戦骨の全身に響く強烈なパンチに身体は軋み、血反吐を吐いて殴り返す。パワーもスピードもタフネスもテクニックも上回っている。
だってのに、なんで倒れないんだ!?
「ハッハッハッ!!良いなァ!良いなァ!俺の魂が吼えるぞ、魂いぃぃぃぃ!!!」
「ぐがあっ!?」
ラッシュの速度が上がり、オレの身体は合戦場から吹き飛ばされ、槍を掲げる足軽の中に落ち、脇腹や肩、首、腕や太ももに掠り傷を負いながら立ち上がる。
「癒やしの力」で傷を治し、噴血して毒を体外に弾き出す。この時代の武器は何でもかんでも毒を塗りすぎだろうと不満に思いつつ、此方に突撃してきた戦骨の顔面に二重の極みを撃った。
だが、二重の衝撃を頭突きで相殺される。
ムカつく。不自由だ。
───不自由を感じるのは、初めてだ。
「おっ。目付きが変わったな」
「オレは、あんたを倒す」
「倒すかあ……まあ、いいや。殺さずにブッ殺してやるから元気に死ねよ!」
爽やかに頭のおかしい事を言う戦骨の右パンチを掴んで止めた筈が、身体ごと地面に叩き潰され、顔面を踏み抜かれる。
鼻の折れる音、頭蓋に罅が入る音が聴こえ、血涙と鼻血、耳血を流しながら、立ち上がって「癒やしの力」でオレは身体の怪我を即座に癒やす。
「成る程、これが恐怖かッ…!堪らねえ!」
身震いするほどに確信した。戦骨は本気でオレの事を殺す気だった。最後、喉を蹴り潰すところを無理やり身体をねじって避けた。
あの刹那の緊張感が背筋を凍らす。
「ハ、ハハハ!ハッハッハッ!!良いなァ!!!ようやくまともな顔付きになってきた、その顔ならもっとこの殺し合いを楽しめそうだ!!」
「殺し合いじゃねえ!コイツは、ケンカだ!」
「嗚呼、ケンカだ!!」
オレの言葉に同意する戦骨の顔面を殴り抜き、吹き飛ばす。さっきよりも身体の重みが違う。いや、コイツがオレの本来の重さだ。
「ッダラァ!!」
「効かねえぜ、クソガキ!」
オレの蹴りを蹴りで弾き返してきやがる戦骨の長髪を掴み、ぶん投げる。紐の解けた髪が乱れ、オレの身体を切り裂き、血潮が吹き出す。
「髪まで武器かよッ!?」
「膝着くんじゃねえぞぉ!」
飛び膝蹴りを受け、のけ反ると足を掴み、パワーボムのごとく戦骨を地面にめり込ませ、巨大なクレーターを作り、戦骨の顔面を踏み潰そうとする。
しかし、逆に足裏に頭突きが叩き込まれ、オレの右足は骨が砕け、「癒やしの力」で即座に治すが飛んできたパンチでまた吹き飛ばされる。
さすが、戦国最強の兇鬼だぜ。