月光と鉢かづき、一寸法師、謎の空飛ぶ絨毯を連れて天道の待つ夜波埠頭に向かう。エンゲキブはシンデレラの代役として「御伽噺」の中にいる。
「天道ぉ!!」
「月光ぉ!!」
殴り合いを始める馬鹿達を放置し、スポーツカーの屋根に立って構える。
「鉢かづき、オレの相手は別だ。月光と一緒にあのじゃじゃ馬なお姫様を止めてくれよ?一寸法師も月光の事を頼むぜ」
「承りました!」
「任せろ!」
「俺はガキじゃねえ!!」
月光の言葉を無視し、オレは追随する人の乗っていない三輪バイクに飛び乗り、目の前を爆走するカボチャの馬車へと一角の迅速を更に加速させる。
「あら、私の馬車に追い付くなんて生意気だわ」
「妖怪一の速さを嘗めんじゃねえ!!」
「(一番の速さは炎蹄じゃないのか?)」
そんなことを考えながら反対側に追い付いた天道のドライブテクニックに感嘆しながら、邪紅と清白の二刀を引き抜いて構える。
「月光様!!」
「おう!さっさと絵本に戻りやがれ!」
「オホホホホ!こういうレースも私は嫌いじゃないわ!」
軽やかに鳴るガラスの靴は邪紅と清白の刀身を蹴り抜き、鬼の金棒に変身した鉢かづきの身体を受け流し、蹴り付けていく。
「こんにゃろう!」
「清白!」
「お任せを!」
オレの呼び掛けに呼応し、清白の刀身は発光して強烈な光波を放つ。だが、ガラスの靴は自動的に見えているように光波を蹴り、裂く。
その最中に月光は吐いてしまい、向こうの車は減速してしまった。しかし、オレはシンデレラと、王子の愛の苛烈さにオレは笑みを深める。
「流石、王子の愛が強いな!」
「? 何を言っているのかしら?ここにいるのは私と運転手の二人しか。いいえ、そのオバケバイクと2本の剣が居たわね」
「あー、いや、違う違う。人間の世界にもシンデレラに似た話があるんだよ」
二刀を肩に担いで話す。
「あるところにガラスの靴を持って自分の妃を探す王子様がいた。しかし、その王子様の正体は醜悪な怪物だった。ガラスの靴も妃に選んだ美女を喰らうため……そういう話が実在する」
「生憎、このガラスの靴は私のモノよ!」
「知ってるさ。───だが、ソイツは違うぜ!」
オレの振るう邪紅刀は飛来するガラスの靴を弾き、アスファルトに激突しても砕けず、シンデレラを追い掛けてくるガラスの靴に切っ先を向ける。
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタッ!!
「お姫様、アイツの狙いは貴女だ」
「
「なんで靴が走ってやがる!?」
月光達もまた追い付い……鉢かづき、車とも合体できるのかと未来を視た後に振り向く。デジャブめいて、少しだけ酔いそうだった。