あり得ざる御伽噺は夢か幻の絶境   作:SUN'S

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アラビアンナイト 序

「んじゃま。歩いていくか」

 

「おう。エンゲキブも助けねえとな」

 

「一寸法師はオレの頭に乗っていくか」

 

「サカイよ、忝ない」

 

「気にすんな」

 

オレの頭に乗った一寸法師と、キレキレの動きでスカイライダーに変身した天道はセイリングジャンプし、空の上で周囲を見渡している。

 

エンゲキブの事を探しているんだろうが、エンゲキブはとっくにシンドバードに捕まっている。俺達の行く場所ははだかの王様のいる場所だ。

 

「アラビアンナイトの目的は、打出の小槌だ。一寸法師、何が何でも止めるぞ」

 

「……待て、なぜお主が知っている?!」

 

「言ったろ。オレは宇宙最強だって」

 

そんぐらいのことは未来を見ていれば簡単に分かるし、なによりアイツを止めるなら確実に月光だけが不幸な目に合う。それだけは止めなくちゃいけねえんだ。

 

「しかし、マジで悩ましいな」

 

もしものときの秘策もある。

 

月光、チルチルを助けるために必要なアイテムもオレは持ってきている。ただ、コイツを使えるのは1回だけだ。使えば、プレシャスが一つ消える。

 

いや、そのために使わせてもらおう。

 

「で、どうするんだ?」

 

「天道が見つけた場所だな」

 

「そうなのか。あの仮面に乗ろうにも滑ってしまうのでなあ」

 

「まあ、そうだよな」

 

一寸法師の言葉に同意し、オレはセイリングジャンプしたまま移動する天道を走って追いかける。跳んでも良いんだが、一寸法師を落とすからな。

 

「才賀!一寸法師!こっちだ!」

 

「お前が運ぶのもありだぞ!」

 

「それはエンゲキブにしてやる!」

 

コイツは、面倒くせえな。

 

そんなことを考えながら、オレは走って城を守るように集まった連中を一撃で倒し、垂直に跳び上がって、壁を走っていき、鉄格子の窓枠を殴って砕く。

 

「お待たせェい!元気かよ、お前ら!」

 

「一寸法師とサカイ、天道が参ったぞ!」

 

「エンゲキブ!……あれ?いねえのか」

 

ゆっくりと立ち上がってスカイライダーの姿を解除した天道にシンデレラとイデヤが近づき、今までの経緯と「空飛ぶ絨毯と三兄弟」の奴らを倒した事を話す。

 

「問題は桃太郎と鉢かづきだ。無事でいると良いんだが……なんで、オレの事を見るんだよ。はだかの王様」

 

「いや、その青い目に見覚えがあってな」

 

「糸色景の事だろ。オレのばあちゃんだよ」

 

「厄災を通さぬ羽衣は、どこにある!」

 

「本人に返してある。少なくとも、オレの力でも押さえ付けるのは無理な代物だ。お前らに渡しても意味はねえだろう」

 

そう言って怪我を負った奴らの身体に「癒やしの力」を使って怪我を治し、鎖を斬っていつでも戦えるように備えている。

 

 

 

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