ゼンゼロに怪異ぶち込んだらおもろいやろなぁ……せや! 作:カンタレラ
ただし絶対エタる
ずえったいにエタる
オッス! オラ一般通過転生者!
なんか死んだら赤子になっておでれぇたぞ!
数十年経ったあとにホロウっていう災害に巻き込まれて死にそうだぞ!
なんてふざける余裕があれば良いんだが……
「guuuuuu……」
家族が目の前で化物に変わってさあ大変。
現在廊下で前も後ろも化物にがいてさあさあ大変。
うーん……挟み撃ちで詰みってところか。
さてなんでこんな事になったかと言うと、時は少々遡る。
なんか理由も分からず死んで目が覚めたと思ったらなんか俺は赤ん坊になってた。
そんでまあエリー都だのホロウだの聞き覚えのある文言が飛び交ってて”あーゼンゼロの世界か~”なんて呑気に構えてた、が。
ここで重要なこと一つ。
ゼンゼロの世界なんも知らねぇ……
いやね? キャラとか世界観とかは知ってるのよ? 未プレイでもなんか二次創作とか見てたから、ある程度の中身は知っているとも。
とはいえ原作知識でチートかましてやるぜわっほいなんていう真似は逆立ちしても無理無理かたつむりなわけで。
まあそも旧都陥落に巻き込まれてる時点でお察しなわけででして。
巻き込まれて初めてそんな事あったなって思い出したわ。
とまあそんなこんなで転生して、本来無いはずの二度目のチャンスをふいにするのもなーと思い、なんか転生特典あるかもーなんておもって色々やってみたわけだけども。
うーん見事に無かったね。
困ったね、生き残れる気がしないね。死ぬね。
ってか家庭環境終わってるから何も出来なかったわけだけども、それはそうとしてなんにもない!
とまあそんなパソコン版準拠で30行も行かない程度で語れるほどにはうっすい人生を送ってきたわけですが。*1
旧都陥落でホロウ内に取り込まれてさあ大変。
前門のエーテリアス、後門のエーテリアスで終わったわ。*2
前世も碌な人生じゃないし、今生も禄な人生じゃないし。
ああもう本当おFUCKですわよ!
「さて、流石に腕疲れたし、やるとするか」
牽制のために包丁ブンブンしてたけど流石に疲れたので逃げの一手を打つことにする。
ん? 死への恐怖はないのかって? 無いね。
一度死んでわかったが、存外死ぬことも悪くはないってのが一点。
痛いのは痛いだろうが自意識の喪失を経るのも、ぶっちゃけ寝てるのと対して変わらんかった。
事実転生したときも「あ、死にそう、なんか眠いなおやすみー」→「なんかよく寝たぜぇ」な感じだったし。
そして親が毒親かつ友人がいなかったので人間関係に未練がないのが一点。
DVネグレクトヒステリックの役満相手にどうやって情を抱けって言うんですか?
んな親がいたせいで同年代に避けられたんですが?
最後にこんなWelcome to 終末世界! に対して将来の展望がないのが一点。
ゲームのキャラに会えるかもという期待はあれど、そもそこまで知らんから「おーん」程度である。
とまあこんな感じで死への忌避感は無い。
とはいえこんな奴ら*3にぶち殺されるのも腹が立つわけで。
だからといって包丁なんていう貧弱ぅ貧弱ぅな武装でぶち殺せるわけが無いので逃げます。虚狩る戒具くーださい❤*4
意識を耳目に集中させる。
深呼吸をして適度に体から力を抜いていく。
俺が動かないと見るや襲いかかるエーテリアス共。
その初動を潰すため、だらりとぶら下がった腕を振り上げるようにして包丁を投げ、それ同時に玄関の方向に居るエーテリアスに向かって走る。
包丁がちょうど顔面に当たったらしく前のエーテリアスが意識を逸らした。
股下をくぐるようにスライディングし、後ろから襲いかかってくるエーテリアスを前のやつにぶつける。
廊下という閉所のためか避ける方法など無く、後ろで衝突する音が聞こえた。
玄関を抜け、そのまま走る。
「ハッハー! てめぇらにくれてやる命はないんだよ雑魚どもが!」
精神が高揚していくのがわかる。
ぶっちゃけそも成功するとは思わなんだ。
投擲の心得なんて無いしスライディングなんて一切やったこと無いし。
そもエーテリアスどもが衝突するかも賭けだった。
なんかあれだよ、某神話生物TRPGでクリティカルを連続で出した気分だ。ドーパミンがドパドパでてくる。上手すぎて、馬になったわね……
「ふっはは! やったぜ!!」
とまあこんな精神の高揚に任せて大声だしてたらまあ奴らが寄って来る訳で。
瓦礫の影からぞろぞろとエーテリアスが出てくる。
やっちまったぜ!!
