「オラ、どうした?」
オレの頭突きだけで退いて、逃げようとするチルチルの腕を掴み、頭突きを見舞い、鼻血を出して苦しそうにするチルチルが糸のように消える未来が見える。
「成る程、分身の魔法か」
「残念だったな。偽物だよ」
「知ってるよ。■■■」
「────ッ!?なんで、いや、お前は未来を視れる読み手だったな。分かっていて、俺のところに居座っていたのか?」
「そりゃあ、そうだろ。オレは宇宙最強の糸色境だ。お前も月光も自由に笑える方法も考えてきた。悩みなんざ吹っ飛ばせ、笑う縁は超良縁だ!」
そう言ってオレが笑えばチルチルを名乗る■■■は呆れたように笑って、オレはゆっくりと消える■■■の代わりに飛んできたチルチルと月光を見上げる。
「才賀ッ、手伝え!!」
「良いぜ、乗ってやる!」
オレを呼ぶ月光に合わせて、飛び上がり、シンドバードの顔面を蹴り抜き、月光は本体のチルチルをぶん殴って二人を分断する。
「チルチル様~~~~!!!」
「シンドバード、騒ぐな」
「そうそう。男はクールにだ」
顔面を押さえるシンドバードを押し退け、オレと月光を睨むチルチルから月光に視線を向け、「チルチルに戻ったんだな」とみんなには聞こえない声で聞く。
────すると、月光はビックリしたようにオレを見るも「そういや未来が見えるンだったな」と納得しながらオレの肩を叩いて、「シンドバードは任せてやる」と言い、ゴキゴキと拳を鳴らしてチルチルを睨む。
「ちくしょう!俺は最強のシンドバードだ!」
「オイオイ。絵本の中の奴らが、最強も最高も最良も最優も最大も語るなよ。今、お前の目の前に立っているのは星星もひれ伏す宇宙最強の糸色境様だぜ!!」
オレの言葉に魔法の船を呼び出すシンドバードの未来を視て、船体の真下からぶん殴って竜骨を粉々に殴り砕き、落ちてきたシンドバードをけっとばす。
「けぶばあっ!?」
「魔法を使えよ」
「指輪の精よ!アイツを殺せ!!」
呼び出された魔神がオレを見下ろす。
「不可能です。この〈読み手〉に勝てる存在は誰一人として存在しません。天・地・人、この御方に勝てるのはこの御方のみに他なりません」
そう言うと魔神は消える。
「ま、そういうわけだ」
かかと落としを叩き込み、シンドバードを倒す。
「月光とチルチルのところにいかねえとな」
アイツらの戦いを止めるにも、コイツが必要だって教えねえとダメだ。エンゲキブもきっと直ぐに戻してやるから安心しとけよ。
月光はどんなときも約束を守る男だ。