一寸法師達が絵本に戻った次の日、学校帰りの校門で待ち構えていた月光とエンゲキブを連れて、鉢かづきを迎えに行き、オレの家に向かう。
オレの家と言っても元々は商家だ。
「狭いけど、上がってくれ」
そう言ってオレは屋敷の正面玄関のドアを開け、下駄箱に靴を戻し、月光とエンゲキブ、鉢かづきの三人は呆然とオレの事を見ている。
「どうした、入らないのか?」
「いや、ボンボンなのは聞いてたけどよ。まさか町で有名な化け屋敷に住んでるなんてオレは一度も聞いてねえぞ、才賀」
「言う理由はないだろう?それと化け屋敷じゃなくて、ここは糸色景の住んでいた大屋敷だ。今はオレの卒業まで使わせて貰っているけどな」
オレの傍にやって来た小柄な少女に視線は移る。
「メイドさんだ」
「映画で見たことあるな」
「冥土ですか?」
「なんだ、来てたのか。賛?」
オレの言葉にコクリと頷く少女、
擽ったそうに目を細め、直ぐに顔を赤らめて玄関を摺り足で移動していく賛の後ろ姿を見送り、月光達を連れて応接室ではなく大広間の方に移動する。
「境様、お客様、お茶菓子をお持ちしました」
「これ、ニュースで見たメロン!」
「金持ち自慢じゃねえな。こいつ、素で自分の品性を押し付けていやがる」
「ありがとうございます、冥土様」
今の糸色家は異能と霊能の二分割だ。
オレは異能大家を纏め上げている。が、霊能大家の方は糸色巓、オレの叔母さんによって恐怖政治みたいになっている。まあ、そんなことは良いんだ。
「先ずは、改めて名乗るよ。表向きの名前は才賀境、ここ一年前に襲名した名前は糸色境だ。鉢かづきの言った糸色景はオレのご先祖様だ」
そう告げて、月光を見る。
「よくわかんねえ」
「……けど、なんでハチカヅキちゃんがそのイトシキさんの名前を知ってるの?」
「そちらは私がご説明致します。御伽噺は
「ウソ……」
「てめぇも主人公じゃねえのかよ」
「私は月光条例の特例でございます。そして、私が糸色景様を知っているのは間に合わず、
そう言葉を区切り、鉢かづきはオレを見る。
「古今東西、御伽噺は
「オレの未来を視る目みたいに、な」
瞼の上から目に触れ、腕を組み、笑う。