エンゲキブを「わらしべ長者」に渡すという暴挙に出てしまった月光にブチギレた天道とケンカを始めるバカに呆れながら、ラーメンを啜る。
「毎日通って、太らないの?」
「オレは太らねえ体質なんだよ」
「女の敵じゃん」「乙女の敵ですね」
鉢かづきとエンゲキブの呟きに「そこまでか?」と思いながら、ラーメンのスープまで飲みほす。やっぱり、ここのラーメンは美味いぜ。
「で、どうするんだよ」
「なにが?」
「わらしべ長者に貰ったワラだよ。それ、使ったら大抵の物事は叶うぞ」
「へぇー」
オレの言葉に興味を引かれたエンゲキブがワラのひとつを手に取るとオレは咳き込んだ。お前、とんでもねえ未来を見せてきやがったな。
いや、それでも良いのか。
それで良いなら文句も何もねえよ。
しかし、変なのが集まったな。
「エンゲキブ、今の未来はやめとけ」
「じゃあ、これは?」
「急に未来を変えるな?!」
とんでもねえ暴挙に出てきたエンゲキブにビックリしながら話していると、月光と天道の視線を感じて、後ろに振り返らず、パンチを受け止める。
「アホ。未来の見えるヤツに不意打ちが効くか」
「うら」
「ぶえっくしょんっ!!?」
天道のくしゃみを月光でガードしたら、また二人はケンカを始めた。やっぱりバカだなと思いながら、開発中のウォッカを入れて、ラーメンの麺を軽くフランベしたというラーメンを食べる。
「焼けてパリッとした麺が美味いです。オヤジさんのラーメン、こっちに越してからの好物ですよ」
「そ、そうか?」
「ウソつかねえから本当なんだろうけどよ。テメェ、味覚終わってねえか?」
「失礼だな。プールサイズの水に落とした一粒の砂糖の産地まで当てられる味覚だわ」
「「「それはそれでキモい」」」
「才賀様、その様な特技が!」
特技っていうか。
糸色景の血筋って料理に詳しいんだよな。
「前に会った姉ちゃん覚えてるな?」
「え、うん。忘れないインパクト」
「あの人もすごいぞ。微粒子サイズの物を肉眼で見えるし、ゲームみたいにモノのステータスが見える。オマケにジークンドーやってる」
「あー、直突きか。ありゃあ確かに初速も速くて弱点の見えるヤツには最適だな」
「分かるか、天道」
「まあな」
オレは勝手に
あの人の強さはシンプルな殺傷力だ。ジークンドーの利き手を使った最速最短を打つ縦拳。人体の弱点を打って、糸方のバカをボコり倒していた。
オレは目の良さで避けていたが、ありゃあ実験として人を解体している手付きだぜ。