長野県信州市の糸色本家に立つ。
オレに向かってきた分家のバカを殴り倒して、蛮竜を納めた大広間に座った巓の姉ちゃんを見据える。今日のために、わざわざ来てくれたらしいな。
「フン。来たのか」
「巓姉ちゃん。今日、オレは蛮竜の継承の儀式にやって来たんだ。オレが使えるのはもう分かりきっているから、使うのは過去の最強に会うためだ」
そう言ってオレは巓の真横に通り抜ける。
瞬きした瞬間、視界が変わる。
蛮竜を掴めば戦の最中に飛んでいた。しかもご丁寧に靴を履いた状態で飛ばしてくれた蛮竜に礼を伝える。だが、この何処に糸色がいる?
刹那、オレの真横を大鉾を担いだ男が駆け抜け、たった一振りで何百人の命を粉微塵に刈り取り、ひたすらに狂気に呑まれた笑い声が響き始める。
「戦骨が一番最初かよ」
その呟きに鮮血の舞う兇鬼が動きを止め、ゆっくりとオレのほうに振り返った。戦国時代ではかなり大柄な戦骨の姿にオレは戸惑う。
しかし、その戸惑う刹那に蛮竜がオレに叩き込まれ、咄嗟に太刀筋を流したはずなのに、大鉾を振り抜いた余波で人間は粉々に吹き飛んだ。
「
まるで、当たり前のようにだ。
戦骨はオレの肩を掴んだ。バカな!?と未来を視るも未来の戦骨はオレの胸に触れて、困惑しているのに、現実は戦骨がオかレの右肩を掴んでいる。
「(この野郎、未来視が効かないのか)」
未来を視るも戦骨は違う行動を取る。
当たり前のように、そうすれば未来を回避できると知っているんだ。こんなこと出来るヤツもいるのかと笑みを深め、右拳を振り抜く。
しかし、マジで悩ましいな。
ゆっくりと本家本元を乗り越える以外に何かしら方法があるのかと思えば物理的に勝つには、かなり費やすかも知れないな。
「喧嘩を売りに来たわけか」
「ああ、買えよ」
「買った!」
そう言うと戦骨は蛮竜をぶん投げて、オレの顔面を殴る未来が見えるも受けたのはフックだった。ストレートを避けるつもりだった。
オレの身体は真横に飛ぶ。
このオレがパンチを避けることもできず、振り抜かれたパンチを受け、身体がバカみたいに弾け、ズタボロになっていく。
想定していない攻撃ばかりだ。いや、よくよく考えれば未来を視ることに頼りきっていた。意識を切り替えてパンチをかわし、殴り返す。
戦骨の地面を砕く打撃を受け流し、殴り返す。
「うおらあっ!!」
「ハハハ!効かねえぜ!!」
オレのパンチが筋肉に弾かれる。
マジか、マジでか!?