「(あれ?ここは!?)
隆志は大きなベッドに寝ていた。
辺りには、勉強机、そして大きな本棚にたくさんの本がある
確か昨日・・・あ!!」
隆志は昨日のことを思い出して顔が真っ赤になる
コンコン「おはようございます」
部屋にマリナが入ってきた
「お、おはよう、マ、マリナ」
隆志は昨日のことを思い出して赤くなっている
「(あらあら、赤くなって昨日のことを思い出したんですね。ちょっと意地悪しちゃいますか)昨日は楽しかったですね。昨日の夜、一緒にお風呂入ったの忘れませんよ」
「え!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
隆志は口をパクパクさせている
「冗談ですよ」ペロッ
少し舌を出すマリナ
「(かわいい)」
隆志はゴホンと一つ咳払いして話を変えた。
「ところで、ま、マリナ」
「何ですか(また顔を真っ赤にして、いつになったら普通に話せるようになるのですかね?これはこれでかわいいんですけどね)
「マリナって絶対野球経験者だよね。昨日のアンダースローはすごかったもん」
「はい。別に秘密にしていたというわけではなかったのですが・・・・」
マリナの表情が曇る
「言いたくなかったら言わなくていいからね。誰にだって言いたくないことはあるもん」
「ありがとうございます」
そう言ってまた何時もの向日葵のようなまぶしい笑顔にもどった。
「(かわいすぎる。直視出来ない)」
「隆志さん、何か聞きたいことがあるんですよね?」
「昨日のバッティングのこと、今日話してくれるって言ったよね」
「はい。その話は朝食を食べ終わってからにしましょう。ご飯の準備はできてますので下に行きましょう」
隆志は階段を降りて下に向かう
するとそこには
ご飯、味噌汁、魚、梅干があった
「(いかにも日本の朝食。THE朝食って感じだな)」
「栄養が第一ですからね」
「いただきます」
「めっちゃくちゃ上手い」
隆志はばくばくとご飯を食べた。
「美味しかったですか?」
「とても美味しいかったよ。ところで野球の話。教えてよ」
「(あらあら、目をキラキラさせちゃって、高校三年生の青年というよりは野球少年って感じですね)バッティングと守備。どちらから聞きたいですか」
「バッティングからかな。」
「その前に言っておきますが、隆志さんの野球の才能は他の野球をしていない一般人よりも低いです」
ずどーーーーん
隆志が泣きそうな顔をしている
「ハハハ(確かにそうかもしれないけど、そんなにはっきり言わなくても。野球部には負けるかもしれないけど一般人よりは努力してきているのに。ちくしょう)」
「隆志さん、落ち込まないで下さい。はやい話が隆志さんは『超』が何個もつくほど『不器用』ってことですよ」
「(火に油を注ぐようなものだよ。完全に傷ついた)」
「隆志さん、私は隆志さんをけなすために言ったわけではないんですよ。むしろ大事なのはここからです」
「?どういうこと?」
「これを見てくれませんか」
マリナは二つの花を持ってきた。
一つは花を咲かせている花。
もう一つは
本当に咲くのかというくらいの葉っぱだけ。
「これが、何なの?」
「少し離れてて下さい」
「うん」
隆志は三歩くらい下がった
マリナは新聞紙を敷いてトンカチを取り出した。
「少し可哀想ですが」
パリーン
マリナがトンカチで二つの鉢を壊してしまった。
「隆志さん、見てください。」
「(うわ〜)花が死んでるみたい。ん?」
「気がつきましたか?」
「こっちの芽だけの方はまだ助かるかも」
「隆志さん、二つの花の根だけをみて下さい」
「芽だけの方の根は凄く太い」
「そのとおりです。こっちの芽は花が咲くのはかなり遅いと思います。ですが、花が咲いたときには先に咲いた花よりも長く綺麗に咲きつづけます。
人間も同じです。
器用な人は何でもすぐに覚えて次に次に進もうとします。逆に不器用な人は時間がかかりますがその分身に付いた分は器用な人をこすことが出来るのです」
「つまり、不器用なら不器用らしく、人の倍努力すれば、器用(天才)に追いつき追い越すことができるってことだね」
「分かって頂きましたか」
「分かってよ」
隆志の顔はさっきの落ち込んでる時とはちがい希望に満ちている
「それでは、本題に入りますね。まずはバッティング。飛距離を出すには二パターンあります。
一つめは力でつまらせながらボールを持っていく。
二つめは腰の回転でボールを持っていく。
隆志さんのバッティングは腕だけでボールを運んでいます。
上半身と下半身が使えてないんです」
「だから右でフルスイングした時にボールがとばなかったのか」
「ですから、フォームを調整していきましょう。隆志さんはスイッチヒッターになれると思います」
「オレがスイッチヒッター?」
「はい。隆志さんは左の方がスイングがはやく、全身をしなやかに使えているので、チャンスメイクするときは左。長打を狙うときは右がいいと思います。
名づけるなら柔の左(アベレージの左)に豪の右(パワーの右)と言ったところですかね」
「オレに出来るのかな?」
「大丈夫です。きっと出来ます」
マリナは隆志の手を握りながら言った
「わ、分かったから手を離して」
隆志の顔は爆発寸前である
「(またいじわるしちゃいますか)どうしてですか。いいじゃないですか」
「恥ずかしいからだよ。それより、次は守備について教えてよ」
「隆志さんの守備は腰がしっかりと落ちていて、無駄な動きがまだありますが結構いいですよ」
「でも、すぐにポロポロしちゃうよ」
「それはグローブの角度ですよ」
「グローブの角度?」
「隆志さんのグローブの角度は45°くらいなんですよ。それじゃあ、弱いゴロは取れても、強いゴロは取れませんよ。しっかりとグローブは90°に立てて、取れなくても前に落とせばいいんですよ」
「成る程そうだったのか」
「百聞は一見にしかずそれでは、今から特訓をはじめましょうか」
「よっしゃ!!!ん?マリナ、その手に持っているものは?」
「木刀ですよ」
ニコッ
「マリナ目が笑ってないよ」
そして、
「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
三時間ほど悲鳴が鳴り続けていた。