ATUIOMOI 改 キャプテン編   作:ウッチー39号

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第20話 準決勝

今日は準決勝の日

 

 

 

今日の相手は隅田中だ

 

 

 

隅田中は二年生エースの松川と四番キャッチャーの倉橋を中心としたチームである

 

 

 

エースの松川は防御率1、50を誇っている

 

 

 

四番倉橋は打率五割五分で中学地区予選の首位打者である。

 

 

 

我らが谷口も五割五分で倉橋と首位打者を争っている

 

 

 

「みんな、今日勝てば青葉との決勝戦だ。絶対勝つぞ」

 

 

 

「おー」

 

 

 

「まずピッチャーの松川だが、青葉のピッチャーよりは劣る。特訓を思い出せば打てない球じゃない。バットを短く持って合わせていこう。

四番の倉橋を押さえるのは厳しい。

 

 

 

 

 

 

 

三塁打までは打たれても仕方ない。ホームランを打たれないようにしよう。」

 

 

 

「はい」

 

 

 

「それじゃ今日のスターティングメンバーを発表する」

 

 

 

一番、ライト、島田

二番、センター、隆志

三番、セカンド、五十嵐

四番、サード、谷口

五番、キャッチャー、小山

六番、ファースト、加藤

七番、ショート、西田

八番、ピッチャー、松下

九番、レフト、遠藤

以上だ」

 

 

 

「(二番の仕事を確実にこなすぞ)」

 

 

 

「隆志、緊張せずに頑張っていこうぜ」

 

 

 

「はい」

 

 

 

「隆志が出塁しろよ。オレとキャプテンで返してやるからな」

 

 

 

「ああ」

 

 

 

「集合!これから墨谷二中対隅田中の試合を始める。両チームともフェアプレイを心がけるように」

 

 

 

「よろしくお願いします」

 

 

 

「キャプテンは残るように」

 

 

 

谷口と倉橋が残る

 

 

 

「じゃあ、じゃんけんで先後攻を決める」

 

 

 

じゃんけんは倉橋が勝った

 

 

「じゃあ先攻をもらいます」

 

 

 

「今日はよろしく」

 

 

 

「よろしく」

 

 

 

「隅田中の先攻。一番バッターラップ」

 

 

 

隅田中の一番バッターがバッターボックスに入る。

 

 

 

墨谷二中が守備につく

 

 

 

「しまっていこうぜ」

谷口の声が響く

 

 

 

「「おー」」

 

 

 

一番の荻田がバッターボックスに入る

 

 

 

倉橋にはおとるが打率が四割を越えている

 

 

 

後は三番の喜久田、五番の長谷も四割を越えている。

 

 

この四人は隅田中四天王と呼ばれている

 

 

 

二番の牡鹿はバント成功率八割を誇っている。

 

 

 

「プレイ」

 

 

 

「(いきなり隅田中四天王か。コースをついていこう)」

 

 

 

松下が投げた

 

 

 

アウトコースギリギリのところ

 

 

 

「(いいコースだが、スピードがないな)」

 

 

 

カキーン

軽く流した。

 

 

打球は内野の頭を越える

 

 

「キャプテン、お願いします」

 

 

 

「任せろ松下」

 

 

 

谷口が懸命に後退し、大ジャンプ

 

 

 

パシッ

 

 

 

「アウト」

 

 

 

続いて、二番の牡鹿が意表をついたセーフティバント

 

 

 

絶妙なバント

ボールは上手くライン上に転がる。切れそうだが

 

 

 

「(切れるはずがない)」

 

 

 

谷口が猛ダッシュでさばいてツーアウト

 

 

 

「(やっぱりキャプテンの谷口はすごい)」

倉橋は感じていた

 

 

三番の喜久田がバッターボックスに入る

 

 

 

「タイム、喜久田」

 

 

 

「なんだ?倉橋」

 

 

 

「おそらく初球はカーブから入ってくる。やつの球はかなり軽いはずだ、ましてや変化球なら尚更な。初球を叩け」

 

