着いたのは尾張と甲斐の近くに建つ、信州に居を構える上級武家の家屋だったらしく、平然と入っていく戦骨を追いかけると薙刀を突きつける女の子や刀を構える武士が出てきた。
「ソイツは味方だ。オレとおんなじくらい強いぞ」
そう言って仲裁してくれた戦骨の言葉に、一斉に土下座しようとする、おそらくこの武家の家臣達に「いや、あの判断は正しかった」と伝える。
汚れを洗い落とすために風呂に連れて行かれ、蒸し風呂ではなく生け簀みたいな風呂。天然の露天風呂に感心しながら、血や泥を湯船に浸かる前に洗い落とす。
「(ついでに『癒やしの力』で除菌するか)」
湯船に浸かって身体を癒や……水風呂かこっち?
「境様、油断めされるな」
「ん?おお、邪紅刀か。珍しいな」
「我を知っているのか?」
「おー、何か名前は聞いたことあるぜ。お前の芯になる大妖怪と何回かやりあったが、ありゃあ強いぜ。俺もかなり苦戦したからな」
自分の苦戦を楽しそうに話す戦骨。そんな戦骨の真後ろに巨大な大槌を構えた着物姿の女の子が現れ、戦骨の脳天に大槌が叩き落とされた。
「また、女の子を拾ってきたの!?」
「は?いや、オレは男だぜ」
しかし、背丈が縮んでいた。
「あ、そっちは娘溺泉だぞ」
「は?」
ぽよん、と胸が浮いていた。
「えぇ?」
マジかと胸を隠す。
いや、宇宙最強のオレに恥じるところはないな。
「とりあえず、着替えるか」
いそいそと新しい着替えを用意し、学ランを身に付けて、胸のボタンが弾ける。
すんげえ邪魔だな。
なんとなく切の姉ちゃんを思い出した。
「(そういや、Iカップとか聞いた気が……)」
グルグルと頭の中を巡る考えを殴って停止させ、着流しに着替えた戦骨に着いていく。大槌の女は糸色對、つまり糸色家の2代目様だ。
やっぱり、すげえな糸色の女の顔って。
「ところで、お前さま。この娘は?」
「未来のオレとお前のガキだ」
「あら、あらあらあら!まあまあまあ!!私とお前さまの子供はこんなに大きく育つのですか!!青い目は私の父様譲りのご様子!!善き哉!善き哉でございます!側室に伝えに行かなくてはあ!!」
ニコニコと嗤い始めた。
やべえ、後ろに怖いのが見えるぜ。
無視して、戦骨に詰め寄る。
「とりあえず、お前に完全に勝つぜ。あとこの身体を治す方法も教えろ」
そう言ってオレは戦骨を見つめる。
「胸が出そうだぞ」
「オレの身体に恥ずかしいところなんてない。宇宙最強だからな。絶対にお前をブッ倒して、もっと強くなるつもりだぜ」