
2014年3月28日
ハワイ・ニイハウ島
「無事についたか…」
ニイハウ本部所属のブルーマーメイド艦隊と交渉し、ハワイ王国への仲介を取り付けた大日本帝國海軍第二艦隊直下部隊と遠征部隊の一部はハワイ・真珠湾外に停泊していた。
「司令、相手側の準備が整ったとのことです」
「分かった」
そう言って山口や千葉といった日本海軍側の代表は迎えのヘリ(『硫黄島』所属で小笠原の時と同じように警護部隊付き)に搭乗し、ブルーマーメイド・ニイハウ本部に向かった。
「ではこれよりハワイ王国と大日本帝國の会談を開始します」
「まずは我々の紹介からさせていただきます。
我々は大日本帝國海軍第二艦隊であり、この世界への先遣隊の命を受けております」
「
「それについてこれから説明いたします」
それから30分ほど時間をかけて異世界のことや『世界の門』について説明した後、本格的な交渉に入った。
「それでは、日本側の要望をお聞かせ願いたい」
「では、単刀直入に申し上げます。我々の要望はミッドウェー島の租借とこれから我々がこの世界の各国と国交を開くときの仲介です」
「「!!!」」
「……仲介については理解しましたが…なぜミッドウェー島を…?」
「我々は現在、帰港する母港も領土もこの世界にはありません。なので、太平洋上の孤島で、かつ無人島であるミッドウェー島を我々の拠点にしたいのです」
「しかし、我が国の領土をそうやすやすと貸し出すわけには…」
「それについては重々承知しています。なので、租借料として年間約7,500,000ドル*1を支払います」
「!……少し時間をいただけますか」
「もちろんです」
「ではこれより、2時間の休憩を取ります」
進行のブルーマーメイド職員が休憩を挿む旨を伝えると、ハワイ側はすぐさま控室に戻り、ミッドウェー島の件について政府との協議を行い、日本側はハワイ側の後から控室に戻っていった。
2時間後、会談が再開され、ハワイ側は日本側からの要望に対する回答をしていた。
「我が国の方針としましてはそちらの要望に答えたいと思っております」
「ありがとうございます」
「では、これから条約文書を作成して、2日後に調印式を行いましょう」
「分かりました」
2014年3月30日
強襲揚陸艦『硫黄島』飛行甲板
大日本帝國、ハワイ王国の代表がそれぞれ文書にサインし、それを交換した。
「では、これからよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
この日本、ハワイ両国の代表がサインした〈日ハ協定〉の大まかな内容は以下のとおりである。
1、大日本帝國、ハワイ王国両国は互いに互いを国家承認する。
2、大日本帝國は可及的速やかにハワイ王国に大使館を開設する。
3、大日本帝國はハワイ王国領のミッドウェー島を無期限で租借する。
4、大日本帝國はミッドウェー島の租借料として年間7,500,000ドルをハワイ王国に支払う。
そして、この協定の締結は『世界の門』の定期連絡で大日本帝國本国に伝えられ、政府は大使館開設の準備を始めるのであった。
それと同時に、ミッドウェー沖に残してきた強襲揚陸艦『占守島』と輸送揚陸艦『宮古島』は部隊をミッドウェー島に上陸させて工兵部隊による拠点構築を始めていた。
2014年3月29日
小笠原諸島
ここで視点を小笠原諸島に移してみる。
この日、大日本帝國第二艦隊機動部隊が日本のブルーマーメイドとの再交渉のために小笠原諸島を訪れていた。
「今回は山口提督ではないのですね」
「はい。長官は今、問題解決のためにハワイで交渉を行っております」
「その問題とは何が起きたのですか?」
「ブルーマーメイドのニイハウ本部所属の艦隊と偶発的な武力衝突が発生したのです」
「!…なぜ?」
「ブルーマーメイド側が我が方の艦隊を海賊と誤認したことが原因ではないかと考えています。この世界では我々の肩書は通用しないようなので…」
