「ウ~ン、困ったぜ」
「テメェのせいだぞ」
右肩に突き刺さった木の鼻を抜こうとする月光の理不尽すぎる言葉を無視し、木の鼻をデコピンすると悶絶したように倒れる。
ピノッキオが、思ったよりも強い。
鼻を伸ばす速度が音速を越え、仮面ライダーに変身した天道はガードしたが、吹っ飛ばされて飛んでいってしまった。オレと月光、鉢かづきのさんにんだけでやり合えるかは怪しい。
狙う場所は見える。
だが、斬るタイミングで鼻を伸ばして間合いを広げる上手さは向こうが上だ。
「鉢かづき、月光と居てくれるか。月光、癪だがオレのヤツを貸してやる」
「はいっ」
「あァ?!イデェッ!!」
学ランの内側に隠していた刀とは違う、折り畳み式の弓を取り出して鉢かづきに食わせる。
「矢がねえぞ!!?」
「矢はテメェだ」
弓の端を地面に突き立て、弦を引いてピノッキオめがけて吹っ飛ぶ月光の姿が浮かぶ。
「才賀境は天才!」
「当然だろ」
そんな月光に笑いそうになりながら遮蔽物を出て、ピノッキオに邪紅を突きつけ、木の鼻を伸ばそうとするピノッキオだったが、本当の事を叫ぶ。
「あ、あれ?なら、才賀境はバカ!」
しかし、木の鼻は伸びない。
「才賀境は強い!」
伸びない。
「才賀境は弱い!」
伸びない。
「才賀境はうそつき!」
伸びない。
「才賀境は大真面目!」
伸びない。
「な、なんで?」
「オレはウソを吐かない主義なんだ。あと、最初からお前は間違えてるぜ、オレの名前は
そう言ってオレは真横に移動した瞬間、弓から金棒に戻った鉢かづきを振りかぶる月光に気づいたピノッキオは悲鳴を上げるも地面にめり込んだ。
「才賀、お前ってなんなんだ?」
「あ?決まってるだろ、宇宙最強だ」
「おい。あれはウソか?」
「ほ、ほんとぉ……」
ピノッキオの鼻は伸びない。
つまりは、オレが最強だ。
「ま、お前もがんばれよ」
蒼い月を見上げる。
「天道が戻ったぞ!!」
「「もう終わった」」
それだけ言うと天道は逆ギレして飛びかかってきたが、ぶん殴って止めることに、中々に面倒臭いヤツの顔を無視し、避けていく途中、ライダーパンチで月光は吹っ飛ばされた。
「フン、悪は滅びたぜ」
「いや、悪はいねえよ」
「バカヤロウ!月光は敵だ!俺のマイスウィーーーーーーーートのエンゲキブを誑かしやがって、ブチ殺してやるぜ!」
そう言うと天道は走り出していき、月光と殴り合いの喧嘩を始めた。そんなんだから、別れることになったんじゃねえのかと思う。
まあ、そういうこともあるわな。