 

 

「おう」

 

 

 

「(ここからはクリーンナップだ。初球はカーブでいこう。)」

 

 

 

「(倉橋の読み通り。流石名キャッチャー)

カキィーーーン

 

 

 

バックスクリーンへ

 

 

 

「隆志」

 

 

 

「はい」

 

 

 

隆志はフェンスに張り付いている

 

 

 

隆志がジャンプした。谷口のジャンプを遥かに凌ぐ大ジャンプ

 

 

 

パシッ

 

 

 

「アウト」

 

 

 

これには、流石の隅田ナインも驚いている

 

 

 

無理もない。ホームランをただのセンターフライになったのだから。

 

 

 

「(ま、バスケ部だからな。このくらいは跳べるかな。マリナとの特訓もあったからな。それにハンドボールではキーパーだったからなバックスクリーンはオレのゴールだ)」

 

 

 

墨谷二中は何とか一回の攻撃を0点におさえた

 

 

 

「島田、ちょっと来い」

 

 

 

谷口が島田を呼ぶ

 

 

 

「島田、今回は左打席に入れ」

 

 

 

「分かりました」

 

 

 

「左の方が一塁に近いからな。お前には足がある。転がったら走れ」

 

 

 

島田がバッターボックスに入る

 

 

 

松倉が第一球を投げる

 

 

 

「速い」

 

 

 

「ストライク」

 

 

 

「バットを降らなきゃ当たらないよ」

倉橋が後ろから審判に聞こえないように囁く

 

 

「ばかにしやがって」

 

 

第二球を投げた

 

 

 

ブン

 

 

 

島田はからぶった

 

 

 

「ストライクツー」

 

 

 

「島田、振りがでかいぞ。バットを短く持ってコンパクトに」

 

 

 

「すみません」

 

 

 

島田がバットを短く持った

 

 

「(コンパクトにコンパクトに)」

 

 

 

「バットを短く持つのは良いけど、あんたじゃ腹がつっかえてボールじゃなくて、腹に当たるんじゃないの?」

 

 

 

「この(審判に聞こえないように上手くいいやがって)」

 

 

 

「(今のコイツにストライクはいらない)」

 

 

 

「はい」

 

 

 

松川が投げた

 

 

 

高めの釣り球だった。

しかし、島田は降ってしまって三振

 

 

 

「ストライクバッターアウト」

 

 

 

二番の隆志が左打席に入る

 

 

「さっきはすごいジャンプだったね」

 

 

 

「(これが噂の囁き戦術ってやつか。気にしない気にしない。集中集中。初球は見ていこう)」

 

 

 

「(とりあえずアウトコースギリギリのところで様子見だ)」

 

 

 

「はい」

 

 

 

松川が投げた

 

 

 

「(アウトコースギリギリのいいコースだ)」

 

 

 

「ストライク」

 

 

 

「(球筋を見てきたな。それにしてもすごい集中力だな)あんた、野球より、バスケの方があってるんじゃないの。そっちの方がセンスありそうだし」

 

 

 

ピクッ

隆志が反応する

 

 

 

「(オレは、オレは)」

隆志が慌ててる間に三振。

 

 

隆志がベンチに帰る

 

 

 

「隆志、どうしたんだ?」

 

 

 

「すみません」

 

 

 

「隆志。お前も何か言われたのか?」

 

 

 

「大したことじゃありませんよ。僕の集中力不足です」

 

 

 

三番の五十嵐が入る

 

 

 

「やけにちっちゃい三番だな。小学生かと思ったぜ」

 

 

 

「(こんの。言わせておけば)ホームラン打ってやる」

 

 

 

五十嵐は力みすぎてボールにあたらない

 

 

 

「小学生って言ったことは訂正するよ」

 

 

 

「(まぁ許してやるか)」

 

 

 

「猿だった」

 

 

 

「あ!!」

 

 

 

五十嵐までも三振してしまい三者三振

 

