転生先のゲーム世界でアバズレヒロインが清楚堕ちしてる件 作:図画工作で使うトイレットペーパーの芯
「寝取……寝取……いや寝るわけじゃねぇけど」
兄上の部屋から戻った俺は、自覚できるほど虚ろな顔でブツブツ呟いていた。それもこれも全部兄上のせいである。
「兄上派閥の貴族を味方につける。寝返らせるってことよな」
なぜ兄上はわざわざ自分の味方を減らすような試練を俺に課したのだろうか。まったくもって意図が読めない。
いや……アレだけ頭の良い兄上が考えることだ。
きっと何かしらの意味があるはず。
「地位を掴んでユルルを守るためだもんな。やり遂げなきゃ」
お、俺はやるぞ!!
兄上の味方を略奪してみせ……うぇっ、吐きそう。
取るとか寝取るとか略奪とかNTRとか地元の幼馴染が結婚していたとか脅迫レ◯プとか不倫とかクラス1可愛いあのコがチャラ男と付き合ってるとか彼女の元カレとか人妻教師が竿役おじさんに堕ちるとか中出し浮気セ◯クスとか──
──俺には地雷ワードが多い。
酷い時には全力で吐いて高熱を出すレベルで地雷だ。
別に人の趣味嗜好を否定する気は無いのだが、少なくとも俺はその手の話題やワードを出されると具合が悪くなる。
「お、俺にできるのか……? いや……兄上は俺のコミュニケーション能力と行動力に一目置いているって言っていたし、それを兼ねた試練なのかもしれない」
期待されている。そんな予感がする。
なにせ放蕩皇子と言われている大して仲良くない弟が吐いた『親王になりたい』などの与太話をまともに検討してくれる程だ。
俺個人がどう思われているかはともかく、能力に期待してくれていることは間違いない。
「と、とりあえずダンスのレッスン増やそう……。まともに踊れなきゃ味方を増やす以前の問題だし……」
社交ダンスは貴族の嗜み、教養と言われている。
放蕩皇子という悪名が知れ渡っていたとしても、美しく踊ることができれば一目置かれる可能性がある。
「目の前のことを一つずつやっていこう」
不安や恐怖は心の片隅にしまっておいて、いざという時の自制に使おう。
◆◆◆
「なんでユルルがいるんだ……!?」
「あら、私がいてはダメでしたか?」
「いや会えたのはめちゃくちゃ嬉しいけど」
「……そうですか」
本心を伝えるとそっぽを向かれた。
俺が何か言うと急に向きを変えることが多々あるのだが、発言に呆れて冷笑しているのだろうか。直接その表情を向けないのはある種の優しさなのかもしれない。
「えーと、ダンスの講師は?」
辺りを見るが、この場には俺とユルルの二人しかいない。
首を傾げていると、ユルルがさも当然かのように言った。
「見学しようと赴いてみましたが、丁度講師に出くわしました。曰く、あなたのダンスは完璧だからレヴィ様に教えてやってください。私は逃げられ続けて萎えました……とのことです」
「それは……素直に……申し訳ねぇ……」
サボったとしてもその分の給金はちゃんと払われていることは確認しているが、俺の講師は何と言うかちょっと──ダンス狂というか……ダンスの楽しさを知って欲しくて押しが強いタイプだったから、お金なんてものはどうでも良かったのだろう。
次会ったら謝っておくかぁ……。
初回以降逃げ続けて数年になるけど、ちゃんと授業の日には来てくれてたもんなぁ……考えたらマジで申し訳なくなってきた。
何やってんだ記憶無い俺。今度菓子折り持ってこ。
……とはいえ、ユルルに教えて貰えるのは少し嬉しかった。
地位を上げると決めてから、ユルルのところに頻繁に遊びに行くことが今後できなくなると覚悟していた。
だがまさかユルルの方から尋ねてくれるなんて。
……嬉しい。マジで。
「なにニヤニヤしてるんですか」
「ユルルの可愛さを噛み締めてた」
「戯言吐いてないでさっさとやりますよ」
「俺の褒め言葉全部流される。ぴえん」
「はいはい、嬉しいです。ありがとうございます」
「棒読みじゃんかよぉぉ!!」
褒められてまったく嬉しくないって感じでもないのがユルルの可愛いところだ。少なくともガチで嫌われてる場合は褒めても何の感情も抱くことは無いだろうから、知り合い以上友達未満くらいの好感度はあると踏んでいる。
俺の予想は間違いないぜ!!
