魚の群れを押し退けて、歩く。
マジで疲れたと溜め息を吐き捨て、オレは浦島太郎と一緒にいるであろう月光達の事を見ると、浦島太郎に説教する月光と天道を目撃し、流石だと頷く。
パトラッシュのヤツも月光条例されたのか。大人しくなっているし、此方ももう安全かと納得し、乙姫を連れていくと月光達がいる。
「よう」
「お、乙姫様!」
「浦島太郎、帰るぞ。わらわ達の絵本へ」
「月打ちされたんじゃねえのか?」
「鋼のメンタルだ。月打ちを無理やり抑え込んで今だけ堪えているんだよ」
そう言うと月光と天道は「乙姫ってすげえな」と素直に感心し、鉢カヅキも「鋼のめんたる、見習わなくては!」と奮起している。
まあ、そういうこともあるか。
しかし、怪我したのは妙のばあちゃん以来だ。
浦島太郎のせいで面倒なことになったと溜め息を吐き捨て、月光達に「次のヤツはオレだけに戦わせてくれ」と伝えると「なんでだよ」と言われた。
「あー、相手は日本一だからだ」
オレの言葉に気づいたのは鉢カヅキだが、アイツも親しい相手としてやりにくいだろうと思い、なにより月光が変に変わるところを見るのはイヤだ。
大事な友達だからな。
オレは見捨てねえよ、斬るだけだ。
しかし、マジでどうするかね。イデヤに任せていたエンゲキブと工藤の二人が怒りながら此方に向かってきている未来が見え、逃げるかと決める。
「月光、天道、鉢カヅキ、オレは去る!」
「待て待て待て、なにがあった?」
「どうせ、未来見たんだろ」
「そりゃあそうだが、オレは工藤と一緒になるわけにはいかない立場なんだよ。アイツに迷惑をかけるのは、御免蒙りたいんだよ」
「へぇー、迷惑なんだ」
「エンゲキブ、やめてくれ。お前のセリフは月光に聞くが、オレには聞かないんだ。アイツだけが恥ずかしさで暴れるだけだ」
「何する気だ!?」
慌てる月光を無視する。
「才賀君、私は迷惑?」
「……迷惑ではない。が、オレといるとしなくてもいい苦労をお前に与えるし。オレはあと一年経ったら見合いが始まるんだよ」
ちなみに、ここで三人ほど増える。
そういうのは、もう懲り懲りだ。
どんなに強い子も賢い子も優しい子も最終的にはオレという巨大すぎる個に負け、ジジババみたいに面倒臭い価値観を押し付けようとしてくる。
かなり減ったんだがな。
工藤だけは、オレを見つめる。
「お前をオレの事情に巻き込みたくねえんだよ」
「いいえ、巻き込まれるわ」
「サカイ、お前の本心を言ってしまえ」
イデヤの言葉に悩む。
「あーっ、面倒臭い!好きだよ、好きだから遠ざけてるのに、必ずオレの未来に現れて、どんだけオレの意識をかきみだすんだよ……」
くそがよぉ……!