 

 

次は四番の倉橋を向かえる

 

 

「すごい威圧感だ。何処に投げればいいか分からない」

 

 

 

 

「ちょっとピッチャーの人、早く投げてくれませんかね。後がつかえてるんですけど」

 

 

 

「このやろう。これでもくらえ」

 

 

 

ボールは倉橋の顔面に

 

 

 

ククッ

 

 

しかし、ここから曲がった。カーブだ

 

 

 

「(そんなのリリースの瞬間から見えてるぜ)」キーン

 

 

 

右中間の長打コース

 

 

 

「絶てぇヒットに何かさせるか」

 

 

 

五十嵐が執念のダイビングキャッチ

 

 

 

「風船のように遅い打球だったぜ」

 

 

 

五十嵐が倉橋を挑発する

 

 

 

墨谷二中はナイン特訓の成果か

 

 

 

5、6番をおさえた

 

 

 

こっちの攻撃は四番の谷口から

 

 

 

「よろしくキャプテン。なかなかいい守備だね」

 

 

谷口は無心だった。

 

 

 

「(流石に今大会五割を打つだけのことはあるぜ。松川)」

 

 

 

「(あのサインは。コントロールを気にせず思いっきりストレート。行きますよ倉橋さん)」

 

 

 

「(こい!!松川)」

 

 

 

松川の目が大きくなった

 

 

 

「うぉおおー」

 

 

 

さっきまでとは比べ物にならないストレート

 

 

 

「(良かった。ストライクゾーンに入った)」

 

 

 

 

「(これが打てなきゃとても青葉には勝てない)」

ガギィ

 

 

 

ボテボテのゴロがピッチャーの前に転がった。

 

 

 

「(なんて重い球なんだ)」ビリビリ

 

 

 

「(松川の武器は球のスピードじゃない。球質の重いボールなんだよ)」

 

 

 

松川の重い球と倉橋の好リードに墨谷二中打線はヒットを一本も打てない

 

 

 

松下も打たせて捕る粘りのピッチングでヒットを打たせてない。

 

 

 

そして、五回まで進み

両チームの四番の二打席目は倉橋が谷口のファインプレーによりアウト

 

 

 

谷口はバットを短く持ってコンパクトにスイングしたが球の重さにまけ、倉橋へのキャッチャーフライ

 

 

 

八回の三打席目

 

 

 

「キャプテン」

 

 

 

「ああ。松下。あれでいこう」

 

 

 

「はい」

 

 

 

松下がこの短期間で覚えたて新たな変化球

 

 

 

「(いくぜ、これがオレが短期間で覚えたフォークだ)」

 

 

 

「(だから、握りがばればれだって。にしても、落ちてこないな)」

 

 

 

ククッ

「(ちょっとしか落ちないじゃないか)」

倉橋はフォームを崩しながらもライト前へ運んだ

 

 

 

「くそう」

 

 

 

「いや、いい。シングルにおさえただけで充分だ」

 

 

 

「(今のはフォークというよりは縦カットだな。この時代にはないからな。フォークってことにしとこう。スピードがつけばSFFになりそうだな)」

 

 

 

墨谷二中はノーアウトのランナーを出してしまった。

 

 

「(チャンスを広げたいところだな。あのピッチャーは球が遅い上にクイックも上手くない。キャッチャーも肩は平均並みかそれ以下だ。走るか)」

 

 

 

「松下さん。ランナー足遅いから盗塁の心配はいりませんよ。落ち着いていきましょう」

 

 

 

「ああ(いつも苛つく五十嵐の減らず口もこういう時には役にたつな)」

 

 

 

「まぁオレは足遅いけどベースカバーに入るのが小学生じゃ吹っ飛ばされるからセーフだな」

 

 

 

「っんだとこの」

 

 

 

「落ち着け五十嵐」

 

 

 

「(よし。五十嵐は乱れたぞ。立ち直らせる前に盗塁を決める。初球スチールだ)」

倉橋がサインを送る

 

