「ウォアタァーーー!!!」
「ちょりゃあっ!!」
ウルトラマンとゼットンの身体をやめて、人間に戻ったオレとオオイミは殴って殴られ、お互いに満身創痍の姿で立って笑う。
お互いに、本気でやり合える。
それが最高の刺激を与えてくれる。
コイツに勝てるのはオレだけだ。
「ヌゥン!!かめはめ波!」
「頭から出すのは、パンチレーザーだ!」
オレの言葉にオオイミは唸って殴り返してくるだけで、とくに反論はしてこなかった。むしろ、殴り返してきたパワーが増している。
コイツ、まだ上がるのか。
「まだまだ終わらんぞ!」
「ハッ、同感だぜ!!」
身に纏っていた黄金の鎧を脱ぎ捨て、全身から噴き出す闘争本能の具象化にオレは笑みを深め、右拳に全身全霊のパワーを注ぎ込み、お互いの顔面を殴りつぶす。
地面は捲れ上がり、住宅街や商店街で飛び散る肉や野菜に噛みつき、ゴクンと飲み込み、オオイミも飛び散る肉や野菜に噛みつき、ゴクンと飲み込む。
パワーを付けるには食うしかない。
「うーまーいーぞーーーー!!!」
「口も目でビーム出すなやッ!?」
ビームを乱射するオオイミの攻撃を避け、鏡文字の缶詰を切らせて割り、サバ缶の汁も飲み干し、ゴクンと溜め込んだカロリーを全身に回すようにイメージする。
確か、ルーティンの究極だったか?と作法書に載っていた通りに食材に感謝しながら、血肉に変わっていく食べ物を思い浮かべる。
「ホウ。王の所作を心得ているな」
「一応、御当主様だからな」
オレの動きを真似て完全回復したオオイミに近付き、腕四つになるように組み、お互いに頭突きを繰り返し、頭蓋にヒビを入れながら頭突きし合う。
「マジであんたに会えて安心した」
「余も同じだ。糸色よ」
だからこそ─────。
────ああ、そうとも。
「「勝ったほうが、最強だ!!」」
全身の血管がグツグツと煮えた血潮を押し進める。コイツに勝て。コイツを倒せ。そう魂が吼えるように全身に熱が集まっていく。
お互いの顔面を蹴り、殴り、吹き飛ぶ。
「───抜け、糸色境」
刃が乱雑に出来た剣を抜くオオイミ。
月の王国に伝わる宝剣マギツキだ、
「境様」
「「主人殿」」
「「「共に往きましょう」」」
邪紅刀と清白刀を引き抜き、思念を纏わせる。
敬意を込めて、お前を倒そう。
「余は月の王国、オオイミ王なり」
「俺は地球の剣、糸色境だ」
「「いざや、破邪の戦刃を交わそうぞ!!」」
荒々しく型も流儀も存在しない滅茶苦茶な剣の動きを未来で視るが、未来よりも素早く動く剣を邪紅刀と清白刀で受け、切り返す。