才能…
この言葉に何人もの人が涙をのんだことだろう
いくら人の倍努力しても、その競技が誰よりも好きでも
周りに追いつけない、後輩や後から始めたものに抜かれる
努力が必ず実るとは限らない
どんなに頑張っても才能や資質の差は埋まらない
しかし、実らないとも限らない
谷口がキャプテンになってから一ヶ月後
新人戦が始まった。
谷口率いる新生墨谷二中は一回戦で負
成績は
五打数三安打一ホーマー、五打点で守備では二十七個のアウトのうち十五のアウトを谷口がとった。
努力が実った。
谷口が大活躍だったが他のナインが足を引っ張った。
場所は変わって
「ここが僕の新たなる世界か、?え、なんか僕かなり縮んでない?」
隆志がキャプテンの世界に今、降りたった
隆志の目の前には大きな一軒家があった。
???「当たり前ですよ」
「どちら様ですか?」
身長は160くらいだろうか?茶髪のロングヘアーで整った顔立ちの女性がいた
「この度隆志さんのお手伝いやくの峠坂 マリナ(とうげざか まりな)です。マリナって呼んで下さいね。」
「(綺麗な人だな)よろしくお願いします。マリナさん」
「さん付けじゃなくてマリナで結構ですよ隆志さん」
そう言って隆志に右手を差し出す。
「女子を呼び捨てはちょっと。隆志は顔を真っ赤にしながら握り返した」
「(あらあら、こんなに顔を真っ赤にしちゃって)あの〜生前に彼女は」
「いません」
「付き合ったことは」
「ありません」
「そうなんですか(どうりでこの反応なんだ。でも、ちょっとかわいいな)敬語を使わなくて結構ですよ」
「で、でも」
「とりあえず、お茶でも飲みますか?」
「できればココアでお願いします」
「かしこまりました」
何分か後にマリナがココアを持ってきた
「(おいしいなぁ〜なんか心が落ち着く味だ)」
「落ち着きましたか?」
「ええ。ありがとうございます。とてもおいしかったです」
「そうですか。それは良かった。落ち着いたところで本題に入りましょうか」
「???」
「まず、あなたの姓はは峠坂になります。そして、今は小六の二月という設定です。学校には行かなくてもいいので、思う存分野球の練習をして下さいとのことでした」
「あの〜、マリナさん質問いいですか?」
「何ですか?」
「僕はキャプテンの世界に転生して来ましたが、別に野球をしなくては行けないという義務はありませんよね?」
「はい、でもあなたは野球が大好きだと神様に聞いておりますが?」
「はい。でも、自信がないんです」
「?。そういえば、あなたは野球が大好きなのになんでバスケをしていたと聞いています?私、隆志さんのこともっと知りたいです。これから一緒に生活していくので、差し支えなければ話して下さいませんか?」
「はい。う〜んどこから話せばいいか?まず五歳の時に、広島カープのキャンプに行きました。その時にブルペンに行きました。その時にピッチャーのピッチングをみて感銘を受けました。気がついたら、「あのピッチャーの人すごい。球がすごく速い」思わず口に出していました。するとそのピッチャーがボールを僕にくれたんです。
それから僕は野球に興味をもちはじめました。
でも、いくらバットを振っても当たらないし
グラブを使ってもボールが取れない。
野球に興味をなくしました
それから、しばらくしてバッティングセンターに行ったのですが、今まで当たらなかった球が当たったんです。嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。
ちょっとかすっただけで嬉しくて
父に協力してもらい
簡単なフライと90キロくらいの球なら前に打ち返せるようになりました。
でも、クラスに野球の上手い子がいて、その子に才能がないから野球をやらない方がいいと言われました
悔しくて悔しくていっぱい練習しました
それでも彼にはかないませんでした。