「ダンスの基本は姿勢です。どれほど綺麗にステップを踏めたとしても、肝心の姿勢が悪ければ不格好に見えます。」
「はい!! ユルル先生!!」
「先生……良い響きですね。ごほん、まずは左手で私の右手を取ってください」
くっ……接触があるからダンスは緊張するんだよな……。
婚約者とは言っても、俺はユルルに触れることはほとんど無い。我慢できなくなるかも、というのが一つの理由にあるが、勿論最大の要因は童貞ゆえのヘタレ精神だ。
この間のデートだって、もしかしたら手を繋げるかもとかドキドキワクワクしていたけど、結局俺が握ったのは帰宅後のチンポだけだった。
「ええと、これで良いか?」
「っ、え、ええ。次は右手を私の背中に回してください」
なぜか言葉に詰まるユルル。
俺は一先ず言われた通りにそっとユルルの背中に手を回した。
すると早速ユルル先生からお叱りが入った。
「支えが甘い。このまま動くとお互いにズレますよ」
「ふぁ、ふぁい」
握った手の柔らかさ。近い位置にいるせいで、ユルルの花のような良い匂いが漂ってきて中々に精神を試される。
更には俺の方が背が高い影響で見下ろす形になるのだが、ユルルは真っ直ぐ俺の目を見つめてるから上目遣いみたいになってて破壊力ががががががが……あばばばば……。
「それと、真向かいに立つのではなく少しズレて立つのです。あと距離が離れすぎです」
「そ、そんなこと言ったって緊張するもんは緊張するんだけど……」
「む……そんなに私が怖いですか」
何を言ってるんだユルルは。マジで。
「可愛すぎて緊張してんだよ言わせんなぁぁぁあああ!!!!」
心の中でぺしょぺしょ己の不甲斐なさに泣きながら叫んだ。
そうですよ童貞ヘタレだから好きな女の子と近づくだけで張り裂けそうなくらい心臓バクバクするんだよぉぉぉぉ!!!
「…………ふぅん」
「あれ、ユルル顔が赤──ひゃいっ!?!?」
少し口角の上がったユルルの頬が少し赤みがかっている気がして指摘した瞬間────グッと強く引き寄せられて、完全に抱きしめる体勢になった。
「こうすれば──緊張を感じる余裕も無いでしょう?」
やばばばばば柔らかかかかおぱぱぱ……。
緊張が興奮に変わるだけなんですけど!?!?
ま、マズイ──!!
た、勃つ──!!!
「い、一旦休憩しよう!! ……ちょ、離れて!?」
「……すぅぅ……いやです」
「なして!? ──お、おーけー!! 緊張解けました!! 完璧です!! ありがとうございます!!」
完全に勃ってしまった俺はバレないように腰を引こうするが、思ったより力の強いユルルの抱擁を中々抜け出すことができず、彼女のスベスベのお腹に
ば、バレるな……バレるな……!!
そう願いながら耐えること数十秒。
ようやく離してくれたユルルだったが、なぜか彼女の表情はポヤポヤとしていて無表情が崩れかかっていた。
「私で興奮してくれるんですね……ふへ」
何かをぼそっと呟いたユルルは、少し経つといつも通りのキリッとした無表情に戻っていった。
何もお叱りが無いということは、どうやらギリギリ勃起がバレてはいないようだ。助かった。
「さぁ、緊張も解けたでしょう? 続きをやりますよ」
き、緊張を解すためにハグをするなんて……恐ろしい娘……!! ま、まさか、他の人にしたことあるから慣れてる……とかじゃないよね……?
「ええと……緊張を解すためにハグをするのって、ズレバア家に代々伝わる方法だったりする……?」
「はぁ?」
「あ、いや何でもないです」
「心配しなくても、こんなこと婚約者のあなたにしかしませんよ。体裁が悪いですから」
喜ぼうと思ったら最後の言葉で正気に戻された。ぴえん。
──こうして俺はユルルの指導のもと、着々とダンスの腕前を上げていくのだった。
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ちなみに言っておきますが、レヴィのちんちんは普通にデカいです。エロゲ主人公なので。
ですが大臣の護国TNPだけが異常なほどにデカい。恐らくエロゲ製作者がNTRの苦しみを増そうと敢えて主人公よりデカくしたのでしょう。