「あんのクソ動物がよぉ」
「月光、それ漫画だから!」
ブツブツと文句を言う月光とエンゲキブの広げる図書室の本を一つずつ丁寧に戻し、騒がしくなる図書室で威圧感を出して音を消す。無音で動く二人に困惑する奴らを無視していると、肩を叩かれた。
「才賀君、直して下さい」
図書委員の腕章。
「そこの赤いボタンだ」
ノートに書いたスイッチを渡すと「才賀君、何度も言いますけど。学校で何かを実験するのはやめて貰えますか?」と言われる。
ちょっと、分かんないぜ。
いや、言いたいことは分かるんだが、どうしてオレにばっかり突っ掛かって来ているのかが分からない。オレの見た未来だと、図書委員は月光に恋慕を向ける。
なぜ、オレをそんな目で見るんだ?
「悪いな。工藤、また今度だ」
ポンポンと頭を叩いて、月光とエンゲキブに「分かったら来てくれよ」と伝えて、オレは口笛を吹き、図書室の窓を飛び出して一角の迅速に飛び乗る。
「お館様、相手の目星は!」
「んなもん。ブレーメンの音楽隊だ。けど、あの道具の正体が分からないんだよな……新しいプレシャスか別のアイテムかもしれねえけど」
「この邪紅に切り裂けぬ音の壁故にッ」
「いや、邪紅の刀を防いだって訳じゃない。アレはお前を危険と思って音をぶちまけてやがるんだよ。ったく。マジで誰だ、あんなの渡したのわよ」
ブレーメンの音楽隊と先にやり合っている仮面ライダーV3に変身した天道の真横を通り抜け、仮面ライダーに憧れる子供達の思念を刀身に作り替える。
「うぉらあっ!!」
ブオォォォ─────ンッ……!!!
ビリビリと身体を走る衝撃波と風の斬撃を受け、オレは真後ろに吹き飛ぶ。月光とエンゲキブが来るまで、だいたい二十分ってところだな。
「才賀!月光とエンゲキブは!?」
「ウチの図書委員に聞いてる!」
「チッ!俺も図書室デートしたかったぜ!!」
「生憎、他校の生徒は入れねえよ」
「そこは融通聞かせろよなっ!!そんなんだからケンカ売られるんだよッ!ブイスリャァーキィック!」
「V3って言えよ!」
飛び蹴りを放つ天道の真下を駆け抜け、邪紅刀を振るうも凄まじい突風で皮膚が裂ける。こんにゃろう、いい気になりやがって…!
───だが、糸口は見えた。
あとは手数だ。
「負けるな、V3ィー!」
「オウ!!」
ちっこい子供は仮面ライダーV3の人形を持って叫び、天道もそれに応えるようにダブルタイフーンを高速回転させ、音の衝撃を吸収していく。
周囲の音すらも
「バカ野郎!?身体がブッ壊れるぞッ!!」
「へっ。仮面ライダーが、子供の前で負けるかよ」
「おまえ……けど、一番はXライダーだぞ」
「V3だっつてんだろうが!」