「なるほど、事情は理解しました。では、会談を初めましょう」
「よろしくお願いします」
その後、改めて両者が自己紹介し、ブルーマーメイド側が日本政府に大日本帝國について話を通しておくことで合意した。
2014年3月31日
横須賀
小笠原諸島から2日間の航海を経て、機動部隊は横須賀に到達していた。そして、見たこともない艦影の軍艦が突然現れたことで横須賀周辺は少し騒然としていた。
「小笠原からの報告で聞いてはいたけれども…大きいわね…」
「はい、あの飛行船支援教育艦に似た艦は明らかに全長は300m越え、排水量も超大型直接教育艦以上だと思います」
「そして、その艦の甲板に並べられている、鏃のような形の物体と箱の上にプロペラがついている物体…あれは何かしら」
「スキッパーの一種のようにも見えますが、あれが報告にあった飛行物体でしょうか」
未知の艦隊を横須賀の埠頭の一つから眺めながら話している、宗谷真霜二等保安監督官と平賀倫子三等保安監督官の二人の前に件の艦から発進した内火艇が埠頭に接岸し、制服を着た男たちと黄緑色の迷彩服を着た男たちが出てきた。
そして、両者は敬礼し自己紹介をする。
「はじめまして。私は大日本帝國第二艦隊機動部隊司令の高木俊夫海軍少将です」
「こちらこそはじめまして。私はブルーマーメイド安全監督室所属、宗谷真霜二等保安監督官です」
「同じく、平賀倫子三等保安監督官です」
「本日はよろしくお願いします」
「ではこちらへ」
そうして一行は用意された連絡船に乗り、首都の長野に向かった。
「あの…高木少将、1週間ほど前にブルーマーメイドと貴方達の間で戦闘が発生したと聞いたのですが…」
「ええ、私の艦隊ではありませんがミッドウェー沖で衝突したようですね。なので、我々第二艦隊司令長官の山口中将がハワイでその後始末をしているところです」
「では日本政府との交渉は貴方が?」
「いえ、私の役目は本格的な交渉の前の情報交換や内容のすり合わせです」
「それなら、本交渉は山口中将の到着を待ってからになりますね」
「はい、今日の早朝ハワイを出発したとのことだったので、大体3日から4日後には合流できると思います」
「分かりました」
この時、真霜はハワイから来るにしては移動時間が短い気がしたが、詳しく追及はしなかった。
4月3日
東京フロート
この日、東京の迎賓館では極秘に会談が行われていた。
事前に日本政府とコンタクトを取っていた高木少将と山口中将が合流したことで、本格的に日本政府との交渉が始まった。
「あなた達は我が国に何を望むのでしょうか?」
「まずは国交の樹立、我々の活動への協力です。」
「貴国の活動とは?」
「事前の資料に記載されているテロ組織の掃討のための軍事行動です」
「軍事行動ですか……具体的にはどのような協力を求めているのですか?」
「日本国内の港の使用許可、食料・燃料の提供などです。もちろん、食料や燃料の対価は支払います」
「どのくらいの量と期間になりますか?」
「量については一応我々の世界からも補給するのでそちらがどの程度供給できるのかによります。また、期間についてはテロ組織の完全な掃討が完了するまでとなります」
「分かりました、上に報告しておきます」
「ありがとうございます」
その後も、大日本帝國から派遣された外交官も参加して何度か会談を行い、約1か月後に非公開ながらいくつかの協定が締結され、正式に国交が樹立し、異なる歴史を歩んだ2つの世界の日本は交流を始めるのであった。
ちなみに、一介の海軍中将が外交交渉を行うことができている理由は、この派遣軍先遣隊の任務の一つに、はいふり世界の国家と交渉を行い、今後の活動拠点を確保することがあり、それに合わせて先遣隊司令官は特命全権大使を兼任しているからです(日本との国交樹立の時は大日本帝國外務省から正式な大使が派遣されている)。
また、平賀倫子の階級は整合性を取るために変更しました。