彼は小学生ながらMAX120キロのストレートとかなり曲がるカーブを持っていました。
彼に敵わないまま中学生になりました。
彼とは同じ中学校でした。僕は野球部に入る予定でした。
でも、彼に「まさか野球部に入るつもりじゃないよな?才能がないやつはいくらいてもいらない」っていわれました。
だから、僕はハンドボール部に入りました。
ハンドボールで肩と反射神経を鍛えて、高校から野球部に入って彼に勝つために
ハンドボール部に入ったお陰で肩が強くなりました。
そして、高校生になりました。僕が入った高校は今年からスカウトを始めたらしくスカウトしてきた人以外は使わないと言われました
そんな時にバスケ部のキャプテンに誘われてバスケ部に入りました。
でも、僕の心の中には野球部に未練がありました。
でも、クラス対抗の野球大会がありました。
僕は一生懸命練習しました。
しかし、三年間で一度も勝つことが出来ませんでした。僕のクラスには野球経験者がいなかったので勝てなかったのは分かります。でも、どんなに練習しても僕は全打席ノーヒットでぼくのところにとんできたらすべてエラーでした。
野球なんかやったことのない初心者もヒット打ったのに
僕は泣きたい気持ちをなんとか抑えました。
家に帰ってグラブを捨てようとしました。
でも、出来ませんでした。僕は野球が大好きでしたから。
でも、僕のバスケ部のキャプテンになりました。
キャプテンがそんな中途半端ではいけない。
僕は野球が大好きだという気持ちを封印しました。
そして、ただひたすらにバスケを頑張りました。
とまぁこんなとこですかね」
「そんなことがあったんですか。それは大変でしたね。ちょっときていただけませんか?」
隆志はマリナに手を引っ張られていった。
すると家に隠し階段があった。どうやら地下に繋がっているみたいだ
「着きましたよ」
「ここは?」
「あなたのために作られた練習場です」
「オレのために」
空から声がした。
「そうじゃよ」
「神様。無事にキャプテンの世界につきました。ありがとうございます」
「うむ。ここで思う存分野球を練習するがよいぞ。とは言っても、ワシはちょっと手をかしただけで、このグラウンドの整備から土を運んだのはマリナだかな」
「え〜この広いグラウンドのほとんどをマリナさんが?」
そこらへんの野球場よりもよっぽど広い。これを整備するのはきっとかなりの時間がかかる
「ああ。そうじゃよ。お前さんが転生するまえからこの家に来てお前さんのために、部屋の掃除から何まで全部やっとったんじゃ。きっとお前さんのいい練習相手をしてくれるじゃろう」
「マリナさん、ありがとうございます。オレ、一生懸命練習させてもらいます。」
マリナはにっこり笑って
「さっきまでは僕って言ってたのに、心を開いてくれたんですね」
「すみません、あつくなるとオレって言っちゃうんですよね」
「そうなんですか。オレの方が似合ってますよ」
「それでは、これからはオレにします」
「さっそく練習しましょうか。その前にこれをどうぞ」
マリナは古びた青いグラブを渡す。
青いグラブにオレンジのヒモがついていて
黒ペンで
「TAKASHI」と書かれている
「そのグラブは」
隆志は驚いている。生前自分が使っていたのと同じなのだから
「ええ。生前あなたが使っていたグラブです。よっぽど野球がすきなんですね。このグラブをみれば分かりますあなたが野球が大好きだって、だから神様にお願いしたんです。」
「本当にありがとうございますマリナさん」
「大したことはないですよ。それより一つお願いがあるんですけど」
「何ですか、何でも言って下さい」
「私のことはマリナって呼んで下さい。後、敬語は禁止。これから一緒に生活するのにいつまでも敬語じゃ他人行儀ですよ」
「分かりました」
「ほら、また」
「ごめん、マリナ」
隆志は顔を真っ赤にしている
