オレは学ランに着替える。
夏休みにすることじゃねえことだが、少なくともオレの身体はコイツをしておかねえとマジで耐えることが出来ないぐらいに昂っている。
工藤にあんなことを言ってしまった手前、責任を取るつもりではあるのだが、ゆっくりと絵本を持ってオレは日本一の剣士を待っている。
絵本が空に弾け、絵本から飛び出してくるなり、斬りかかってきた桃太郎と邪紅と清白を重ねて太刀を受け止め、鍔迫り合いを行う。
「ぬうっ!?何奴ぞ!」
「姓は糸色、名は境、宇宙最強だ!!」
「宇宙!ならば拙者は日本一の桃太郎よ!」
高速の斬撃を纏めて切り返し、オレの背後に回り込んできたサルの顔面を蹴り潰し、空に跳び上がれば桃太郎もまた追随するように跳び上がり、剣を交える。
強い。
「この桃太郎と斬り結ぶか、読み手!!」
「高々絵本で一番強いだけのテメェに宇宙最強のオレが負けるわけねえだろ!!」
「笑止!ならば日本一の剣を受けよ!!」
「いいや、もう見えた」
未来のお前と現在進行形で動くお前の動きは重なった。
素早く荒々しく切り裂く。
圧倒的な剣術の応酬を繰り返し、跳ねた斬撃は空気を裂いて、四方八方に飛び舞う。飛ぶ斬撃なんぞ見るのは、マジで初めてだ。
剣術の腕は間違いなくオレの上だ。
流石、桃太郎!!
「……燃えるぜ。桃太郎!」
「拙者も血が滾る!この日本一の剣に追い縋り、あまつさえ斬撃を飛ばすなど相応の鍛練を積み重ねてきたのであろう!まことに天晴れなり!」
「は、ハハ、ワーハッハッハッ!!ソイツは僥倖!僥倖!そんならオレも桃太郎に習ったんだ、コイツも受けとってくれよ!!」
「受けて立つ!」
「狂瀾怒桃ォ!!ブラストォ…パアァァティィ!!!」
邪紅と清白を背中につけるほど大きく振りかぶり、踏み込みと同時に思念の刀身を吹っ飛ばす。何十と刀身を生やして投げつける。
「拙者とは似て非なる桃の技だとぉ!?」
「オレの知っている桃太郎は悪縁奇縁も吹っ飛ばす!いつだって超良縁を結んでくれる、どうしようもなく底抜けに優しい縁結びの桃太郎様だ!」
「アレは悪縁ですぞ」
「然り。勝手に上がり込むぬらりひょん」
桃太郎は日本刀を突き立て、構える。
流石、桃太郎は引かないよな。
「参る!」
「おう!」
三本の剣が衝突し、火花を散らす。
「二刀流、双頭の龍槌閃!!」
「ヌンッ!!面白いッ、龍退治だ!!」
「桃太郎おおぉぉ!!!」
「イトシキイィィィ!!」
お互いの剣が弾け、桃太郎は鞘を振るう。
「獲った!!」
「甘いぜ、コイツがオレの────」
二重の極みだ!!!!