 

 

松下が投げた。

倉橋が走る

 

 

 

「こなくそ」

小山が二塁に送球

低い送球がセカンドへ

 

 

 

タイミングは際どいが

 

 

「あ」

なんと名手五十嵐がトンネルした

 

 

 

「(心理戦でオレに勝とうなんて百年はやい)」

 

 

倉橋が二塁を蹴って三塁へ

 

 

「なんてな」

 

 

 

「え?」

 

 

 

何とサードの谷口がボールを持っていた。

 

 

何と隆志が五十嵐のすぐ後ろにいて送球していた。

 

 

 

「お前の指示か?」

 

 

 

「いや、二人の作戦だろ。頼りになる一年生たちだ」

 

続く五番の長谷にヒットを打たれたが

後続を押さえてスリーアウト

 

 

 

そして、九回、隅田中の攻撃。

 

 

 

ここで墨谷二中ナインはピンチを向かえた。

 

 

 

ツーアウトランナー満塁。鍛え上げられた守備でここまで0点に押さえてきたが絶対絶命の大ピンチ。

 

 

 

 

向かえるバッターは倉橋

 

 

 

マウンド上の松下はバテバテで肩で息をしている。満塁もすべて四球によって与えられたものだった。

 

 

 

「ぜぇぜぇ」

 

 

 

「大丈夫か松下?」

 

 

 

「はい」

 

 

 

「いくぜ」

 

 

 

「こい」

 

 

 

松下が投げた。

 

 

 

ライトへのファールフライにしかし、ライトの島田は諦めている

 

 

 

「(松下さんはもう限界なんだ。絶対とる)」

 

隆志はボールをひたすら追いかけた。ボールだけを追っていた。ボールを取ったが前はフェンスはかくばっていた。隆志はボールをとったがフェンスにぶつかった

 

 

 

顔から出血している

 

 

 

「隆志」

五十嵐がすぐかけつける

みんなが集まる。

 

 

谷口が少しゆする

 

 

 

「むやみに動かすな。一年救急箱準備しろ」

倉橋が指示を出す

 

 

「立てるか?」

 

 

 

「はい」

 

 

 

「ちょっとうちのベンチに来てくれ」

 

 

 

倉橋が治療した。

「よし。血はとまったな」

 

 

 

「ありがとうございました」

 

 

 

「ナイスファイト。さっきは作戦とはいえすまなかったな。お前は立派な野球選手だ」

 

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 

隆志の闘志あふれるプレーで火がついた墨谷だが、好投手の松川の壁が崩せず十回の裏を向かえる。

 

 

 

いまだに墨谷は松川にパーフェクトピッチングされている。

 

 

 

打順は一番の島田から

 

 

 

ガギィ

 

 

 

「重い」

 

 

 

ピッチャーゴロ

 

 

 

二番の隆志がバッターボックスに入る

 

 

 

「タイム。隆志」

 

 

 

「何ですか?」

 

 

 

「右打席に入れ」

 

 

 

「オレはもう限界だ、たのんだぜ」

 

 

 

「松下さん、頑張ります」

 

 

 

隆志が右打席に入る

 

 

 

「体がづきづきいってるもう、ボールもほとんど見えない。」

 

 

 

どうしたんだろう?

何か歌が聞こえてくるぞ

 

 

 

若い日はみな何かを目指せ。秘めた力自分じゃわからないよ。答えより、もっと大事なことは勇気だして自分を試すことだ。

あつい想い燃やせばそれで

心も体もさわやかだ

 

 

 

「オレのあつい想いはまだ燃えつきてない。君は何かができる。オレは何かができる。このワンスイングにかける」

 

 

 

松川が投げた

 

 

「(重い。でも、負けるか。みんなの気持ちに応えるんだ)」

カッキーーーン

 

 

 

打球は場外へ

 

 

 

「やった」

隆志はゆっくりベースを回った。

ホームベースをふんだ瞬間に倒れた

 

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