「うわ~ん! エーテリアスが多すぎます!!」
肉体的に余裕はないが精神的には余裕があるためふざけながら走る。が、子どもの走力で逃げ切れるわけもなく……
背後にいた一体のエーテリアスが俺の肉体を引き裂いた。
どうにか回避しようともがくが避けきれない。
アドレナリンが出ているのか、さっきから溢れて止まらないドーパミンの影響なのか、痛いは痛いが我慢できる程度だ。
だが引き裂かれるたびに血が流れていき、徐々に寒くなってくる。
「ああ……寒いな……本当に寒、い……」
エーテリアスに囲まれてる中で痛みよりも、恐怖よりも、ただただ寒さが辛い。
やがて体は動かなくなり、その場に倒れ伏す。
視界は霞み、思考力も落ちていく。
「さ、む……い……」
視野の輪郭が徐々に暗くなっていき、最終的にはその意識を途切れさせた。
~一般転生者 享年10と余年~
「死んだぜ!」
ん~なになに?
この? 私が? シリアスなんかで満足できるわけねぇだろうがおい!
とまあ死んだわけだけども、なんか意識はっきりしとるな。
…………
すまーんなんか死後の世界あるっぽいわ! 単純に転生したから死後の世界渡らなかっただけでしたわ!
なーにが寝てるのと変わらんかった(キリッ)だ。すっごいはずかしいかも~。
いやまあこれが死後の世界だと確定させる情報は無いわけだけども。
んまあ、謝るのは早いに越したことはないからね。とりあえず謝っとけ、これ社会人になると便利になるスキルね。
さて、多分おそらく十中八九死んだわけだが。
なんか暗いな、普通に寒いし。
とりま自分が人魂なのか人型なのかしらんけど、まあなんか歩けば進めてるっぽいし、探索してみましょー。
…………んお?
歩き始めて何分だったか、何時間だったか、はたまた数日かもしれんが進む先になんかあるのがわかる。
近づいてみれば、それは交差するように地面に突き刺さった刀と鞘だった。
……なんで???
いやっ、うーん……ええっと……えっなんで?????
あ、なるほど! 俺はしらんけどゼンゼロの世界に死後の世界があって、そこでしか手に入らない虚狩る戒具ってやつなのね~。*5しらんけど。
いやー良かった良かった変化があって、代わり映えなさすぎて時間感覚狂うわこれ。後暇。
とまあそんなことは置いといて、まず外観から……ふむふむ、誂えとしてはシンプルな白鞘でしか無いが薄紅色の刀身がかっちょえ~。おほ^~厨二心がくすぐられますわ~。
……いやまてよ? これもしかしたら黄泉の国の天岩戸的な役割があるんじゃなかろうか。
だからといって永遠とここをフラフラしてるだけじゃ進展ないしな、いっちょ引き抜いたるか!
さぁて鬼が出るか蛇が出るか、まあ考えた通りなら黄泉醜女みたいなやつだろうが。
ってことでずぼっとな。
引き抜いた瞬間、そこを起点に色と光が世界を作り出す。
一面に広がる彼岸花。眼の前には一本の川。川岸には積み上げられた石が点在している。
「なーるほどー……三途の川に賽の河原ってわけね」
いやまあ確かに親は化物になったが一応生きているし、先に死んだ俺は親不孝判定食らってもしゃーないだろうが……いやこれホロウ災害食らった人間、結構な割合で親不孝判定もらわねぇか?
「しかしまあ、なんだ。お前を倒せば次に進めるっていう認識で良いんだな?」
背後に立つ、獄卒に語りかける。
なぜわかったのかなんて、感覚でそう感じ取ったからとしか言いようがない。
次がなんなのかもわからないし、進んだ先がどうなるかもわからない。
「赤い肌に額の角、それに金棒ときたもんだ。ずいぶんとらしいじゃないか、なあ?」
そういや原作キャラに鬼族がいたよな……なんだったか、見れば思い出すんだがな。
まあ今はそんなことはどうでもよくって、コイツに集中せねば。
俺と獄卒、両者が己の獲物を構える。
とはいえ、使い方なんぞわからんので、上段に構えて力の限り振り下ろす。
それ即ち―――
「チェストオオオオオオオ!!!!!」
あっ無理
創作意欲はとめられねんだ