「いえいえ」
「それじゃ、マリナも敬語禁止ね」
「私はこちらの方が落ち着くのでこちらでお願いします。今からキャッチボールしませんか?」
「うん。やろう」
隆志はとてもニコニコしている
ビシュ
マリナが投げる
パシッ
「いい球なげるね」
ビシュ
隆志が投げ返す。
パシッ
マリナがとる
「まぁ。運動は得意ですからね(本当にニコニコしちゃって楽しそうですね)
次はバッティングしましょう」
「マリナが投げるの?」
「いいえ。マシーンがあるからそれでやります」
マリナがマシーンを持ってきた
「最初は80キロからいきますね」
隆志はバッターボックスに立って構えた。
「いきますよ(隆志さんは右打ちなんですね)」
ビシュ
隆志はバットをふる
カキーン
センターとレフトの間に落ちた
「ナイスバッテイングです。次いきます」
カーン
カーン
カーン
カーン
カキーン
カキーン
カキーン
カーーーーキン
隆志は十球中十球当てた。最後はフェンスダイレクトの当たりだった。
「隆志さん、いい感じですね」
「でも80キロだし」
「それはそうですけど隆志さんちょっと失礼します」
マリナはそう言って隆志さんの腕や腹筋を触る
「そういうことですか」
「?」
「隆志さん、次は私がマウンドから投げますから、思いっきりスイングしてください。ボールに当たらなくてもいいですので」
「?分かった」
マリナが投げる
洗練された美しいフォームからボールがリリースされる
ビシュ
「(アンダースローか。思いっきりふる)」
「(よし。当たった)」
ガキ
コロコロ
ピッチャー前に転がった。
「やっぱり間違いなさそうですね」
「?」
「隆志さんはパワーはあります。でも、それを生かしきれてません」
「どういうこと?」
「ええとですね。隆志さん、ちょっと左打席に入ってもらえませんか?」
隆志はとりあえず左打席に入る
「いきます」ビシュ
「(さっきと同じスピードに同じコース。左じゃスイングしずらいけど)」
カキーーーーーン
ドン
バックスクリーンに直撃した。
「(初めてあそこまで飛ばした)ま、マリナどういうこと?
隆志はすごく興奮している
「ちょっと落ち着いて下さい」
「ごめん、つい興奮しちゃって」
「(ちょっと可愛らしいけどね)今、隆志さんは無心でスイングしましたね」
「うん」
「隆志さんは自分が思っているよりも力があります。インナーマッスルがすごいです。でも、力が上手くバットに伝わっていません」
「どういうこと?」
「詳しいことは、また明日説明しますね」
「分かった」
「次は守備ですね。私がノックしますね」
「いいよ」
「取ったらファーストに送球してくださいね。いきます」
「よしこい」
隆志がまた目をきらきらさせる
「(目をきらきらさせちゃって可愛いですね)いきます」
キーン
ぼてぼてのゴロがくる
パシッ、シュッ
隆志はぎこちはないが難なく捕球し送球する
「(これはかなり練習しなくては出来ないですね。でも、まだあまいですけど)」
「次、いきます」
キーン
さっきより強い打球がとんでくる
隆志はさっきよりも強い打球に驚いたが、懸命にグラブをだしたが
トンネルした
ボールは外野までいき、フェンスに直撃した
「隆志さん、外野まで行ってここまで投げ返して下さい。(肩も見たいですし)」
隆志がボールを投げ返す
ビシュ
スリーバウンドくらいしてマリナのところに返ってきた。
「(う〜ん80mくらいですかね)今日はここまでにしましょう」
「分かった」
「墨谷二中に入るまでにはまだ時間があるので頑張って練習しましょうね」
「(笑顔が眩しすぎる)うん」
「汗かきましたね、隆志さん一緒にお風呂どうですか?」
「・・・・・・・・」バタン
「隆志さん(冗談でしたのに。やっぱりかわいいですね。なんだか
弟ができたみたいですね)」
こうして、隆志の転生初日は終わった。