ツキガミと長老会にはオレが説明し、読み手に生まれ変わった月光の身体───元・チルチルの身体を月打されたまま残っていた帽子が操っていたと説明する。
分身の魔法の暴走という観点を受け入れ、みんなも納得して、月光が元々はチルチルだった事を知っている鉢かづきとはだかの王様、孫悟空は納得した。
生まれ変わりは百年前の出来事だ。
「(糸色景の本に載っているのかね)」
そんなことを考えながら、まん丸と蒼い月の浮かぶ夜道を歩いていると白いローブを纏った集団が現れ、オレにシミターやサーベルめいた刀剣を突きつけてきたが、誰もオレに近付こうとしない。
「プッ、ククク…!」
あまりにも情けない存在に、オレはケラケラと笑い、オレの動きを止めていると思っていたヤツの一人を殴り倒し、ぐるりと回転するように見回して。
「掛かって来いよ。ざぁ~~こ」
オレの言葉にキレたバカの顔面の光を殴り砕き、サーベルを噛み砕き、膝を蹴り潰し、地面に叩き潰し、ゴギンッ!と首をへし折る。
「よォ…やっと逢えたなぁ?月の王様」
ツカツカと歩き、エンゲキブを連れて立つ男を見上げるようにオレは仁王立つ。
───月の王、オオイミ王を見上げる。
「青い瞳、嫌な記憶が甦る。敗北の記憶だ」
「相楽左之助に負けた記憶か?糸色景の身体を乗っ取っているのもテメェの部下だろう」
「あの女はカグヤを守護するハチツルギの剣士だったが、あろうことか人間の身体に乗り移り損ねたのだ。今は機能しているが、アレは二度と月の王国に戻ることは無いだろう」
「そうかいそうかい。テメェは自分のクソも満足に掃除できねえゴミクズ野郎だったわけだな」
そう言いきるとオレの顔面に裏拳を叩き込んできたオオイミ王の拳を黙って受け止め、アゴを蹴り上げ、がら空きの顔面に続けざまにかかと落としを叩き込む。
「…………余が、膝を折るだと?」
「エンゲキブ、お前はさっさと月光のところに行っとけ。オレはコイツと喧嘩するために来たんだ」
ゆっくりと動き出すエンゲキブは困ったように笑い、オオイミ王はエンゲキブを追わず、オレに視線を向けたまま立ち上がってきた。
「オオイミ王様!我らにお任せを!」
「善い。下がれ…」
オレを見下ろすオオイミ王を見上げる。
「やはり、トヨウケビメに似ているな。ハチツルギの中で群を抜いていたアヤツもまた聡明な女だった。今一度、あの日の雪辱を果たそう」
「オウ。応えてやるが、その前に使えよ」
オレはライダーベルトを投げ渡す。
「────ッ。つくづく善い男だ」
オレは「黄金のショッカーベルト」を巻く。
「ライダアァァ……変身!!」
「ショッカアァァッ!!!」
オオイミ王は仮面ライダー1号に変わり、オレは未来の怪人であるショッカーグリードに身体を変化させ、拳を握り締める。
「フッ、フフフ、行くぞ!ショッカー!」
オレが、お前の遊び相手になってやるよ!
オオイミ王!!!